今回から、NFLを英語で楽しむときに知っていると便利な英文法知識を、いくつかご紹介していきたいと思います。ぜひお付き合いください。「詳しい英文法の講義をする」ということではなく、「ざっくりした英文法の勉強を、NFLっぽい例文で」という主旨の記事を書くつもりです。
僕らが英文法を学ぶ理由
英語を勉強する時、「文法なんてつまらない」「文法の勉強なんて無意味」というような言い分もよく耳にします。
その言葉にはある種の真実味があると思います。ゲームで遊ぶ時、ゲームのルールばかり勉強していても、それでゲームが上手くなるわけじゃない。どんなゲームなのか実際に試して見るのが一番早い、というような。そういった「ノリ」は英語を学ぶ上で重要な感覚な気がします。
でも僕は、「文法だって面白い」「文法の勉強は、実は効率がいい」とも同時に思うのです。
例えば、下のツイートの文章を見てください。
Julian Edelman didn’t stop to answer questions, but he did stop to sign an autograph from a young fan. #Patriots #RedSox #OpeningDay #Boston25 pic.twitter.com/BBUnRgB4ZT
— Boston 25 Photographers (@Boston25Photogs) 2019年4月9日
Julian Edelman didn’t stop to answer questions, but he did stop to sign an autograph from a young fan.
(ジュリアン・エデルマンは質問に答えるためには立ち止まらなかったが、若いファンにサインするために立ち止まった)
これは、「stop to do(=doするために立ち止まる、立ち止まってdoする)」という用法を知っていれば簡単に解釈できますが、理解が曖昧だと、「stop doing(=doするのをやめる)」と一瞬混同してしまうでしょう。
「サインするために立ち止まった」なのか、「サインするのをやめた」なのかが分からなくても、動画を見れば前者だと分かります。なので、「文法」を知らなくても「文脈」が分かればOKなことがほとんどです。
しかし文法を知ってると、「一瞬意味を迷ってしまう」という過程をなくして、スムーズに意味を受け取れる気がします。この、「一瞬」の違いがあると、英語の記事を読んだ時の「疲れ方」がトータルで全然違ってきます。解釈に自信を持てると、迷わずにサクサク読めるからです。「文脈」「前後の因果関係」を確認すると、当然読むのが遅くなってしまう。そうすると疲れるのです。
「なんとなくわからないまま読みすすめて、全体がつかめてから細部に戻る」というのでももちろん構わないのですが、よくある例なら、文法の参考書でまとめて勉強してしまえば効率的。まったくの初心者にとっては細かいルールの説明は面白くなくても、ある程度ゲームの内容がつかめてきたら、ルールを正確に把握した方が勝利に近づけます。
また、 「but he did stop」のdidにも注目です。前半の「didn’t stop to answer(答えるためには立ち止まらなかった)」との対比で、だが「サインのためには立ち止まった」と強調されていることが分かります(単にHe stoppedとせずHe did stopとしている)。
ジーニアス英和大辞典(大修館書店)の例文では、「I'm sorry, we don't have any tomato juice, but we do have some orange juice.((レストランで)すみませんがトマトジュースは置いておりません. オレンジジュースならございます)」とあります。「don't」ではなく「do」、「didn't」ではなく「did」という気持ちで読んだり発音したりすると、ニュアンスがつかみやすい気がします。(実際には対比ではなくてもよく使いますが、対比の例でみると分かりやすいかと思います)
(※「強調のdo」の部分は、コメントで教えていただき書き足しました。ありがとうございます)
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もう一例挙げてみます。
You know, playing behind Brett Farve for three years you realize you have to be tough to play this position.
(ブレット・ファーブの控えで3年過ごしたら、このポジションをプレーするにはタフじゃなくちゃいけないと気づくよ)
これは、アーロン・ロジャースのコメントです。ここで出てくる、「you realize you have to ・・・」の「you」は「総称のyou」で、「君、あなたがた」というよりは、「一般に人は誰でも」と解釈するとわかりやすいです。
ロジャース自身の体験として、「I realized I have to・・・」と話しても良さそうですが、「you」を使ったことで、「控えとしてブレット・ファーブのプレーを見ていたら、僕じゃなくても誰だって」というニュアンスになるのです。それを分かった方が、コメントをクリアに理解できると思います。
完璧じゃなくてもOK
上の例を、「なんか面白いかも」と感じた人は、英文法の勉強にトライしてみてください。
5割~6割ぐらいなんとなく意味がイメージできていることを、しっかりと理解しなおすのは、とても気持ちがいいものです。その意味では、英文法のための分厚い本は、実は「近道を指し示してくれるもの」かもしれません。膨大な用例の中から、気をつけるべき点ばかりを抽出して編集されたものだからです。
それが「つまらない」と感じる理由は、「そもそもよくわからない場所」にいたら、近道だけ示されても意味がないから。「なんとなく意味が分かってる」という状態で読まないと、面白くないんです。普段英語に触れる機会の多いNFL民なら、文法の解説本を面白く読める気がします。
また、英文法が嫌いになる理由の1つに、「〇〇という言い方はしない」など、細かく間違いを指摘してくるような説明の仕方がある気がします。でも、あまり気にしなくてOK。「AとBを比べて、Bは間違った言い方」と説明した方が理解がスムーズになるからそう説明してるだけで、「間違った言い方でも通じればOK」という現実が揺らぐわけではありません。
「完璧な理解」を求めると疲れてしまうので、「5割~6割」の理解を、「8割~9割」に上げるぐらいのイメージでちょうどいいでしょう。やっぱり、語学の習得には「ノリ」が大事ですから。
次回から、英文法のいろいろな項目をざっくり理解し直して、その理解を定着させるようなNFLっぽい例文を紹介していきます。合計何回のシリーズになるかわかりませんが、項目ごとにすこしずつアップしていきます。ぜひお付き合いください。
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