鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)の英文ニュースの一部を訳して紹介します

【英語で復習】NFLルール②(ラフィング・ザ・パサーとは)

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NFLのルールを、英文で読んでみようという記事です。今回は「ラフィング・ザ・パサー」の部分をチェックします。

 

ラフィング・ザ・パサーは「Rule12 Player Conduct」の「SECTION2 PERSONAL FOULS」の「ARTICLE 11」に記載されています。つまり、プレーヤーのとる行動のうち、何が反則なのかを定めたルールの第2節に記載のある「パーソナルファウル」のなかの1つ、ということです。さっそく見ていきましょう。

 


【ざっくりまとめ】

・ラフィング・ザ・パサーの規定の前にはアンネセサリー・ラフネスの規定があり、その基準を前提として、さらにパサーに対しての保護を付け足したイメージ。

・主にレフェリー(主審。1人だけ白い帽子の人)がQB、QBについての反則を見る。

・パスラッシャーは、パスが投げられてから2歩目のステップを着地して以降は、QBへのヒットをできる限り避けようとしないといけない。

・パサーをグランドに叩きつけること、全体重をかけてのしかかるようなタックル、ヘルメットを使ってのヒット、ヒザ、ヒザから下へのタックルは禁止。

・ブロッカーに押されて、意図的でなくヒットした場合は反則としない。

・パサーがボールを投げ終わって、そのまま他のプレー(ブロックなどを想定)をしようとしない場合は不必要に接触してはいけない。

・ポケットを出た場合(まだパスする意図があっても)、走りながら投げる場合は、(ほぼ)ランナーと同等の扱い。ポケット外で、止まって投げる姿勢に入ったらパサーの扱い。

・ペナルティーは15ヤード+オートマティックファーストダウン。


【公式解説動画リンク】

operations.nfl.com

 

【ルール原文引用元】

operations.nfl.com

(以下の英文は、上記ページから引用したものです。訳と単語の意味、補足説明は当ブログで作成しました。ただの1ファンである僕が、自分で理解するために作成した私訳なので、実際に競技する方は、競技団体の正式なものなどを確認してください。)

※「SECTION」を「節」、「ARTICLE」を「条」、「Item」を「号」と訳すのは、英文契約書の解説ページを参考にしました。
https://www.ings-web.co.jp/archives/781

※日本アメリカンフットボール協会の「公式規則」では、「章」「条」(番号)にて分けているようです。
https://americanfootball.jp/wp-content/uploads/2017/09/93722a280ec73c9070f0ac8157de31f3.pdf

 

【本文と私訳】

ARTICLE 11. ROUGHING THE PASSER
11条 ラフィング・ザ・パサー

Because the act of passing often puts the quarterback (or any other player attempting a pass) in a position where he is particularly vulnerable to injury, special rules against roughing the passer apply. The Referee has principal responsibility for enforcing these rules. Any physical acts against a player who is in a passing posture (i.e. before, during, or after a pass) which, in the Referee’s judgment, are unwarranted by the circumstances of the play will be called as fouls. The Referee will be guided by the following principles:

vulnerable 傷つきやすい、脆弱な
Referee レフェリー
principal 主な、第一の
enforce ルールを実施する、施行する
posture 姿勢、ポーズ
i.e. すなわち、言い換えれば
unwarranted 正当と認められていない
principle 原則

 

パスをするという行為によって、しばしばQB(やその他のパスを試みるプレーヤー)はケガのしやすい位置にいることになるので、パサーに対するラフプレーについては特別なルールが適用される。これらのルールを施行するには、レフェリーが第一の責任を持つ。レフェリーの判断において、パスの姿勢を取っている選手(つまり、投げる前、その途中、またパスを投げ終わったあとの選手)への身体的な接触で、それぞれの状況で正当でないものが行われた場合はファウルとなる。レフェリーは、以下に記述される原則にしたがって判断する。

 

※Referee=レフェリー、主審。オフェンスチームのQBの近くに位置して、試合を進行する。ラッフィング・ザ・パサーや、インテンショナル・グラウンドを見るようです。

 

(a) Roughing will be called if, in the Referee’s judgment, a pass rusher clearly should have known that the ball had already left the passer’s hand before contact was made; pass rushers are responsible for being aware of the position of the ball in passing situations; the Referee will use the release of the ball from the passer’s hand as his guideline that the passer is now fully protected;

be aware of 認識している


(a)レフェリーの判定において、「ラフィング」がコールされるのは、パスラッシャーが(パサーに)接触する前に、ボールが明らかにパサーの手から離れていることをパスラッシャーが知っているべき状況においてである。パスのシチュエーションにおいて、パスラッシャーはボールがどこにあるかを認識している責任がある。レフェリーは、パサーの手からボールが離れたことをガイドラインに、パサーが完全に保護される対象になったと判断する。

 

once a pass has been released by a passer, a rushing defender may make direct contact with the passer only up through the rusher’s first step after such release (prior to second step hitting the ground); thereafter the rusher must be making an attempt to avoid contact and must not continue to “drive through”or otherwise forcibly contact the passer; incidental or inadvertent contact by a player who is easing up or being blocked into the passer will not be considered significant.

thereafter その後は、それから先は
attempt 試み
make an attempt 試みる
forcibly 力づくで、強制的に
incidental 偶然の、偶発的な
inadvertent 不注意の、偶然の
ease up 緩める、和らげる

 

パスが投げられた後では、パスラッシャーはそのタイミングの後の1歩目(2歩目の足が地面につく前)であれば接触が認められる。それ以降は、パスラッシャーは接触を避けようとしなければならない。また、そうしなければパサーに強烈に接触してしまうのでなければ、「ドライブスルー(※)」を続けてはならない。少しでも衝撃を少なくしようとする場合、または他のプレーヤーにブロックされて押し出された場合のパスラッシャーによる、偶発的な、意図的でない接触は、重要とはみなされない。


※ルールブック原文の“drive through”については、意味が分かりませんでした。ルール内で“drive through”の用語はここにしか登場せず、用語の定義は特にありません。ネットでの検索でもうまく解説を見つけられませんでした。おそらく、「QBがパスを投げたらディフェンダーはラッシュをやめなければならず、地面に2歩目が着いた以上はそのままタックルしてはいけない」「そのまま止まるのが基本だが、QBへのコンタクトを避けるためなら通り過ぎる(=ドライブスルー)のは認められる」ということだと思います。この部分のポイントとしては「レイトヒットはNG」「その基準はパスを投げてから2歩目以降」「パスを投げたタイミングが分からなかった、は言い訳にならない」ということでよいかと思います。

 

(b) A rushing defender is prohibited from committing such intimidating and punishing acts as “stuffing” a passer into the ground or unnecessarily wrestling or driving him down after the passer has thrown the ball, even if the rusher makes his initial contact with the passer within the one-step limitation provided for in (a) above. When tackling a passer who is in a defenseless posture (e.g., during or just after throwing a pass), a defensive player must not unnecessarily or violently throw him down or land on top of him with all or most of the defender’s weight. Instead, the defensive player must strive to wrap up the passer with the defensive player’s arms and not land on the passer with all or most of his body weight.

intimidating 威嚇する
punishing 罰する、強打する
stuff 詰め込む、ブチ込む
e.g. (文書で)例えば
strive 努力する
wrap up 包む

 

(b)パスラッシュするディフェンダーは次のように、パサーを脅して強く痛めつけるような行為は禁じられている。パサーをグラウンドに叩きつけること、パサーの投球後の不必要なレスリング行為。これは、上記(a)の項目で規定されたようにラッシャーが1歩目以内にパサーとの接触を始めた場合も同様である。つまり、パサーが自分を守れない姿勢(例えば、投球の最中や直後)にいる際にタックルした場合は、ディフェンスの選手は不必要に、かつ暴力的にパサーを投げつけたり、パサーに全体重またはほとんどの体重がかかるようにのしかかったりしてはならない。その代わりに、ディフェンスのプレーヤーは、腕でパサーを抱きかかえるようにタックルし、全体重またはほとんどの体重でのしかからないよう努めなければならない。

 

(c) In covering the passer position, Referees will be particularly alert to fouls in which defenders impermissibly use the helmet and/or facemask to hit the passer, or use hands, arms, or other parts of the body to hit the passer forcibly in the head or neck area (see also the other unnecessary roughness rules covering these subjects). A defensive player must not use his helmet against a passer who is in a defenseless posture—for example,

impermissibly 許されないように

 

パサーを見ることができるポジションを取り、レフェリーは特に以下のファウルに注意を払わなくてはいけない。ディフェンスの選手がヘルメットと(または)フェイスマスクを使ってパサーにヒットすること。手や腕、あるいは他の部分を使ってパサーの頭や首の付近を強くヒットすること(それらについて定めた他のアンネセサリー・ラフネスのルールについても参照)。自らを守れない姿勢にあるパサーに対し、ディフェンスの選手は、自身のヘルメットを使ってヒットしてはならない。例としては以下のとおり。


※通常は「helmet(頭部を覆う部分)」「face mask(顔を守る格子状の部分)」のそれぞれ一語で全体を指すことが多いと思いますが、ルールでは曖昧さをなくすために「helmet and/or facemask」という書き方をしているものと思います。

 

(1) forcibly hitting the passer’s head or neck area with the helmet or facemask, even if the initial contact of the defender’s helmet or facemask is lower than the passer’s neck, and regardless of whether the defensive player also uses his arms to tackle the passer by encircling or grasping him; or

regardless of ~に関わらず
encircle 取り囲む
grasp つかむ

 

(1)ヘルメットまたはフェイスマスクによるパサーの頭または首の付近への強力なヒット。ディフェンダーのヘルメットまたはフェイスまっすくの最初の接触がパサーの首よりしたの部分だったとしても違反となる。またディフェンスの選手が(ヘルメットとは別に)腕によってパサーを抱えたりつかんだりしていたとしても考慮されない。

 

(2)lowering the head and making forcible contact with any part of the helmet against any part of the passer’s body. This rule does not prohibit incidental contact by the mask or the helmet in the course of a conventional tackle on a passer.

conventional 伝統的な、慣習的な

 

(2)頭を下げて強力な接触をして、ヘルメットのいかなる部分でもパサーのいかなる部分の体に当てた場合。このルールは、通例のタックルをしようとする過程で、マスクまたはヘルメットが偶発的にパサーに接触するのを禁じるものではない。

 

(d)A rushing defender is prohibited from forcibly hitting in the knee area or below a passer who has one or both feet on the ground, even if the initial contact is above the knee. It is not a foul if the defender is blocked (or fouled) into the passer and has no opportunity to avoid him.

(d)ラッシュするディフェンスの選手は、パサーが両足で立っている場合も片足で立っている場合も同様に、パサーのヒザ、もしくはヒザより下を強烈にヒットすることは禁じられる。ディフェンダーがブロックを受け(またはファウルを受け)たことでパサーへ押され、避ける機会がなかった場合にはファウルとはならない。

 

Notes:
1.A defender cannot initiate a roll or lunge and forcibly hit the passer in the knee area or below, even if he is being contacted by another player.

roll 転がる
lunge 突進する

注1 たとえ他の選手の接触があった場合でも、ディフェンスの選手は転がるか突進するかしてパサーのヒザまたはヒザより下の部分を強烈にヒットしてはいけない。

 

※上の(d)項の補足として、注1は「押されて、かつ避けられない場合はやむを得ないものとするが、だからと言って他の選手の接触があった後に故意にヒザ下に強いタックルをするのはファウル」ということを言っているものと思います。

 

2.It is not a foul if the defender swipes or grabs a passer in the knee area or below in an attempt to tackle him, provided he does not make forcible contact with the helmet, shoulder, chest, or forearm.

swipe 強打する、思いっきり打つ
provided もし~ならば、~という条件で
forearm 前腕(ひじから手首まで)

 

注2 もしディフェンダーがヘルメット、肩、胸、前腕を使って強烈な接触をするのでなければ、ディフェンダーがパサーのヒザまたはヒザより下の部分をタックルしようとして強く打ったりつかんだりするのはファウルではない。

 

(e)A passer who is standing still or fading backward after the ball has left his hand is obviously out of the play and must not be unnecessarily contacted by an opponent through the end of the down or until the passer becomes a blocker, or a runner, or, in the event of a change of possession during the down, until he assumes a distinctly defensive position. However, at any time after the change of possession, it is a foul if:

fade backward 後退する
distinctly はっきりした

 

(e)ボールを放した後、そのまま立っているまたは後退しているパサーはプレーをいていないものと見なし、そのダウンが終わるまでディフェンスの選手は不必要な接触をしてはならない。パサーがブロッカーやランナーとなるまでも同様である。またはダウンが終わるまでにボールの保持権が移った場合、パサーが明らかにディフェンスのポジションになったと明らかに想定できるまでも同様である。しかし、ボールの保持権が移った場合でも、以下の場合はファウルとなる。

 

(1)an opponent forcibly hits the quarterback’s head or neck area with his helmet, facemask, forearm, or shoulder

(1)相手選手がヘルメット、フェイスマスク、前腕、肩を用いてクオーターバックの頭や首の付近を強烈にヒットした場合。

 

(2)if an opponent lowers his head and makes forcible contact with any part of his helmet against any part of the passer’s body. This provision does not prohibit incidental contact by the mask or the helmet in the course of a conventional block.

provision 規定、条項

(2)相手選手が頭を下げて強烈な接触をして、ヘルメットのいかなる部分でもパサーのいかなる部分の体に当てた場合。この規定は、通例のタックルをしようとする過程で、マスクまたはヘルメットが偶発的にパサーに接触するのを禁じるものではない。

 

(f)When the passer goes outside the pocket area and either continues moving with the ball (without attempting to advance the ball as a runner) or throws while on the run, he loses the protection of the one-step rule provided for in (a) above, and the protection against a low hit provided for in (d) above, but he remains covered by all the other special protections afforded to a passer in the pocket (b, c, and e), as well as the regular unnecessary roughness rules applicable to all player positions. If the passer stops behind the line and clearly establishes a passing posture, he will then be covered by all of the special protections for passers.

(f)パサーがポケットを出た時には、ボールを持ったまま動き続ける場合(ランナーとして前進しようとしていない場合でも)、または走りながら投げる場合は、その選手は前述の(a)で定められた「1歩目」ルールの保護、また(d)の「ローヒット禁止」の保護を失う。しかし、ポケット内にいるパサーが受ける(b)(c)(e)の特別な保護については変わらずに有効である。それに加えて、通常のアンネセサリー・ラフネスのルールはすべてのポジションに対して有効である。また、パサーが止まってパスの姿勢を明らかに取った時には、パサーの特別な保護が再び適用になる。

 

(g)The Referee must blow the play dead as soon as the passer is clearly in the grasp and control of any tackler behind the line, and the passer’s safety is in jeopardy.

jeopardy 危険

(g)スクリメージライン後方で、パサーが明らかにタックルした選手につかまれ動きを確保され、パサーの安全が危険にさらされた場合には、レフェリーはタックル後なるべく早く笛を吹いてプレーを止めなくてはならない。

 

Note: A player who initiates contact against a passer is responsible for avoiding an illegal act. This includes illegal contact that may occur during the process of attempting to dislodge the ball. A standard of strict liability applies for any contact against a passer, irrespective of any acts by the passer, such as ducking his head or curling up his body in anticipation of contact.

dislodge 移動させる、取り除く
irrespective of ~に関係なく

注:パサーへの接触を始めた選手に、反則行為を避ける責任がある。これは、ボールを奪おうと試みる過程で起きるイリーガルコンタクトも含まれる。パサーに対してはあらゆる接触が厳しい基準が適用される。パサーが接触を予測して、頭を低くしたり、体を丸めたりしているなどの動きに関わらず、適用される。

 

Penalty: For Roughing the Passer: Loss of 15 yards and an automatic first down; disqualification, if flagrant.

disqualification 失格
flagrant 目に余る、極悪の


ペナルティー:ラフィング・ザ・パサーのペナルティーは、15ヤードの罰退とオートマティック・ファーストダウンである。また、あまりに悪質な場合には退場処分となる。

 

Notes:

(1)When in doubt about a roughness call or potentially dangerous tactic against the passer, the Referee should always call roughing the passer.

(2)See 8-6-1-Exc.c–d for personal fouls prior to completion or interception.

 tactic 戦術上の

注:
(1) ラフプレーの指示や危険な戦術が疑われる場合には必ず、レフェリーはラフィング・ザ・パサーをコールしなければならない。

(2)パスのコンプリーション、インターセプトの前のパーソナルファウル(のペナルティ)規定については、ルール8、第6節、1条の例外(c,d)を参照すること。

※「15ヤードの罰」を、どの地点から適用するのか、については別に定めた箇所を参照する、ということです。「パスが成功していればパス成功後のボールがデッドになった地点、パスが不成功だった場合は最初にボールをスナップした地点、のどちらかファウルを受けた側が有利な方から適用」などが決められています。


【鯖缶より】

かなり長くなってしまいました。なんとなくわかってたことが、個人的には整理できた気がします。ここで使われる単語は、実況でも出てきますので、参考になったらうれしいです。

 

また他の部分もチェックするつもりですので、引き続きお付き合いください。質問、訂正、補足、リクエストなどがあればどうぞ遠慮なさらずコメントください。お答えできるかはわかりませんが、ブログのネタにもなりますので大変助かります!

 

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