NFLのゲームやハイライトを、ネット中継などで見る方も少なくないと思います。試合の実況で出てくる英語表現の中で、慣れてないと意味が分かりにくい表現や、面白い言い回しを独断で集めてみました。観戦のお供にどうぞ。
(英語の実況では見たことがない方は、ぜひ一度試してみてください!得点や残り時間、「1st&10」などのダウン数の表示は画面に出ていますので、英語に自信がなくても案外楽しめます。アメフト好きな方なら、プレーやフォーメーションに関する言葉は十分聞き取れるはずなので、なんとなく見ているうちに,、アメフト用語以外の英語についても、リスニング力や語彙力がアップするのでおすすめです! )
- almost
- be back in the game
- bomb
- capitalize
- conservative
- get rid of
- go for it
- hook up
- It's good!
- miscommunication
- move the chains
- on the ground
- pitch and catch
- poor man's
- product
- should have been
- south to north
- 3rd & manageable
- upright
- What a game!
- wrap up
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almost
意味:ほとんど、あやうく〇〇しない、惜しくも〇〇しない
例文:That is almost intercepted! Wow, very close!
訳例:ほとんどインターセプトされかけました。危なかった!
※インターセプトされてもおかしくないパスだったけど、実際にはそうならなかった、という場面です。「He almost caught the ball.(=ほぼ捕れるところだった)」など、実際にはキャッチできていないので要注意。同じ意味で、「nearly」も使われます。反対に、「ギリギリできた」という時には「The ball barely reached the goal line.(=かろうじてゴールラインにボールが届いた)」など、「barely」がよく使われます。
be back in the game
意味:勝負が決まったように見えていたが、また望みが出てくる。(※点差がついた場合や、力の差が感じられるような試合で、負けていた方のチームに勢いが戻ったような展開の時に出てくる表現です)
例文:They got back in the game with this turnover.
訳例:このターンオーバーで、彼らにもチャンスが出てきました。
bomb
意味:ロングパス
※爆弾という意味の「ボム」。アメフトでも出てきます。長距離で、一気にタッチダウンを狙うようなパスのこと。
capitalize
意味:(得たチャンスで実際に)得点する
例文:They can't capitalize on good field position.
訳例:いい位置でボールを得ているが、得点につなげられない。
※capitalizeの一般的な意味は、「資本化する」。「自分の持っている価値を、実際に現金化する」というようなイメージでしょうか。この単語がアメフトで使われるのは、例えばターンオーバーによって相手陣内でボールを得た場合に、そのままTDかFGで得点につなげれば、「capitalize(=有利な状況を実際にスコア化した)」と言うことができます。
conservative
意味:保守的な、慎重な
例文:Nearly every team in the league would turn conservative in this situation.
訳例:ほとんどすべてのチームが、この状況なら保守的になるだろう。
※例えば、「リードした試合の終盤で、なるべくランを使って時間を消費する手堅い戦略」「ミッドフィールドでの4th&inches。ギャンブルもありえるが、パントを選択」などがconservativeと言えるでしょう。反対語としてはaggressiveがよく使われます。
get rid of
意味:(パスを)投げる、投げ捨てる
例文:He rushes the quarterback and forces him to get rid of the ball before he is ready to do so.
訳例:彼は相手QBへラッシュして、準備できるより前にパスを投げるように追い込む。
※get rid ofは、一般には「捨てる」という意味の熟語ですが、NFL実況でもよく出てきます。「捨てる」という意味のとおりに、「投げ捨てる(パス成功を狙わずに、インターセプトされないようにフォワードパスを投げる)」という意味でも使われますが、「投げ捨て」というニュアンスはなく「パスを投げる」という場合でも使われます。
go for it
意味:いく、挑戦する。
例文:Now, they have no option but to go for it.
訳例:さあ、ここでは(2ポイント狙いに/ギャンブルに)いくしかありません。
※主に、「タッチダウン後の2ポイントコンバーション」「フォースダウンギャンブル」の場面で使われます。試合を見ていれば状況が分かるので、itのみですませて、「ギャンブルに出る」ことを言います。
hook up
意味:パスが成功する
※「つなぐ」「肉体関係を持つ」などで使われる言い回しですが、アメフトの実況でも登場します。パスがつながる、という意味です。そのままの形で、名詞としても使います。より普通の言い方としてはconnectがよく使われます。
It's good!
意味:(フィールドゴールの際に)決まりました!(成功しました!)
※キックは、成功したかどうかが問題なので、「素晴らしいキックです」というニュアンスはほとんどの場合ありません。あわやミスキックで変な弾道になったとしても、決まればgoodといいます。キックを褒めたい時は、The kick is perfect.など、別の表現を使います。
※キック以外でも、goodのニュアンスは少し注意が必要で(アメフトや他のスポーツに限らず)、「よい」というより「not great(=すごいというほどではない)」ということが言いたいことだったりする場合があります。「He is a very good player, but not a difference maker.」と言った場合、最も言いたいことは「ディファレンスメイカーではない」ということは明らかですが、場合によってはbut以下のことをわざわざ言わないことがあるので、面白いところです(もちろん、シンプルに「よい」と言ってる場合もあります)。goodの他に選手を褒める言葉としては「capable(有能な、実力のある)、decent(まともな)、legitimate(まともな)、solid(手堅い)」などがよく出てきます。
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miscommunication
意味:(情報の)伝達不足
例文:There was miscommunication on that play.
訳例:先ほどのプレーには、伝達不足がありました。
※アメフトならではと言える単語でしょう。「ターゲットのWRがパスが来ることに気づいていなかった」「指示のルートと違い、パスを投げるタイミングがズレた」とか、プレーコールが十分に伝わっていない時などに使います。
※「ディスコミュニケーション」とは言いません(和製英語のようです)。
move the chains
意味:ファーストダウンを更新する
例文:Their offense couldn't move the chains in the first half.
訳例:彼らのオフェンスは、前半あまりファーストダウンを更新できませんでした。
※サイドラインでは、ファーストダウンの起算地点と、その10ヤード先がどこかを示す板をゲームスタッフが持っていて、ちょうど10ヤードの鎖でつながれています。move the chainsとは、そのチェーンを動かすことなので、ファーストダウン更新、を意味します。アメフト以外にも、「プロジェクトが次に進む」「アプローチしている異性との関係が進展する」というような場面でも使われることがあるようです。
※move the sticksも同じ意味で、時々出てきます。
※似た表現に、move the ballもあります。こちらも、「(攻撃が簡単には止められずに)オフェンス陣が進軍している」ということです。ただし、場合によっては「ヤードは稼いでいるが、タッチダウンにはつながっていない」という含みで使われるので要注意です。「If you can move the ball but can’t score points it means you struggle with calling plays in the red zone. (=ボールは動かせてるのに得点ができていないなら、要するにレッドゾーンでのプレーコールに苦戦してるということだ)」など。
on the ground
意味:ランで、ラン攻撃で
例文:This team averaged 101.8 yards per game on the ground, 23rd in the league.
訳例:このチームは1試合平均、101.8ヤードのランを出しており、それはリーグの23位の数字です。
※文字どおり、「地面に、フィールドに」を意味することももちろんあります。パスの場合は、「through the air」などと言います。
pitch and catch
意味:(ただのキャッチボールのような)簡単なパス
例文:It's too easy! It's really just pitch and catch!
訳例:いとも簡単に成功しました! まるでただのキャッチボールです!
※pitchは投げる、catchは捕る。2つの単語をリズムで並べた言い方です。相手の裏をかいたプレーコールだったり、ディフェンス側のミスがあったりして、まるでガラ空きのレシーバーにパスを投げる時などに出てきます。
poor man's
意味:安価な、廉価版の
例文:He is the poor man's Cam Newton.
訳例:彼は廉価版のキャム・ニュートンだ。
※例えば、「身体能力に恵まれ、自分でもキープしてランが出せるタイプの新人QB」を評して「キャム・ニュートンのようだ」と言いたい時に使われます。「廉価版」と言っても必ずしもネガティブなイメージとは限らず、「まだ評価は定まっていないが、潜在能力的にはスター選手と似ている」と、ポジティブなニュアンスで使われる場合もあります。
product
意味:〇〇大出身の選手(※一般的には、「生産物」「製品」などの意味がありますが、NFLの実況では、出身大学の紹介として使われる場合があります)
例文:This Alabama product has some talent.
訳例:このアラバマ大出身の選手は、なかなかの選手です。
※また、選手を褒める言葉として、productiveという形容詞も度々出てきます。「He is a very good athlete, which has allowed him to be a very productive player in college.(=彼は身体能力に恵まれ、それによりカレッジで活躍することができた)」など。これは、「プレーを作れる」「スタッツを稼げる」というイメージでしょう。
should have been
意味:本来なら〇〇だった、〇〇でもおかしくなかった。
例文:That should have been intercepted.
訳例:インターセプトされてもおかしくないパスでした。
※should have been done ~:~を終わらせておくべきだった、というような用例で、アメフト以外にもよく出てきますし、文法の授業などでも出てきます。重要なポイントは、「終わらせておくべきだった」→「実際には終わっていない」ということを把握すること。アメフトの実況でもよく出てきます。1つ前のプレーをリプレーで見ながら、その過去の時点で「〇〇になるべきだった(でもそうなっていない)」ということです。「That should have been called.(=ファウルの判定がされるべきだった)」「That should have been a touchdown but was overthrown.(=タッチダウンになりそうでしたが、パスが高すぎました)」など。could have been~もほぼ同じ意味ですが、shouldよりもニュアンスが柔らかくて、souldなら「〇〇されるべき(でもそうはならなかった)」couldなら「〇〇になるかもしれなかった(でもそうはならなかった)」という違いがあります。
south to north
意味:縦方向に(エンドゾーンに向かって)
例文:When he gets the ball, there isn’t much east to west; he goes south to north—quickly.
訳例:彼はボールをキャッチしたあとは、横方向に走ることはない。すばやく、縦方向を狙う。
※サイドラインからサイドラインをeast to west、エンドラインからエンドラインをsouth to northと言います。前者はボールを横に動かして守備をかわしていくイメージ、後者はパワーで突破していくイメージです。「between the tackles(=タックルの間を突破して)」などもよく使われる表現です。
3rd & manageable
意味:なんとかファーストダウン更新の可能性のあるサードダウン(訳語としては、そのままカタカナで「サード・アンド・マネジブル」が妥当でしょう)
※アメフトの試合は、プレーを1回ずつ止めて、「4回以内に10ヤード進めば、ファーストダウン更新」として攻撃権を継続できます。そのため、実況では画面上に「現状のダウン数(1st~4th)」「残り何ヤード進めばファーストダウン更新になるか」を、「1st&10」「2nd&5」などと表示しています。そこで、サードダウンの時の残りヤードを説明する時に、「3rd & short」「3rd & long」などと言う表現がしばしば登場します。明確な定義はないようですが、3~4ヤードぐらいまでをshort(ランもパスも狙える)、7~8ヤード以上をlong(パス狙いが中心)と言っていることが多いようです。
※そこで登場するのがmanageableという考え方。manage(なんとかして〇〇する、状況をコントロールする)+ableで、「なんとかなる、処理できる」という意味の形容詞。例えば、2nd & 20の状況でパス失敗やランでゲインできないと「3rd & very long(=コンバージョンがかなり難しい)」状態になってしまう。そんな時に、「Now, they need a play to set up 3rd & manageable.(さあ、オフェンスはサード・アンド・マネジブルの状況を作れるようなプレーが必要です)」などと言います。
※ここで注意が必要なのは、manageableという言葉には、相対的なニュアンスがあることです。残り20ヤードに比べれば10ヤードはmanageableなので、「3rd & 10」の状況でも「3rd & manageable」というように言うことはあります。特に前提がなければ、5~7ヤードぐらいをイメージして言っているような気がします。
※もう1つ面白い表現を。3rd & 25ヤードなどの状況の時に「3rd & forever」と言っているのを時々耳にします。「ファーストダウン更新はほぼムリ」ということを大げさに伝える表現です。
upright
意味:直立した、(QBが)タックルされずに立ったままで
例文:Here's Desean Watson, ... somehow stays upright, ... throws pass! ... Caught!
訳例:さあ、ディショーン・ワトソンが・・・ なんとかダウンせずに・・・パスを投げた!・・・通った!
※Caughtはcatchの過去形。「(パス、ボールが)キャッチされた」との状況を受身形で表現します。実況では、プレーを追いながら説明しているので、前から順番に動詞が現在形で並ぶようになることが多いです。
What a game!
意味 :なんて(素晴らしい)試合だ!
※感嘆文の形で「What a 〇〇!」は、試合実況の定番中の定番とも言える表現です。「What a grab!(=なんてキャッチだ!)」「What a call!(=なんて見事なプレーコールだ!)」など。両チームが点を取り合うようなシーソーゲームで、一方のチームが点を取り返したら「What an answer!(=見事にやり返したぞ!)」など。ナイトゲームのデビュー戦で新人QBが大活躍したら、「What a tremendous night for his debut!(=デビュー戦に、すごい夜になりました!)」というような言い方で盛り上げます。
※似た表現でよく出てくるのが、「heck of a」です。「This guy's a heck of a player.(=彼はすごい選手だ)」などで、「すごい、とんでもない」というような意味です。
wrap up
意味:うまくまとめる、仕上げる
例文:The first half was very good, but we need to wrap up.
訳例:前半はとてもよかった、このまま勝負を決めるぞ。
※「有利な試合展開のまま勝つ」「いいドライブを得点につなげる」など「仕上げ」の意味でよく出てきます。
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ひとまずリストは以上とします。
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