鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)の英文ニュースの一部を訳して紹介します

NFL民のための英文法⑨(「比較」編)

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参考書に出てくる英文法のポイントを、NFLっぽい例文で理解しよう、というシリーズです。この記事で英文法の考え方や用語に慣れてから、ちゃんとした英文法の参考書を勉強すれば効果倍増です。

 

(①から読みたい方はこちらからどうぞ↓)

NFL民のための英文法①(序論:僕らが英文法を学ぶ理由) - 鯖缶NFL三昧


今回のテーマは「比較」。選手同士を比較したり、その人の過去と現在を比較したり、よく出てくる表現です。文法書から例文を引用して、その後NFLっぽい例文を紹介します。いろんな表現がありますので、見ていきましょう。


(もくじ)

 <以下の記事中で、書籍やネット上の記事からの引用したものは文末に脚注として引用元を示しました。引用元がないものは、辞書やネット上の記事などを参考に当ブログで作成した文です>

 

NFL民的ポイント

まず、「表現のための実践ロイヤル英文法」(旺文社 綿貫陽、マーク・ピーターセン共著)から例文を引用します。

 

Mary is as tall as Jane.(メアリーはジェーンと背丈が同じだ)

Mary is as tall as Sharapova.(メアリーはシャラポワと同じぐらい背が高い)


上記2つの例文の違いとして、後者は「(女子テニス選手の)シャラポワは長身だ」と受け手が知っているという前提で、背の高いシャラポワを引き合いに出して「メアリーも同じぐらいだ→メアリーも長身だ」と伝えているのに対し、前者の場合はメアリーとジェーンの背の高さが同じだとはわかるが、2人が長身かどうかはわからない(2人とも小柄かもしれない)、と「ロイヤル英文法」では解説しています。


「誰を引き合いに出して、比較するかがポイント」と言えそうです。例えば、次のような例を考えてみます。

 

a)Brees is as accurate as Rodgers.

b)Rodgers is as accurate as Brees.

 

a)は「ロジャース(のパス)は正確」という前提でブリーズと比較しており、b)は「ブリーズは正確なのはみんなも知ってのとおりだけど、ロジャースだって同じぐらい正確だ」というニュアンスになると思います。「ロジャースもブリーズも2人とも正確」だと言っていたとしても、言いたいことはa)とb)では違ってきそうです。

 

上記の2文は、説明のために作った文章で、実際にはあまり出てこないと思います。「ブリーズはロジャースと同じぐらい正確」と言ってもあまり意味がないからです(どちらがより正確か、より上か、という議論なら面白そうでしが、もう2人とも評価が確立した選手なので、「同じぐらい」と比較することにあまり面白さがない)。


ネットで探したところ、次のような例は見つかりました。

Mahomes has been fairly accurate, not quite as accurate as Rodgers, but he's much more accurate than Big Ben.*1
(マホームズはなかなか正確で、ロジャースとまったく同じとまでは言えないが、ビッグベンよりはかなり正確なパスを投げる)

この文を書いた人は「ロジャースは正確、ビッグベン(ロスリスバーガー)はそこそこ」という前提で、「じゃあ、若手のマホームズはどうだろう」と比べています。マホームズをどこにランク付けするのか、という議論でロジャースやロスリスバーガーが「基準」の役割を果たしていることが分かります。


I think Brady is just as accurate as Brees, but takes less risks, so the throws don't seem as impressive*2
(ブレイディはブリーズとまったく同じレベルで正確だと思う。だけど、よりリスクの低いプレーを選択するので、スローの正確さがそれほど目立たないのだ)

この文を書いた人は、「ブリーズは正確」ということは議論の余地がないものとして、それと比べてブレイディはどうか、ということを書いています。

(※上記の2例はファンのフォーラムにあった文章なので、データではなく個人の印象に過ぎません。念のため。)


「比較」の表現のポイントは、「誰の何と比べているのか」にあると思います。「誰もが思い浮かべることのできる人物」と比べる文の他にも、「リーグの平均」「かつての自分」と比べるパターンもあります。「リーグ史上の誰と比べても強い」と言うなら、「史上最強」ということになるでしょう。その辺りに注目すると、楽しみながら比較表現の理解が深まるはずです。


NFL民的例文

as ~ as

No one has the combination of mobility and accuracy like Rodgers has; Vick is close, but not as accurate as Rodgers.*3
(ロジャースほどの正確さとモビリティをあわせ持った選手はいない。[マイケル・]ビックが近いが、彼はロジャースほど正確じゃない)


It's hard to argue that there has ever been a quarterback as clutch as Brady.*4
(ブレイディと並ぶほどクラッチな[勝負強い]QBがいたかを議論するのは難しい[ほとんど議論にならない])


A statue of Peyton Manning was unveiled in Indianapolis last week. Football experts say it can almost move as fast as Tom Brady.*5
(ペイトン・マニングの彫像が先週インディアナポリスで披露された。その像はトム・ブレイディとほとんど同じ速さで動けると、専門家は語っている)

※これは、「誰もが知るブレイディの鈍足」を前提にしたジョークです。「as slow as Brady」と言っても面白くもなんともないですが、「as fast as Brady」と言えばギャグになります。

 

It is possible that Dak Prescott simply isn't as good as we all thought?*6
(ダク・プレスコットは、単に私たちが思っていたほどはよくないと言ってよいか?)

※「プレスコット本人」と、「ファンの想定」の比較です。


Gronk is still an elite blocker, but he's not nearly as dangerous catching passes as he used to be.*7
(グロンクは今でもブロッカーとしてエリートだが、パスの受け手としての危険さは、かつての彼とはまったく違う)

※同じ人物を過去と比べるパターン。 「as it used to be」はこのまま覚えてもいいかもしれません。「This division isn't as tough as it used to be.(この地区も以前よりは厳しくなくなった)」などでたくさん出てきます。

 

Adrian Peterson's footwork looking as good as ever.*8
(エイドリアン・ピーターソンのフットワークは、相変わらず素晴らしいようだ)

※「今までの彼」と「現在の彼」を比べています。「as 形容詞 as ever」で「相変わらず」と訳すとしっくりくる場合が多いようです。


He is as fast as any middle linebacker, except maybe Brian Urlacher.*9
(おそらくブライアン・アーラッカーを除けば、彼はどのミドルラインバッカーにも劣らず速い)

※「as 形容詞 as any」で、「どれ(誰)と比べても同じぐらい」という意味です。誰と比べても同じぐらい、ということは「ほぼ最高と言えるほどの」などと訳せそうです。

 

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比較級+than

Mercury is smaller than Venus.(水星は金星より小さい)*10

Whoever created this is far more skillful than I am.
(これを作った人は、私よりはるかに技術がすぐれている)*11

 

※「as ~as」は「2者が同程度」を表していましたが、「比較級+than」は一方と他方の程度の高さを比べます。上記の例文では、「smaller」「more skillful」が比較級です。原則として、1音節の短い形容詞は「big-bigger-biggest」のように変化し、3音節以上の形容詞は「expensive-more expensive-most expensive」のように変化させます。(2音節はその単語によって違うようです)

 

Remember, folks, Gronk has always been a much better blocker than Kelce.*12
(グロンクはこれまでずっと、ケルシーよりもはるかにいいブロッカーだったことを思い出してくれ)

※2018年week6終了後の文からの引用です。ケルシーとグロンカウスキーを比較しています。引用部分だけを読むと「ブロッカーとしてグロンクが上」と言っていますが、「ケルシーがもはやTEとしてナンバー1」という共通理解を前提にして、グロンクもまだまだいける、と伝えているのが面白いところだと思います。


It's a good thing Russell Wilson can get out of trouble better than any NFL quarterback.*13
(ラッセル・ウィルソンが、トラブルから逃げるのがNFLで誰よりも得意なQBでよかった)

※「どのQBと比べても、ウィルソンがトラブルから逃げられる」という比較の構造です。この文は、ウィルソンを褒めているのですが、そのことでオフェンスラインが心配だ、と伝えている文脈で出てきました。

 

Phillips' Rams have more zone this season than his Broncos units ever did.*14
([ウェイド・]フィリップスのラムズは、以前のブロンコス時代に比べて、ゾーンを多用してきた)

※DCウェイド・フィリップスについて、ラムズでのディフェンスとブロンコスでのディフェンスを比較している内容です。

 

For just the second time this season, Bortles showed that he can be more than a game manager.*15
(今シーズンわずか2回目ではあるものの、ボートルズはゲームマネージャー以上(のQB)になれることを示した)

※game managerは、「特別なプレーはできなくても、試合は作れるQB」のようなイメージで、あまりいい意味とは言えません。上の例のように、「He can be more than a game manager.」「He is not just a game manager.」など、「標準以上のQB」と言いたい時に、引き合いに出す言葉としてよく使われます。

 

But, nobody takes it more seriously than Steve does.*16
(しかし、スティーブ以上にそれ(キックを決めること)を真剣に捉えている選手はいない=スティーブがそのことを一番真剣に思っている)
※ペイトリオッツ、ベリチックHCが、キッカーのスティーブン・ゴスカウスキーがFGを外したことについて聞かれた時の答えです。「彼以上に〇〇な人はいない≒彼は最高に〇〇だ」というパターンで、nobodyやnothingは比較の文によく出てきます。


He is more a slot receiver than a running back.(彼はランニングバックというよりはむしろスロットレシーバーだ)
※この文のように、他人との比較ではなく、同じ人物の中で性質を比較するパターンもあります。

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おわりに

「比較」をテーマに、いろいろな表現の例を集めてみました。「誰と誰がどんな面で比較されているのか」「比較の対象として、誰を引き合いに出すと伝わりやすいのか」などに注目するだけでも、より面白くNFLの記事を読めるのではないでしょうか。

 

シリーズは次回の記事でいったん最終回にするつもりです。もう少し、お付き合いください。質問、訂正、補足、リクエストなどがあればどうぞ遠慮なさらずコメントください! お答えできるかはわかりませんが、ブログのネタにもなりますので大変助かります!

 

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おすすめ本

 今回の「NFL民のための英文法」というシリーズは、NFLの例文で英文法の知識をざっくり理解することで、「英文法を楽しみ、興味を持つ」「英文法の用語に慣れ、苦手意識をなくす」のが狙いの記事です。もしこの記事で「もっと英文法勉強してみようかな」と思った方がいれば、「実践ロイヤル英文法」をおすすめします。マニアックでありながらも、あくまで実践的でシンプルな説明が一貫していて、とても読みやすいです。一冊読めば英語の理解度が飛躍的に伸びると思います。(Amazonのリンクを貼っておきます↓)

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