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NFL民のための英文法⑥(「関係代名詞②」編)

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参考書に出てくる英文法のポイントを、NFLっぽい例文で理解しよう、というシリーズです。この記事で英文法の考え方や用語に慣れてから、ちゃんとした英文法の参考書を勉強すれば効果倍増です。


前回の記事では、関係代名詞についての簡単な復習と、「who」「whose」の例文を見てきました。今回はその続きです。さっそく見ていきましょう。

 

(「関係代名詞①」がまだの方はこちらからどうぞ↓)

NFL民が知るべき英文法⑤(「関係代名詞①」編) - 鯖缶NFL三昧

 

 

(もくじ)

 


NFL民的例文

which

They have talked about how they're ready for a 60-minute game, which could possibly come down to a two-minute situation at the end of the game.*1

(選手たちは、60分のゲームにどのように備えているか話してきた。ゲームというのものは、最終盤の2ミニッツの状況で勝負が決することがありうるものだ)

※gameの説明として、which以下を付け加えた構造です。whichは、gameを言い換えた「代名詞」として、それ以下の節の主語の役割を果たしていて、同時にその前のgemeにつなげる「接続詞」をの役割を果たしています。その「代名詞かつ接続詞」というのが「関係代名詞」というのは前回見てきたとおりです。このように、先行詞が「人」(もしくはhe,sheで表すもの)以外の場合には「which」「that」が使われます。

 


Our first drive resulted in a touch down which is a great way to start the game.
(我々の最初のドライブはタッチダウンという、ゲームのスタートとしては最高の成果に終わった)

 

At the end of each Super Bowl, the winning team gets to hoist the Lombardi Trophy, which is named after former Green Bay Packers head coach Vince Lombardi.*2

毎年のスーパーボウルの最後には、勝者となったチームがロンバルディ・トロフィーを掲げることができる。このトロフィーは、グリーンベイ・パッカーズのかつてのヘッドコーチ、ヴィンス・ロンバルディにちなんで名づけられたものだ。

 


He is a very good athlete, which has allowed him to be a very productive player in college.(彼は身体能力に恵まれ、それによりカレッジで活躍することができた)

※この例では、whichが「その前の節全体」を表しています。これは非限定用法(後述します)の時に使えるwhichの特別な用法です。「特別な用法」というとややこしいような気がしますが、要するに「whichを使えば、その前の節をふまえて、続きの情報を付け加えることができる」というようなイメージで理解すればよいかと思います。(次の例文も同じ用法です)

 

The focus on Gurley allowed Jared Goff to deliver perfect strikes on intermediate throws against single coverage, which is so difficult to stop (or even hope to stop).*3

ガーリーに(相手守備の)意識を集中させることで、ジャレッド・ゴフはシングルカバーになったレシーバーへの完璧な中距離パスを投げられた。こうなると、止めるのは非常に難しい(というか、止めようと思うことすら難しい)。

 

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前置詞+関係代名詞

In a league in which passing efficiency continues to rise and quarterbacks are playing effectively into their early 40s, no record is safe.*4

(パス攻撃はより効果的になる傾向が続き、QBが40代に入るまでしっかりしたプレーを続ける現在のリーグでは、安泰な記録はない)

※「league」という先行詞を説明する内容として「in which」以下の節が続く構造です。「Passing efficiency continues to rise in this league」という文になるはずのものを組み合わせているので、「in which」と前置詞を加えてwhichを使うパターンです。

 ※ブリーズがマニングのパッシングヤード記録を破った際に出た記事にあった記述です。

 

There may not be a game with higher expectations than Chiefs-Rams this season, but the field on which they'll play doesn't look great.*5

(今シーズンでチーフス対ラムズ戦以上に期待を集めるゲームはないかもしれないが、両者が戦う予定のフィールドは、いい状況には見えない)

※「the field」を「on which they'll play」で説明しています。

※2018年のweek11、ラムズ対チーフス戦前の記事です。メキシコシティで開催される予定でしたが、会場のエスタディオ・アステカのコンディションが悪いことを伝える記事です(結局メキシコシティでのゲームはキャンセルされ、ラムズのホームでの開催になりました)。


 

There has been some buzz about the Raiders playing ALL their home games in London but that seems like a lot to ask of not just the Raiders, but their opponents. Instead, how about a standalone game in which the Raiders have to play against Khalil Mack, who they traded before the 2018 season to Chicago?*6

(レイダースがホームゲームをすべてロンドンで開催するという噂もあったが、それはレイダースだけでなくその対戦相手にも負担が多すぎたようだ。そのかわり、レイダースが2018年の開幕前にシカゴにトレードで出したカリル・マックと戦うことになる1試合だけならどうだろう?)

※「game」を「in which the Raiders have to play against Khalil Mack」で説明。また、「Khalil Mack」に「who they traded before the 2018 season to Chicago」という情報を付け加えている構造です。

※2019年のロンドンゲームのスケジュールが発表された際の記事です。

 

 

限定用法と非限定用法について

ここまで関係代名詞の例文を見てきましたが、実は関係代名詞には2種類の用法があります。知っておいて損はないので、「限定用法(制限用法)」と「非限定用法(非制限用法)」の違いについて押さえておきましょう。「英文法解説」(金子書房 江川泰一郎著)から、例文と解説を引用します。


・・・・・・

a) Children who learn easily should start school as early as possible.
(物覚えのいい子供はできるだけ早く学校へ行くほうがいい)


b)Children, who learn easily, should start school as early as possible.
(子供は[みんな]物覚えがいいから、できるだけ早く学校へ行くほうがいい)

 

a)は限定用法で、物覚えのいい一部の子供に限っての話である。b)は非限定の挿入用法で、「子供はみんな物覚えがいいから」という説明を挿入したものである。

・・・・・・

 上記の説明の補足ですが、a)は、「(物覚えがいい子供とそうでない子供がいるが、その中で)物覚えのいい子供」と、「全体の中から、特定の部分を抽出するために関係代名詞を使用して説明を加える=限定用法(制限用法)」ということ。それに対して、b)の場合は「子供というものは、みんな物覚えがいいという前提に立って、Childrenへの説明を「付け足し」している用法=非限定用法(非制限用法)」と呼ぶのです。(後者は、先行詞と関係代名詞の間にカンマが入るなど、規則が少し違います)


NFLの例文で、「限定用法と非限定用法」を見てみましょう。


There isn’t a quarterback left on the schedule who would be favored to outduel Luck, who is one of the front-runners for Comeback Player of the Year.*7
(残りのスケジュールで、ラックと点取り合戦で上回れそうなQBはいない。ラックはカンバックプレーヤー・オブ・ザ・イヤーの最有力候補の1人だ)

※2018年のレギュラーシーズン終盤、AFCでプレーオフに残るチームはどこか予想する記事の一部です。前半の「quarterback」を、「who would be favored to outduel Luck(=もし対戦したとしたら、アンドリュー・ラックと互角以上に戦えるQB)」で説明している限定用法です。QBの中には、「ラックと互角以上に戦えるQBもそうでないQB」もいるはずですがそのうちで「互角以上なQB」と制限していて、コルツの残りのスケジュールにそのようなQBはいない=コルツ有利、と説明しています。

一方で、Luckの補足説明として、「who is one of the front-runners for Comeback Player of the Year」をカンマのあとにつなげて付け足しています(非限定用法)。

 

こう見るとそんなに難しくないですよね。漠然とQB全体の中から、条件を加えてそれに当てはまるQBを抽出するのが限定用法。アンドリュー・ラックはもう誰なのか読み手は知っているという前提で、それに「おまけ情報(カンバック賞候補=シーズンで活躍して好調だとわかる)」を付け加えているのが非限定用法です。


「目的格の限定用法は、関係代名詞を省略することが多い」「関係代名詞thatは、非限定用法には使わない」などの特徴を説明するときに用語として必要なだけで、文章を読む上では自然に解釈すれば特に迷うことはないと思いますが、僕が個人的に好きなところなので紹介しました。

 

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おわりに

今回はここまでで終わりにします。NFLの記事に出てきそうな関係代名詞の例文に触れると、「関係代名詞があるおかげで、必要な豆知識が自然と文章に挿入できるじゃん!」と、身近に感じてもらえたらうれしいです。

 

質問、訂正、補足、リクエストなどがあればどうぞ遠慮なさらずコメントください! お答えできるかはわかりませんが、ブログのネタにもなりますので大変助かります!

 


おすすめ本

文中に引用した「限定用法と非限定用法」の説明の部分が「面白い!」と感じた方には、「英文法解説」がおすすめです。第一版は1953年という古い本ですが、例文とその訳文がとにかく美しくて、英語の世界に魅了されてしまうような内容です。他の記事でおすすめしている「ロイヤル英文法」が英文法参考書の「定番」なら、「英文法解説」は「古典的名著」という位置づけでしょうか。文学好きの方などには、こちらをおすすめします。Amazonのリンクを貼り付けておきます↓ 

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