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NFLの歴史を変えたものTOP100(「100 Greatest Game Changers」紹介)

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NFLの歴史を変えた“ゲーム・チェンジャー”とはいったい誰でしょうか。TOP100を、ランキング形式で紹介する番組があります。「100 Greatest Game Changers」と言って、NFL創設100周年の年に作られた記念番組の1つ。ゲームパス(通称ゲーパス)でもYouTubeでも見られます。


①どんな番組?

2019年は、NFLのリーグ創立100周年でした。その記念として、「100」にちなんだ番組がいくつか作られました。「100 Greatest Game Changers」はそのうちの1つです。制作したのは、NFL Films。NFLについてのドキュメンタリーを多く手がけた専門会社です。

 

NFLの100年の歴史の中で、NFLの発展へ変革におおきな影響を与えたのは誰でしょうか。それをランキング形式で紹介しています。コーチや選手のレジェンドたちがランキングしていますが、彼らにまじって「インスタントリプレー」や「ファンタジー・フットボール」など、「人物以外」も多く紹介されているのが印象的です。

 

②なぜ おすすめ?

NFLの魅力の1つとして、「アメリカのエンターテイメント、カルチャー、シンボルとしてのスケールの壮大さ」があると思います。その、「スケールのデカさ」を味わえる番組が「100 Greatest Game Changers」です。どのような人物や出来事によってNFLが変わって、それが現在のリーグにどうつながってきたか、壮大さをたっぷりと味わえます。

 

また、各ランキングには「どうして偉大なのか」を解説するコメントが寄せられていますが、コメントをしている人物も豪華そのもの。例えば、NBAのレジェンド、コービー・ブライアントが、ペイトリオッツのヘッドコーチ、ビル・ベリチックの勝利への執念や細部への手抜きのなさを称賛するシーンなど、「レジェンドがレジェンドを語る」という濃密さがあります。

 

そんな、深みのある内容でありながら、ランキング形式のためNFLビギナーや、英語が得意でない人でも親しみやすいことも、おすすめできるポイントです。

 

③どうやったら見られるの?

ゲームパスでは、「NFL ORIGINALS」→「NFL 100 Greatest」と選択し、その中に「100 Greatest Game Changers」があります(part1~4で、それぞれ43分程度)。そして、YouTubeにアップされているので、ゲームパスに加入していなくても、そちらで無料で見られます。(100~91位、90~81位、と10位刻みで、1つ10~20分程度です)


④ランキング一部紹介

実際のランキングの中から、僕が印象に残ったものを一部紹介します(簡単なメモ程度です)。(カギカッコの部分は動画内のコメントをメモしたものです。「※」で記した部分は当ブログで補った訳注です。NFL公式アカウントのツイートを貼り付けましたコメントの抜粋部分は異なる場合もあります)


97位 オデル・ベッカム・ジュニア(Odell Beckham Jr.)

「OBJはNFLでインスタグラムの先駆者。NFLのキム・カーダシアン」「好きでも嫌いでも、人々は彼を話題にする」「彼はただのフットボール選手でもなく、ただのワイドレシーバーでもない。彼はOBJなの」

 

96位 サラ・トーマス(Sarah Thomas)

「NFL初の女性審判」「テレビでサラ・トーマスを見た少女たちが、あの仕事は私にも開かれている、と思えるようになった」「彼女がプレーオフでサイドラインに立っているのを見た。私にとっては、そのことが、あの日の最もエキサイティングなことだった」「本当にやりたいことがあるなら、ジェンダーによってそれを諦めることはない、と伝えられた(本人のコメント)」

 

92位 アーロン・ロジャース(Aaron Rodgers)

「彼の登場によって、QBができることへの期待値が変わった」「彼はどんなプレーでも、ゲームを変えることができる。ポケットから出ても、すごいプレーを決められる。あっという間だよ(NBAスター、アンソニー・デービスのコメント)」「それまでは見たことのなかったレベルのプレーを見せてくれる」

 

82位 モー・ルイスのヒット(The Mo Lewis Hit)

(※ジェッツのLBモー・ルイスによるヒットでブレッドソーが負傷。控えのトム・ブレイディがリリーフした。このQB交代劇がなければ、“ペイトリオッツ王朝”は始まらなかったかもしれない)

「2001年、ペイトリオッツはジェッツと対戦した時のことだ。当時、ペイトリオッツをリーグで最高峰のチームだと見なしていた人などいなかった。ブレッドソーは、リーグ最高給のQBだったがね」「実際のところ、モー・ルイスこそがトム・ブレイディのキャリアをスタートさせたんだ」「ブレッドソーがゲームを離れ、そこに登場したのが“キャプテン・アメリカ”だ」

 

74位 バリー・サンダース(Barry Sanders)

「バリー・サンダースの存在によって、すごいアスリートが平凡に見えてしまう」「バリー・サンダースは爆発的で、クレイジーなプレーメーカーだ。彼がボールを触れば、どんな時でも得点できる。相手ディフェンスが間抜けに見えることが決まっているほどだ(セイクオン・バークリーのコメント)」「彼は小さな体に、大きなハートを宿した男だ。子どもたちが彼を見れば、背が低くてもすごい活躍ができると、信じられる」


64位 メル・カイパー(Mel Kiper Jr.)

(※ESPNのアナリスト。ドラフト候補生に詳しく、モック・ドラフトの第一人者的存在)

「メル・カイパーが出したドラフト本には、プロスペクトの情報が詳しく載っていた。ESPNがドラフトに対して行ったことで最大のものは、メル・カイパーを雇ったことだ」「メル・カイパー以上にドラフトを詳しく語った者はいない」

 

63位 ロジャー・スターバック(Roger Staubach)

(※レジェンドQB。カウボーイズでプレーし2度のスーパーボウル制覇)

「(ブレット・ファーブのコメント)物心ついた頃からずっと、スターバックになりたかった。僕も足で走り回って、ギリギリでパスを投げたものだ。彼がやっていたようにね」「(トロイ・エイクマンのコメント)彼は誰もやっていないうちから、足で逃げてプレーを決めた。ただ、彼をゲーム・チェンジャーにしたのは、彼自身の威厳と人格だ。彼自身のスタイルで、チームを鼓舞した」

 


62位 ディック・リボウとゾーンブリッツ(Coach Dick LeBeau & the “Zone Blitz”)

(※ディック・リボウは選手としてはライオンズでコーナーバックで14シーズンプレー。その後コーチになり、ゾーンブリッツを用いて“守備の天才”と目される存在に。スティーラーズでディフェンシブ・コーディネーターを務めた2004~2014では、2度のスーパーボウル制覇に貢献)

「ディック・リボウはゾーンブリッツに革命をもたらし相手QBを恐怖に陥らせた。それまでと同じ戦いではなくなったんだ」「彼が作りあげた戦術は、とても有効なものだ。ゾーンディフェンスを基にしており、ブリッツを仕掛けながら、人数が不利にならない安全策も兼ねていた」「相手QBを完全に怒らせる策だ」


55位 ブレット・ファーブ(Brett Favre)

「父に彼のことを教わった。これが4番だ。これがブレット・ファーブだ。彼はよく、とんでもないインターセプトを投げる。だけど、見る人を熱狂させるパスも投げる。“ムリ、ムリ…やった!”」「彼がテレビに映っていたら、誰もチャンネルを変えられない。だって、ものすごいボムが、いつ投げられるか分からない」

 

52位 トニー・ダンジー(Tony Dungy)

「アフリカンアメリカンのHCとして、史上初のスーパーボウル制覇を成し遂げたのは、トニーにふさわしい偉業だった。彼のコーチングスタイルは、多くの人が尊敬するものだ。トニー・ダンジーのチームにいて、ミスを犯したら、コーチの期待を裏切ったことを自然と反省するだろう」「彼は言葉と行動が一致する人だった。どこを探しても、一生のうちに、トニー・ダンジーほどの好人物には会えない。彼は素晴らしい教師で、素晴らしいコーチだ。あれほどの人はいない」

 

51位 ボー・ジャクソン(Bo Jackson)

「ボー・ジャクソンのことを子どもたちに説明しようとした。ほら、この男だ。レブロン・ジェームズやコービー、マイケル・ジョーダンたちがやってきたことを、始めたのがボーさ。スーパースターのアスリートが、コマーシャルに出演するようになったのの先駆けだ」「ボー・ジャクソンはスポーツ界を驚かせました。彼は、カンザスシティ・ロイヤルズで野球をフルシーズンプレーした後で、彼の”趣味”を始めると言ったのです。”趣味”とはつまり、プロ・フットボールです」「ボーを生で見てみろ。俺が思うに、彼はシャキール・オニールだ。普通なら、デカいランニングバックは、それほど速くない。だけど彼は、チームで一番速くて、チームで一番デカいんだからな(NBAレジェンド、チャールズ・バークレイのコメント)」

 

45位 ディオン・サンダース(Deion Sanders)

(※ディオン・サンダースは、コーナーバックとしてDPOY1回、オールプロ1stチーム6回選出。その一方で、ワイドレシーバー、キックリターナーとしても活躍した)

「彼は、ポジションの概念を変えた。彼の存在以前は、DBはボールをキャッチできない。DBは、対面するオフェンスの選手のようなプレーはできない、と言う見方がステレオタイプだった」「彼はどんなプレーでもした。ディオンはゲームを変えてしまったんだ。彼の存在が、その後に続くDBが躍進する素地となった。僕らDBは、フランチャイズの顔になれる。そうなりたいと望めば、NFLの顔にだってなれる(ジェイレン・ラムジーのコメント)」


37位 ダラス・カウボーイズのチアリーダー(The Dallas Cowboys cheerleaders)

「ダラス・カウボーイズのチアリーダーたちは他にはない存在ね。アメリカのスイートハートなの」「カウボーイズのチアリーダーは今でも人気だわ。先駆者だったもの。露出度の高いコスチュームとダンスで、道を切り拓いた。彼女たちを見て、女の子たちは踊り方やメイクをマネできる」「象徴的な存在だわ。フットボールのファンでなくても、ダラスカウボーイズのチアリーダーのユニフォームは知ってる。スター選手たちに並ぶブランド力ね」


31位 人工芝アストロターフ(Astroturf)

(※MLBのヒューストン。アストロズ、NFLのヒューストン・オイラーズ(現テネシー・タイタンズ)の本拠地であったアストロドームで、導入された人工芝。その後他の球場にも人工芝の採用が広まった。ただし、固いフィールドではケガが起きやすく、より柔らかい人工芝がその後導入されていった)

「アストロターフの導入によって、プレーが速くなった。すると、スキルポジションの選手が試合を支配することになる。それが、アストロターフがNFLにもたらしたものだ」


25位 トム・ブレイディ(Tom Brady)

「トム・ブレイディは悪魔と取引をしたようにしか見えない。だって、彼は年を取らない。彼以外のQBはみんな年を取る」「彼は、キャリアの半分のシーズンでスーパーボウルに出てきた」「ある種の、勝利への強迫観念がなければ、勝者にはなれない。惜しかったでは意味がないことを、理解しなければならない。スーパーボウルに勝つ以外は、失敗なのだ。トム以上にそう思ってる選手は、ほとんど見たことがない(NBAレジェンド、コービー・ブライアントのコメント)」


20位 ジム・ブラウン(Jim Brown)

(※1957年にブラウンズに入団しRB(FB)として活躍。MVPに3度選出された。1シーズン14試合だった1963年に、1863ヤードを記録している。引退後は映画俳優として多くの作品に出演した)

「誰がこのリストを作ったのか知らないが…(笑) 自分で自分のことを語るなら、神が私に強靭な体をくださったということだ。6.2フィート(189cm)、232ポンド(105kg)で、クイックネスとスピードがあった。周囲の選手とは違っていた(本人のコメント)」「ジム・ブラウンは史上最高のRBだ。スゴい人だ。フィールド上だけでなく、アクティビストとしても影響を与えてくれた」「アメリカが変わろうとする時代で、公民権運動があった。アスリートとして、率先して運動に関わろうとする姿に勇気づけられた。ともに立ち上がって連帯できると、ジム・ブラウンが示してくれた」

 

17位 ローレンス・テイラー(Lawrence Taylor )

「彼ほどのゲーム・チェンジャーは他にいない。全盛期の彼は、まさにアンストッパブルだった」「今日に至るまでで、最も偉大なフットボール選手だ。そう言ってるのは私だけじゃない。ベリチックがカリル・マックについて聞かれた時の会見を見てくれ※(レジェンドレスラー、リック・フレアーのコメント)」「彼の存在によって、対戦するチームはオフェンススキームの大幅な変更を余儀なくされた」「ある時、私たちはローレンス・テイラーの対策として4つのブロッキングスキームを準備した。彼は、その4つすべてをぶち壊した。ヘッドコーチは、“もうどうしようもない。人生で一度きりだが、もうお手上げだ”と言ったよ」

(※ベリチックはカリル・マックをローレンス・テイラーと比較してどう思うかと聞かれ、「私は誰であれローレン・テイラーと同格扱いはできない。多くのすばらしい選手を尊敬しているが、ローレンス・テイラーだけは別格」と答えています。参考記事↓)

Bill Belichick does not appear amused by question comparing Khalil Mack to Lawrence Taylor - CBSSports.com



16位 ファンタジー・フットボール(Fantasy Football)

「誰しもがコンサートに行くし、誰しもがスーパーヒーローの映画が好きだ。みんなピザが好きで、みんなマーチマッドネス(大学バスケ)のトーナメント表で生き残りの線を書くだろ。そんなふうに、誰しもがファンタジー・フットボールのドラフトをしてる。そこまで定着してるんだ」「毎週、お気に入りの選手を選んで、自分のチームを作る。GMになって、友達と戦うの。それぞれの試合で、競争を楽しめる。今や、どんな試合も重要になった」


12位 インスタント・リプレー(Instant Replay)

「インスタント・リプレーは、テレビとフットボールの結婚という成功によって生まれたものだ」「リビングでテレビを見る視聴者が、フィールドにいる審判よりも、微妙なプレーを正確に見られるようになった」(※テレビの技術の発展によって、審判のミスが伝わりやすくなった。インスタント・リプレーが導入され、改良を重ねられたことで、ミスを修正できるチャンスが増えた)


4位 ビル・ウォルシュ(Bill Walsh)

(※ウエストコーストオフェンスで知られる名将。ジョー・モンタナ、ジェリー・ライスらを擁して、49ersを3度のスーパーボウル制覇に導いた)

「彼がゲームのあり方をどう変えたかと言うと、ファーストダウン更新を得るために、どのようにパスを使うかの考え方だ」「いつも20ヤード、30ヤードのパスを毎回狙う必要はない。ダウンフィールドを見てパスが難しそうなら、攻撃を続けられる短いパスを僕は選んだ(ジョー・モンタナのコメント)」「ビル・ウォルシュは、時代をかなり先取りしてた。今日のフットボールを見れば、多くのオフェンスが当時の僕らと同じようなシステムで、アンダーニースへのパスを使っている(ジョー・モンタナのコメント)」


1位 ポール・ブラウン(Paul Brown)

(※彼にちなんで名づけられたブラウンズの共同創設者であり、チーム創立の1946年から1962年までヘッドコーチを務める。チームの新オーナーにより解雇されるも、その後ベンガルズの共同創設者となり1968~1975シーズンにはヘッドコーチも務めた)

「プロ・フットボールの歴史上、ポール・ブラウンは最も偉大なイノベーターの1人だ」「フットボールで行われてきたことの半分は彼が考え出したものだ」「フェイスマスクの開発を助けた。今では、フェイスマスクなしのフットボールなんて誰もやろうとしない」「プレー・ブック、アシスタントコーチ、ゲームプラン、トレーニング方法、戦術、スカウティング。それらのことは、ポール・ブラウンがクリーブランドブラウンズでやっていたことだ。私は彼がやってたことと同じことを続けてるだけだ。彼が60年前にしたことのね(ビル・ベリチックのコメント)」


⑤YouTubeリンク

YoutubeのNFL Filmsの公式チャンネルで、番組を見ることができますので、以下にリンクを貼っておきます。ぜひチェックしてみてください。

100 Greatest Game Changers: Numbers 100-91 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 90-81 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 80-71 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 70-61 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 60-51 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 50-41 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 40-31 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 30-21 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 20-11 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 10-6 | NFL 100 - YouTube

100 Greatest Game Changers: Numbers 5-1 | NFL 100 - YouTube

 

(NFL公式アカウントでのツイートのリンクです。動画は一部ですが、こちらのスレッドで100位から1位まで確認できます↓)

 

 

 

⑥おわりに

以上で紹介を終わりにします。ランキングすべてのネタバレは避け、一部のみの引用としましたが、かなりのボリュームになりました。少しでも興味が広がったならうれしいです。


レジェンドコーチや選手が多くランキングされていますが、「人工芝」や「ファンタジーフットボール」など、人物以外の「ゲームチェンジャー」を多く取り上げました。カルチャーとして、エンターテイメントとして、NFLが発展してきた歴史の一部を感じられたのではないでしょうか。


また、駆け足でメモしたため、聞き取りや翻訳が間違っている部分もあろうかと思います。参考程度にお考えください。

 

 

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