NFLの2018シーズンのスタッツを振り返って、面白いと感じたデータを書き出してみました。2019シーズン開幕を楽しみにする注目ポイントにつながったらうれしいです。
今回はトム・ブレイディのスタッツの振り返りです。個人的な印象としては、最強の武器である「ポケット内での危機察知能力」に衰えを感じたのがレギュラーシーズン。その印象をぬぐい去ってしまったポストシーズンでの「勝負強さ」には心底驚かされました。
スタッツを順番に見ながら、振り返ってみます。今回は、2018シーズンのデータにあわせて、2017、2016、2014、2010、2007の数字も比較対象として書き留めました。2017、2010、2007はMVP受賞のシーズン。2016、2014はSB制覇のシーズンです。そういったシーズンと比べて、数字がどのように変化したかを見てみましょう。(※2016シーズンは4試合出場停止のため12試合の出場です)
もくじ
(今回の記事は、下記サイトのデータを参照しました。ダラダラ見てるだけで楽しいと思います。リンクを貼っておきます↓)
(2018年スタッツ)
2018 NFL Passing | Pro-Football-Reference.com
(トム・ブレイディ、キャリアスタッツ)
Tom Brady Stats | Pro-Football-Reference.com
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パッシングヤード
2018 4355ヤード(リーグ7位)
2017 4577ヤード(リーグ1位)
2016 3554ヤード(リーグ20位※1試合平均だと4位)
2014 4109ヤード(リーグ10位)
2010 3900ヤード(リーグ8位)
2007 4806ヤード(リーグ1位)
2018シーズンは、リーグ7位の4355ヤードでした。キャリアハイは、2011年の5235ヤードです。14勝2敗でMVPだった2010年が3900ヤードですから、必ずしも「パッシングヤードが低いから悪かった」とは言えないところがなんとも面白いところです。
TD数
2018 29(リーグ10位)
2017 32(リーグ3位)
2016 28(リーグ7位)
2014 33(リーグ5位タイ)
2010 36(リーグ1位)
2007 50(リーグ1位)
2018シーズンのTD数は、やや物足りない印象だったかもしれません。ただし、チームとしてはランで18TD(リーグ4位タイ)を挙げており2019シーズンもバランスのいい攻撃を指向していく方向でしょうか。
2011シーズンに17TDを挙げていたグロンカウスキーは2014に12、2017に8、2018は3TDでした。2018にはレッドゾーンターゲットというより、ブロックで活躍した印象ですが、彼の抜けた影響がどう出るのかも今季の注目点になりそうです。
INT数
2018 11(リーグ15位タイ)
2017 8(リーグ21位タイ)
2016 2(リーグ40位タイ※12試合出場)
2014 9(リーグ23位タイ)
2010 4(リーグ40位タイ)
2007 8(リーグ28位タイ)
(※リーグ順位は、多い順番で記載しました。順位が低いほどいいです)
“衰え”が最も数字に表れた部門がINT数かもしれません。同じINTでも、「不必要なミス」が増えた印象があります。
とはいえ、INT%(パスアテンプトがintに終わった確率)をシーズンごとに比べると、「徐々に悪くなっている」ということはなく、2016シーズン(0.5%)がキャリアベスト、以下2010、2015、2012、2017と続いています。そう考えると、「経験によってキャリア後半に改善してきた」という部門でもあります。修正できるかどうかが、2019シーズンのキーポイントになってきそうです。
パサーレーティング
2018 97.7(リーグ12位)
2017 102.8(リーグ3位)
2016 112.2(リーグ2位)
2014 97.4(リーグ5位)
2010 111.0(リーグ1位)
2007 117.2(リーグ1位)
この部門でも、大きく順位を落とした印象です。2018のリーグトップはドリュー・ブリーズ。以下、マホームズ、ウィルソン、ライアン、リバース、ワトソン、ウェンツ、ゴフと続きます。ライアン以外はプレーオフに残っていますので、やはりレーティングはQBの出来を表すのにわかりやすい指標と言えそうです。
Y/C(Yards per completion)
2018 11.6ヤード(リーグ14位)
2017 11.9ヤード(リーグ8位)
2016 12.2ヤード(リーグ6位)
2014 11.0ヤード(リーグ25位)
2010 12.0ヤード(リーグ11位)
2007 12.1ヤード(リーグ4位)
※1回のレシーブの平均で何ヤードゲインしたか、のスタッツです。
2007年はWRランディ・モスがロングパスのターゲットになったシーズンでした(平均15.2ヤード、トータル1493ヤード、23TD)。2017年にはWRブレンディン・クックスの活躍もありました(平均1082ヤード、トータル1082ヤード)。2016年はWRクリス・ホーガンのベストシーズン(平均17.9ヤード、トータル680ヤード)。
2018シーズンは、そこからはやや落とした印象です。クックスがチームを去り、グロンカウスキーがレシーブの機会を減らし、ジョシュ・ゴードンが途中で離脱しました。
その時々のメンバーでオフェンスのスタイルを調整するのに長けたペイトリオッツにとっては、このスタッツはそこまで心配要素ではないようにも思えますが、2019シーズンはどうなるでしょうか。
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まとめ
2018シーズンのブレイディは、「どの部門もリーグ10位前後」「今まで常に上位いたパサーレーティング、INT%でリーグ内の順位を落としたのが心配」というのが、スタッツを見てわかることでしょうか。
一方で、過去のシーズンと比べても、それほど大幅にダウンしているわけではないようにも思います。安定した強さを持っていた2014シーズンと比べても、それほど数字が悪化してるわけではありません。
2018シーズンのスーパーボウルで見せたような、「ディフェンス力」と「ラン攻撃」で勝負するスタイルなら、2019シーズンも十分以上の勝機はあるようにも思います。
2019シーズンに、より大幅な“衰え”が訪れることも十分考えられますが、それは(僕がペイトリオッツのファンになった)2012シーズンからずっと言われ続けていること。2015~2017は、年齢(38歳~40歳)を超越して、キャリアのピークとも言えるようなパフォーマンスを見せている、とも言われていますし、すくなくとも常識が通用するような選手ではない気がします。
さすがに数字は悪くなっていくと僕は想像していますが、そんな予想を裏切ってほしい、とも思っています。
今回はここまでにします。開幕への楽しみが少しでも増えたならうれしいです。質問、訂正、補足、リクエストなどがあればどうぞ遠慮なさらずコメントください。お答えできるかはわかりませんが、ブログのネタにもなりますので大変助かります!
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