鯖缶NFL三昧

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NFL観戦日記2022⑳(ショウ・マスト・ゴー・オン)

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10月23日(日) 秋の夜の寂しさのせい

早出して7時~17時のシフト。日曜日は会社で過ごす日だ。平日の僕は「主夫」という意識で過ごしていて、子どもの下校時刻より前に自宅に帰り、夕食を食べさせ、風呂に入らせ、宿題をやるように声をかける。実際のところ、子どもは風呂も宿題も自分でやるので、それほど手はかからないんだけど、それでも常に必要最低限の緊張はある。姉弟でケンカをしないか、ケンカをしたらそれを止めるのか、放っておくのか、叱るのか。おなかが痛い、鼻水が出る、という時は、市販の薬を飲ませるかどうか、病院に連れて行くかどうか。毎日は小さな選択の積み重ねで、主夫業に休みはない。


それが、日曜は子どもたちを妻に任せられるので、その心配から解放される感覚がある。会社で無感情に長時間を過ごして(コールセンターの仕事は“感情労働”と言われるらしい。たしかに肉体労働、頭脳労働というよりはしっくりくる感じがする)、それが終わると一度自分がリセットされた感覚があって。会社から家まで戻る間は、「主夫」でもなく「コールセンターパートタイム勤務」でもなく、「単なる自分」みたいな感覚に戻る。


それが僕にとっての日曜の夕方、というのが毎週のことで。「単なる自分」に戻れて落ち着く、みたいなことももちろんあるんだけど、秋から冬の入り口の季節には、日が暮れるのも早くて、「寄る辺なくて寂しい」みたいな感傷がよくなじむ。


秋から冬の日曜の夕方、早い夜。ちょっと気持ちが軽いような、寂しいような気分になりやすいのがここ数年のパターンで、そんな時に「家帰って、風呂入って寝たらNFLじゃん」って、思うのもよくある流れだったのかもしれないな、とか思った。「よかった、NFLのおかげで、この1週間生き延びたことが報われる」みたいな感覚。まさか、NFL観戦がやめられないのは、秋の夜の寂しさのせいだったのか。


駅から家に帰る間に思いついて、歩きながら友人に電話をかける。11月に会社を休んでTOEIC受験をするんだけど、その日曜の午後が空くことになるので、会う約束をしてるんだ。


「もしもし、特に急ぎの用事はないんだけど」「あのさ、ジブラ知ってる? 知ってるよね」「東京生まれヒップホップ育ち悪そうな奴はだいたい友達、の続き覚えてる?」「渋谷六本木、そう思春期も早々に、なんだけど」「俺さ、当時から20年過ぎてやっと、“六本木”と“早々に”が韻を踏んでるって、気づいたんよ」「“ヒップホップ育ち”、と“だいたい友達”は”ダチ”がそろってるからすぐわかるじゃん。でもそうか、“六本木”と“早々に”は、母音でそろえてるのか、っていう」「何で当時気づかなかったのか。アホすぎる。そして、もう一生気が付かなくてもおかしくないのに、それから20年経って知るのか。人生って不思議じゃない?」「韻を踏んでることに気づいた時、うわぁ、かっけえ、って思ったのね。全然関係ない言葉なのに、響きを揃えるのか、すげえ、とか」「で、その数秒後に、ダセぇ、って思ったんよ。韻だから何なんだよ。“早々に”とか“ぞっこんに”とか、言葉がストリートっぽくないじゃん。なんのサービス精神だよ」「カッコいいのと、ダサいのと、それが両方連続で押し寄せてきて、その感じが好きだった」みたいな話をして。


11月の約束について具体的に詰めることも、近況報告もしないで電話を切って。まあ、秋の夜の寂しさのおかげで、友達に電話ができた。

 

10月24日(月) ショウ・マスト・ゴー・オン

早朝2時からバッカニアーズ対パンサーズ戦を見た。バッカニアーズが負けるとは、本当に微塵も思ってなくて、だけど負けて、驚いたよ。しかも、「重要な場面で重要なミス」とか、「不運な判定」とかじゃなくて、シンプルな完敗で。パンサーズは、ヘッドコーチが解任され、先発クオーターバックが欠場し、最大のスターをトレードで出した状況なのに、そんな相手に完敗なのか。「パンサーズさん、本気で全体1位の指名権が取りたいなら、あと3人ぐらいとトレード出しとかないと。これは油断しましたね」という負け惜しみぐらいしか言えない。まさか、最初のエバンスのドロップが試合の分かれ目だったとは。


バッカニアーズのオフェンスは、ダメな部分がはっきりしてるわけじゃなくて、全部が少しずつ足りない感じ。止められたと思ったランが3ヤードゲインになるような場面もあるし、ブレイディも正確なパスを時折見せてくれる。でも、それが単発なイメージ。オフェンスラインも、ショートパスも、ディープへ落とす時も、コミュニケーションの精度も、プレーコールも、それぞれが及第点の当落線上を行ったり来たりで、流れがブツブツと切れてしまう。よく言えば惜しいんだけど、現実には点が奪えていないから、言い訳できない状態だろう。これならば、強みは少なくても時々ビッグプレーが出るオフェンスの方がまだマシなのかもしれない。


ちょっとした気合や幸運でスイッチが入ればなんとかなる話なのか、それとも簡単には直せないことなのか。いずれにせよ、バッカニアーズはこのチーム状態で次がサーズデーナイトなのがツラいな。テンション最低でのショートウィーク。なかなかに響きの重いショウ・マスト・ゴー・オンだ。


呆然とした気持ちで、でもチーフス対49ersを見る。僕にとっては、「何も手につかない」は「NFLを消費し続ける」なので仕方ない。49ersに加入したばかりのマキャフリー、滑らかさと鋭さの高度な融合だな。カットも、緩急も、想像の2割増しで一級品な感じ。すごく鋭いのに、優雅で滑らか。いやあ、こんな選手がいなくなったパンサーズに、バッカニアーズは負けたのか。そして、こんな選手が加わった49ersを、チーフスはねじ伏せるのか。呆然が加速したぜ。


途方に暮れたまま、いったい僕はその後どうしたか。久しぶりにスプラトゥーンをやってしまったのである。禁煙して10日後に、吸ってしまう1本の罪悪感と快感(よく知らないけど)。スプラトゥーン、久しぶりに遊んだら、やっぱり楽しかったな。集中しないとできないから、気持ちを一時的にリセットして、リラックスできる気がする。ああ、その意味でもタバコと似てるのかもしれないな。「タバコを吸うと、吸えないというイライラから一時的に解消されて、気持ちがいいと錯覚する」みたいな。


ナイトゲームのスティーラーズ対ドルフィンズをリアタイ観戦もできたんだけど、ちょっとパス。月曜は家から一歩も出ないことがよくあったけど、今日はコンビニに行った。「週刊少年ジャンプ」を買うのである。「HUNTER×HUNTER」の連載再開に合わせて、ジャンプをしばらく買ってみようかな、と思ってたんだ。


週刊のマンガ誌の「毎週1話ずつエピソードが更新されていく楽しみ」はなかなかいいものだ。単行本の一気読みとは違うワクワクがある。それを子どもたちに体験させるのも悪くない気がして。あと10年もしたら、タブレットでしかマンガを読まないかもしれないしね。(「子どもが喜ぶから」と言い訳にしながら、単に自分のやりたいことをやってるだけかもしれない)


「HUNTER×HUNTER」は単行本も合わせて出るらしいじゃないか。連載中断前のエピソードを思い出してから最新話を読むのがいいな、と思ってたんだけど、コンビニに単行本が見つからない。人気すぎて売り切れたのかと思ってコンビニ3軒回っちゃったよ(確かめたら、単行本の発売は少しだけ先らしい)。


ようやくゲットした少年ジャンプ。たぶん買ったのは20年ぶりぐらいじゃないか。290円で驚いた。560円ぐらいかと思ってたよ。サイズと厚さ、紙の硬さと柔らかさがよく手になじむ。


「HUNTER×HUNTER」の何がウケたかって、全然派手さのない再開なのな。表紙を飾るわけでもなく(一応センターカラーだけど)、エピソードも展開と展開の谷間、みたいな回で。主役たち出てこないんよ。ゴンやキルアはともかく、クラピカも旅団も、王子たちも出てこない地味な回で。まるで先週も載ってました、みたいな顔して載ってたな。4年間失踪してた父親が帰ってきて、特に何も言うことなく作りかけだったガンプラの続きをやり始める、みたいな趣があって好きでした。


夕方にスティーラーズ対ドルフィンズを40分モードで観戦。スティーラーズは何とか1ポゼ差を維持して、試合終盤に逆転の望みをかけたパスまでつなげた(インターセプトで決着)んだから、スティーラーズとしては惜敗なのか。それとも、それは見せかけだけで、あのパスが通る可能性はほとんどなかったようにも思える。エンドゾーン、近いのか遠いのか。今日の僕には、とてつもなく遠く見えた。

 

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