鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)ファンの個人ブログです。

NFL観戦日記2022㉟(リアル・フットボール・シーズン)

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11月24日(木) 朝から早口になってしまった

会社に早出。夜勤のスタッフにまじって着席する。僕はちょっと緊張してたことがあって。サッカーのワールドカップで、日本代表がドイツ代表に勝ったというニュースを、ネタバレされたくない人がいるんじゃないか、ということだ。夜勤だから、リアタイ観戦はできないけど、仕事終わってから見るのを楽しみにしてる人がいるかもしれない。


みたいなことを考えながら仕事の準備をしてたら、普段あんまり話さない人から「日本勝ちましたね、ドイツに」と大きな声で話しかけられる。いやあ、オレの緊張、無駄だったわ。


僕は仕方なく、「いやあ、僕にとっては将棋の羽生さんが藤井聡太さんへの挑戦を決めたことが激アツすぎて」と返す。「タイトル通算100期への挑戦」はもちろんすごいんだけど、それよりも何よりも「藤井聡太との初のタイトル戦」なんですよ。実現しないままになってしまうのかと思いきや、羽生さんが「死の組」みたいな挑戦者決定リーグを全勝しての挑戦ですからね。シェイクスピア対ビートルズぐらいの夢の対決なんですよ、と朝から早口になってしまった。「サッカーに興味があると決めつけてきたお前、将棋に興味あれよ」という3倍返しである(すみませんでした)。

 

11月25日(金) リアル・フットボール・シーズン

サンクスギビング。こちとら有給休暇取得である。ありがとう有給休暇の権利を勝ち取った昔の誰か。そして、やってることは鬼の早起きからのヘッドホン観戦であって、祝日気分とは程遠いんだけど。


「サンクスギビング以降が本物のフットボールシーズンだ」って、ビル・ベリチックのセリフとしてよく引用されるのをまたも目にする日か(ベリチックも誰かの言葉を引用してるのかもしれない。よくわかってない)。


2013シーズンぐらいからペイトリオッツファンになった僕には、「サンクスギビング以降が本当のフットボールだ」は「まあそんなものか」と思ってたけど、ここ数年は「いいやいやいや、サンクスギビングになる前に事実上シーズン終わってることもよくあるじゃないか」と思い知ってるわけであって。「そんな余裕かましてる場合じゃない」と。


ペイトリオッツはバイキングスに惜敗。マック・ジョーンズはキャリアハイのパスヤードだったが勝利には届かなかった。ハンター・ヘンリーの幻のTDレシーブ。リプレーされて、確かに“survive the ground”してないな、と何回も確かめさせられるツラい時間ね。


その前の、キックオフリターンTDさえ許さなければ… ベイリーのケガで、キックオフがフォークさんなんだよな(実は弱点になってる説ある)… とか、「たられば」を連鎖させる金曜(平日)。リアル・フットボール・シーズン、なかなかにビターじゃないか。

 

11月26日(土) 恥ずかしい話をしようか

英作文の本、毎日20分ぐらいやって。ようやく1冊読み終わった。「1週間で学べる」みたいなのに3週間かかったな。今まで英作文をまったく練習してこなくて、日本語→英語の回路を使ってなさ過ぎて、起動に時間がかかるし、すぐエンストする感じ。でもとりあえず、毎日ちょっとずつでもだいたいやって、1冊最後までできた。


ねえ、あおちゃん(突然すみません。このブログの存在を知ってる唯一の友人で。僕は彼に手紙を書くつもりでこの日記を書き続けてるんだけど)、恥ずかしい話をしようか。ちょっと聞いてくれよ。通勤電車で英作文の本をカバンから出す時に、僕は心の中で「つながってる」って、つぶやいてるんだ。意味わかるかい? 「今日という1日は、今という瞬間は、未来につながってる」って、そう自分に言い聞かせて、自分を励ましてるんだぜ。たかが通勤電車の中で、6分ぐらいの勉強をするのに、ちょっと歯を食いしばってるんだ。笑っちゃうよね。


「自分に言い聞かせないと努力できないなら、そんなこと心から望んでることじゃないんだ」みたいなことも思うよ。でも、「別にやってもやらなくてもどっちでもいいこと」を、「あえてやってみる」を選んでいかないと、ただ凍えてるだけで1日が終わっちゃうのが中年っていうことなんじゃないか。


もちろん、まったくヤル気が起きないことは頑張れないよ。だけど、49%ぐらいのヤル気があることって結構たくさんあるじゃん。常に51%の「めんどい」が 連戦連勝してるから何も頑張ってないだけであって。その2%の差を逆転させるために、自分を励ましてもいいよね?


まだ恥ずかしい話を続けようか。こんな話、いくらでもあるんだ。朝4時に起きて、でも寒くて、ダルくて、どうしても布団から出られない時に、「為さねば成らぬ、だから為せば成る!」って頭の中で歌うんだ。笑っちゃうだろ、「為せば成る」なんて言葉、説教くさくて嫌いだったはずなのに、布団の中で、すがるように繰り返してるんだぜ。


知ってる? Zeebraの「Street Dreams」っていう曲なんだけど。その中に出てくる歌詞なんだ。僕は全然知らなくて(音楽は全体的に食わず嫌いだったから)、でも最近知って、だいぶ気に入ってる。


この5カ月ぐらいかな、フリースタイルラップバトルの動画を漁って、歴代の名試合みたいなのを順に見てて。それで、決勝とかの重要な試合で、よくかかるビートがあって。そうすると、オーディエンスも、バトルするラッパーも、よく盛り上げるんだよね。それで気になって調べてみたら「Street Dreams」っていう曲だった。その流れで、この曲を聴くと説得力がすごいんだよ。


1バース目が、「無名時代から気合を押し通して夢をかなえたオレはすげえ」、2バース目は「スターの座を競い合ってきたライバルグループ、ヒップホップシーンを支えてきたレコード屋もファッション雑誌もおっかけのヘッズも、要するにこのカルチャーに関わったヤツ全員がすげえ」、3バース目が「夢破れて音楽を諦めたやつの分もオレはすげえヤツになる」っていう内容なんだけど。それが全部サビ(フックと言うらしい)の「オレがナンバーワン・ヒップ・ホップ・ドリーム/不可能を可能にした日本人」という、どうかしてるほどのデカさのハッタリにつながっていく構成の曲で。その間に、これでもかとしつこいほど韻を踏みまくるんだ。日本語ラップで韻を踏むのって、どうしてもダサさが付きまとうと思うんだけど、それも気合でカッコいいんだと言い張っちゃう強引さも、むしろ説得力につながってる。


だから、バトルに出るフリーススタイラーたちは、その壮大なセルフボースティングをするZeebraに自分を重ねて、要するに「お前よりオレの方が気合が入ってる」みたいなことをラップしあって、そのストーリーの流れごと観客は応援して声を上げる、みたいな構図だったのか、と僕は勝手に理解したんだけど。(バトルビートとして、誰もが自分への応援歌のように思ってシーン全体が大切にしてる曲なんだ、というストーリーを知ってから元の曲を聴いた順序が重要だったのかもしれない。その順序で聞いたからこそ、曲の気合に感化されたんじゃないかと思う)


その曲の中に、「為さねば成らぬ、だから為せば成る」っていうフレーズがあって。これってすごく面白くない? 「為さねば成らぬ」と「為せば成る」の関係は、「だから」じゃないでしょ。「為さねば成らぬ」は、「為せば成る」の必要条件でも十分条件でもないのに、「だから」とつなげるのはムリがあるじゃん。


でも、そこをあえて、「だから」でつなげる強引さ。その無理やり感に、気合と、ちょっとのユーモア、ちょっとのダサさを感じて、すごくグッときたんだよね。ダサさも感じたのかよ(すみません、ちょっと感じました)。


思うんだけど、ダサくない奴なんていないよ。27歳で死ぬロックスターだってダサいよ。ドラゴンを倒しに行く勇者だってダサい。戦士も僧侶も魔法使いもダサい。ベタなことやってんじゃない、って話だろ。ヘラヘラ軽薄な奴、コツコツと真面目な奴、身内を大事にする奴、冷静で公平な判断とかする奴もみんなダサい。自分は大丈夫だとか思ってるんじゃないよ。カッコいいのは、ヒロトとマーシーだけだ。いや、違うな。ストイックにパンクロック続けてんじゃないよ。あれだ、僕が憧れるのは、「麻雀放浪記」のドサ健だ。違うな。ドサ健だってダサいんだよ。破滅願望とダンスしてんじゃないよ。いろんな種類の欲望に操られて、いろんな種類のベタなストーリーを演じてる奴ばかりじゃないか。


何が言いたいのか。要するに、生きるってダサいじゃんか、っていう。そのダサいことを、「いや、オレはダサくねえ、オレこそがイケてるんだ」って、無理やりな気合で押し通していくのが勇気なんじゃないか、ってこと。逆に言うと、ダサくないものに説得力なんてないよ。ダサいからこそ、カッコつけていかないと行けなくて、カッコつけると、ますますダサさが際立つから、もっとヴァイブスを込めてカッコつけるしかない。それが人生じゃないですか。


Zeebraの話に戻ろうか(戻るのかよ)。「Street Dreams」のライブ動画を見たくてYouTubeで検索したら、日本の大学アメフトのハーフタイムショーでこの曲を歌ってるのがあって。これが泣けるんだよ。大学生のサークル活動の余興で呼ばれて、「オレがナンバーワン・ヒップ・ホップ・ドリーム」って、チアリーダーたちをバックにして歌ってるんだぜ。ヒップホップの夢って、これなのかよ。控えめに言って、ショボくないか?


でも、Zeebraは一切手を抜かずに、めっちゃカマしてるんだ。それはカッコいいよ。自分を崇拝するファンたちの前でスカしてるんじゃなくて、アメフト部のOBや父兄たちの前で、自分がただのオマケの脇役の状況で、それでも全力でパフォーマンスする方がカッコイイだろ。ねえ、あおちゃん。たぶん人間は、1番ダサい状況でこそ、1番カッコよくなれるんじゃね?


(※大学アメフト部やチアリーダーを揶揄する意図はありません。歌の内容とギャップがある、という話です。チアリーダーたちもめっちゃカマしてました)


「為せば成る」っていう言葉、誰かから言われると「うっせーよ」って反発したくなる。「やればできる」「できないのはお前が未熟だからだ」って、お前に何が分かるんだよ。俺のことをジャッジするんじゃないよ、って。でもそうじゃなくて、自分で自分に言うなら分かるよ。そうじゃない?


そうやって「為さねば成らぬだから為せば成る」とか30分ぐらい頭で繰り返した、ようやく布団を跳ねのけるようにして起きて。何をやってるかと言えば、この日記をチマチマ書いてるんだ。ダサいだろ?


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