鯖缶NFL三昧

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【妄言】ペイトリオッツのスーパーボウル制覇を信じてみる

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推しチームの試合を待つ間、「どうせ負けるでしょ」と負けた時の心の準備をしながら待つ人がいる。その気持ちは分かる。「負け」はあまりにもツラい。そのツラさを少しでも和らげないと、ファンを続けられない。


その一方で、「ひょっとしたら勝てるんじゃ」「絶対勝てるはずだ」と思いながら試合を待つのも楽しいものだ。どうせ試合の行方はやってみないと分からない。どんなに心の準備をしても、いずれにせよ負けはツラいんだ。なら、試合を待つまでの間、「○○さえ起きれば勝てる」と妄想を走らせてもいい。


ペイトリオッツファンよ、僕は「ペイトリオッツのスーパーボウル制覇、あるでしょ」って思ってますよ。「来年」や「いつか」じゃなくて、「今」。この2021シーズンに。信じる根拠を書いてみたので、怖がらずに信じてみましょうよ。


①ビル・ベリチックを信じろ

フットボールで一番重要なポジションは? そんなのヘッドコーチでしょ。ペイトリオッツにはビル・ベリチックがいるじゃないか。チーム運営力、ゲームプランの立案力、ゲーム中の修正力、勝利への意欲、相手チームに与えるプレッシャー。ベリチックの「神通力」は、いまだ健在だと今季のここまでの戦いで十分に示していると思う。


プレシーズンで悪くないクオリティを見せていたキャム・ニュートンよりも、マック・ジョーンズを選んで開幕から先発させたこと。マック・ジョーンズのここまでの活躍を見れば、「賭け」は成功だったと言っていい。


今から思い返してみても、なかなか簡単な選択じゃないと思うんだけど、どうだろう。「実績のあるキャム・ニュートンでシーズンをスタートして、もしうまくいかなければダメ元で新人QBに切り替え」で普通ならいいじゃないか。だけど、ベリチックは自分の選択を信じて中途半端なことはしなかった。なんたる勝負師か。


RBソニー・ミシェル、CBステファン・ギルモアのトレード放出も、それぞれ間違った判断じゃなかったように見える。残ったメンバーで戦えると自軍の戦力を評価して、それに従った。ベリチックの目は腐ってない。


今季は、NFLの各チームにとって難しいシーズンだ。サラリーキャップが2020シーズンより8%落ちた。試合数が16試合から17試合に増えた。そしてコロナはまだ終わってない。各チームはストレスフルなチーム運営を強いられてるだろう。若手のHCが見事な手腕を見せてきた近年のNFLだけど、最後に勝ってるのはベテランHCが多い(ベリチックであり、アンディ・リードであり、昨季はブルース・エリアンズが勝った)。ならばこの苦しいシーズンも、実績のあるベテランHCが勝つんじゃないか。それならばベリチックが最有力候補と言っても誰も笑わないだろう。


②ジョシュ・マクダニエルズを信じろ

マクダニエルズは、NFLでも有数のOCらしい。「トム・ブレイディはただのシステムQB」とずっと揶揄されてきたことを思えば、そう言われるだけのシステムを作れるプレーコーラーだと分かる。


ペイトリオッツは2019、2020とオフェンスの戦力不足で、マクダニエルズの能力を生かせない状況が続いてきた。だけど、今季は違う。十分にマクダニエルズの才能が発揮できる状態じゃないか。


序盤にはケガと病気でやりくりに苦労したOLだけど、ここにきてベスト2年目ラインマンのオンウェヌを余らせる贅沢な状態。パスプロ、ランブロックとも頼りになるユニットだ。WRはアガロア、マイヤーズ、ボーンとそれぞれ使い勝手の違う選手がマック・ジョーンズとのシンクロ率を上げつつあり、TEハンター・ヘンリーはレッドゾーンでのターゲットとして機能。今まで目立ってないジョヌ・スミスだって、万能な武器としての可能性は何度か見せてきた。RBはハリスとスティーヴンソンが頑強なタンデムになりつつあるし、ボールデンは「ただの堅実な控え」じゃなくて「誰でも主役になれるペイトリオッツオフェンスのシンボル」だと分かった。おっと、ニキール・ハリーもいる。1巡としては“バスト”だったかもしれないけど、もはやそんなことはどうでもいい。恵まれた体格を生かして、「リーグ最強のブロッキングWR」として名乗りを挙げている(すみません、ボールデンとハリーはやや盛ってる気もします)。


そして、マック・ジョーンズ。新人らしからぬポケットでの落ち着き。短いパスの正確性と、プレーブックの理解の早さはもう「証明した」と言っていいんじゃないか。あとはディフェンスを読む能力と、4Qでのクラッチパフォーマンスを見せられるか。今季の間にどこまで成長できるかは未知数だけど、少なくとも別に悲観する材料は出してないように思う。


ペイトリオッツのオフェンスが、プレーオフに残るチームのディフェンスとどこまでやれるかは分からないけど、少なくともマクダニエルズの才能を生かしやすいユニットになってるのは間違いないと思う。


ボールを進めるのに、完全に相手をだます必要もないし、遂行が難しいトリックプレーに頼る必要もない。的を絞らせずに、相手の判断を0.5秒遅らせれば十分だ。シンプルなプレーを組み合わせて、「少しだけ」相手を出し抜くようなオフェンス。今のところそれが表現できつつあるし、伸びしろだってあるだろう。


③ディフェンスを信じろ

ものすごくバランスのいいユニットだ。スーパーボウル制覇の経験を持つベテランのデビン・マコーティ、ダンテ・ハイタワー、カイル・バンノイ、ローレンス・ガイ、ディートリック・ワイズ。JCジャクソンだってスーパーボウルリングを持ってる。


若手のカイル・ダガー、ベントリー、ジョワーン・ウィリアムズ。新人のクリスチャン・バーモア。2020から加入のエイドリアン・フィリップス、今季から加入のジェーレン・ミルズ。そして、主役を演じているマシュー・ジュドン。


各ポジションに、ベテランと若手がそれぞれいて、生え抜きと加入組がいる。主役を演じる選手はいるけど、特定の誰かに過度に依存する構成にはなってないのも心強い。(もちろんマコーティやジュドンが抜けることがあればかなりピンチだとは思うけど、それはどこのチームでも同じだろう)


昨季王者になったバッカニアーズのディフェンスも、若手とベテランのバランスが良かったし、スーパーボウル経験者が頼りになった。今季のペイトリオッツディフェンスのメンバーも、決して劣ってないと思うけど、どうか。


Xファクターは、ビル・ベリチックの息子、スティーブ・ベリチック。あの人がどういう存在なのかいまいち理解できてないんだけど、今季は存在感を増している。どうやら、フットボールフリークであるのは間違いなさそうだ。誰よりも勝負に没入しているように見える。


僕は、「勝負の鬼ビル・ベリチックでさえ息子をかわいがってしまうのか」と、彼の存在をペイトリオッツの弱点の方に数えていたけど、実はそうじゃないのかもしれない。


④マック・ジョーンズを信じろ

さて、マック・ジョーンズがプレーオフ、ましてやスーパーボウルを勝てるかどうかなんて未知数でしかないので、これはいかに楽観的な僕でも「マック・ジョーンズがいるから勝てる」とは思ってない。


でも、同時にこうも思うのだ。「だったら誰なら信じられるのさ」と。マシュー・スタフォードもダク・プレスコットもカイラー・マリーも、ジョシュ・アレンもラマー・ジャクソンも、確かにマック・ジョーンズより実績もプレーの質も「格上」だろう。でもチャンピオンシップやスーパーボウルで「レギュラーシーズンの実力どおりのプレー」ができるかどうかは「未知数」だ。


パトリック・マホームズですら、スーパーボウルでマホームズらしいプレーができたのは49ersに勝ったスーパーボウル54の第4クオーターだけ。


ほとんどすべてのQBにとって、「スーパーボウルで勝てる器」かどうかは「まだ証明できてない」んじゃないか。少なくともマック・ジョーンズは、カレッジで全米王者になった経験がある。実力どおりのクオリティをプレーオフで見せることだって十分にあり得るじゃないか。


これは何も、ライバルチームのQBをディスりたいわけでもなんでもなくて、新人QBだからと言ってマイナス補正する必要はないだろう、という話。「明確に格上なのはトム・ブレイディだけ」って思えば、ポストシーズンの勝ち方を知ってるビル・ベリチックのプラス補正の方が上回るんじゃないか、と。


⑤おわりに

さて、妄言はここまででおしまいにします。ペイトリオッツファンの方が「いけるかも」と少しでも思ってくれたらうれしいです。アンチペイトリオッツの人が(さすがアンチの人はにここまで読まないですよね)「ウザっ」と思ってくれたら、その分ペイトリオッツの勝算は上がりそうなのでそれもうれしいです(ペイトリオッツは嫌われるほど強くなるというオカルト理論を信じてるので)。


このコラムはweek12のタイタンズ戦を前に、ペイトリオッツが7勝4敗の状況で書きました。ペイトリオッツはこれからタイタンズ、ビルズ、コルツ、ビルズと強敵との対戦が続きます。ひょっとしたら1カ月後にはスーパーボウルどころかプレーオフ戦線からも脱落してる可能性もあるので、「このタイミングで書くしかない」と思って書き出してみました。チームのコーチや選手はたぶん目の前の試合に集中してくれるでしょう。プレーオフに思いを馳せるのはファンの特権だと思うので、それを楽しんだ次第です。


僕はペイトリオッツが今季のスーパーボウルで勝てる可能性は7%ぐらいあると思ってます(このコラムを書き始めた時は11%ぐらいあると思ってましたが、ビルズがセインツに完勝したのを見て、地区優勝はかなり難しいと思い知らされて下方修正しました)。


なんだ、これだけ大げさに書いといて7%かよ、と思うかもしれませんが、シーズン開幕時はまったく可能性すら感じてなかったのが、「7%」ってすごくないですか。推しチームがスーパーボウルで勝つなんて、宝くじに当たるようなもの。


「7%の確率で1億円当たる宝くじ」を枕元に置いて眠ることができるなんて、こんなにうれしいことはないでしょう。願わくば、この楽しみが少しでも長く続いてほしいです。

 

 

 

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