week5、ペイトリオッツはアウェーでテキサンズと対戦し、苦しみながらも逆転勝ちを収めました。今季の成績はこれで2勝3敗です。
個人的には、「負ければ、事実上のシーズンエンドかも」とも言える試合だと思っていたので、とにもかくにも勝ってくれてよかったです。
【観戦メモ】
・ギルモアはもう戻らない
CBステファン・ギルモアの退団(指名権とトレードでパンサーズへ)が発表されました。サラリー増額での契約延長を望むギルモアと、それを認めないチームの現状を考えれば、「十分起こりうること」だったのに、正直言って僕は「シーズン後半からギルモアが戻ってきて、守備力にブーストをかけてくれる」「ディフェンスで勝つという2019シーズンの夢の続きを、別バージョンで見せてくれる」と、ずいぶん都合のいい想像をしていたものです。
前週のバッカニアーズを相手にある程度機能したDB陣でしたが、ベリチックは「これで戦える」という手応えを感じているのでしょうか? いずれにせよ、「ギルモアが救世主になってくれる」というシナリオはなくなったことは間違いありません。
このテキサンズ戦で、ディフェンスは苦しみました。相手のオープニングドライブを止められずにズルズルと10分以上かけてTDを許しましたし、JCジャクソンとマコーティーという「守備の要」の2人の間でキャッチされて、クリス・ムーアにそのまま持ち込まれて67ヤードのTDを許したシーンは「暗雲」そのものでした。
そのあとも、3rd&16、3rd&15の状況を作るも、4thダウンギャンブルで更新を許すなど、特に前半は締まらない内容でした。はたして、ペイトリオッツのディフェンスが今後どの程度やれるのか。控えめに言って、「楽観視できない」とは言えそうです。
・フォークのおかげ
この試合は、今季のこれまでの悪い流れの再現だったと言えます。RBダミアン・ハリスがゴールライン寸前でファンブルしたのはweek1の繰り返しでしたし、どうしても得点が欲しい3Qの最初にQBマック・ジョーンズがインターセプトを投げたのは、week3の再現でした。
でも、この試合を救ったのはキッカーのニック・フォークだったでしょう。week4では56ヤードが決められなかった(責められないでしょう)彼が、この試合では52ヤードを2回成功。両方とも、ものすごく大きなFG成功でした。ディフェンスが何もできなかった前半、何とか最後に一矢報いた1本、テキサンズがパントをミスして反撃のきっかけになるはずが、オフェンスが何もできずに、「仕方なく」蹴った1本。この2本の52ヤードの成功で、なんとか望みをつないでくれました。それが、今季の3敗とは違う結果につながる一因だったのは間違いありません。
また、「自滅しなかった」というのも、「ペイトリオッツらしさ」と思いたいです。ペナルティを避け、なんとか運を引き寄せました。
先発オフェンスラインのうち4人が欠場という緊急事態も、控えメンバーが大きなミスをせず勝因の1つになってくれました。もしペイトリオッツが今後プレーオフを争えるとしたら、「試合への準備の力(コーチ力というか、チーム力というか)」によるものでしょう。「控えOLでも試合を作れた」というこの試合が、その兆しになってくれたら、と期待したいです。
・「0ヤードパント」炸裂の件
マック・ジョーンズからINTを奪って、フリーフリッカーを鮮やかに決め、9対22の13点リードで試合をコントロールしていたテキサンズですが、事件は3Q残り10分26秒で起きました。テキサンズ陣内36ヤード地点での4th&2。
ここで、テキサンズのパンターは一度パントの位置から、QBがパスを狙うショットガンの位置まで前進してスナップを受ける素振りを見せます。ペイトリオッツは、リターナーのオルシェフスキーが上がってきて、パスやランのプレーに備えます。そこでテキサンズのパンターはまた下がり、パントを試みるのですが、下がった距離が十分でなかったのか、蹴ったパントはテキサンズの選手に当たり、「セルフパントブロック」になってしまったのです。
これは、テキサンズがモメンタムを手放すきっかけになったシーンでした。その後もFGミス、4Qでの不要なラフィング・ザ・パサー、と勝利を譲る流れになってしまいました。
でも、コントみたいなパント失敗も、「アメフトの味」のように思えてなりません。小細工をしようとしてかえって失敗した、というだけの話ですが、要するに「少しでも相手の嫌がることをやろう」(ペイトリオッツのオフサイドを誘ったり、タイムアウトを使わせたり、リターンをできなくする狙いだと思います)ということで、クソ真面目に勝算を少しでも上げようとしたからこそのしょうもないミス、というか。なんとも悲哀のあるシーンでした。
(動画ツイート貼り付けておきます↓)
🚨 SPECIAL TEAMS 🚨
— New England Patriots (@Patriots) October 10, 2021
📺: @NFLonCBS / Patriots app pic.twitter.com/FWSEWsTOJA
【英文記事より】
(ペイトリオッツ公式サイト記事より。英文部分は引用です。訳は当ブログで用意しました。ぜひ引用元で全文をチェックしてください)
(マック・ジョーンズ、逆転勝利をどう感じたか、について聞かれて)
It felt really good. I think the offensive line did a great job and I think it all starts with them. They were doubted all week and there was this and that, and all the noise around that and they came out and they played really hard and they played together.
本当にうれしい。オフェンスラインが素晴らしくて、すべてのプレーは彼らの貢献があってのものだ。今週ずっと彼らの実力は疑われてあれこれ言われた。そんな雑音の中彼らは団結して、懸命にプレーしたんだ。
I think I only got hit one time the whole game. So just shutout to those guys and they are a big reason why it happened,
たぶん、ゲームを通じて、僕がヒットされたのは1回だけだ。パスラッシュを抑えてくれたおかげで、この逆転劇が可能になったんだ。
and it was just – we just out-competed. I don't know if we out-played the other team but we definitely out-competed and that's all we can ask ourselves to do.
なんとか、必死さで上回った。相手チームよりいいプレーができたかは分からないけど、なんとか競り合って上回った。必死になることが僕らにできることのすべてだ。
There's a lot of stuff that I'm going to watch on film and wish I had back, but sometimes it's just – you've just got to find a way to win and it feels better to not play as well and win but learn at the same time than play okay and end up losing. So, the win feels good.
フィルムを見直すべき場面がたくさんあったし、改善したいと思ってる。ただ、何とかして勝つ道を見つけなくちゃいけない試合もある。いいプレーができなくて、そこから課題が見つかるような内容でなんとか勝つのは、悪くないプレーをして負けるよりもずっと気分がいいよ。勝つのはうれしい。
【ハイライト動画リンク】
https://www.youtube.com/watch?v=MgHmJVGtbqA
【おわりに】
「勝ってくれたおかげで、なんとか希望を持って次週を待てる」という感じでしょうか。「なんとか数字上の可能性が残ってる状況で1試合でも多く応援したい」というのが、ファンとしての正直な気持ちです。
次週はホームにカウボーイズを迎えます。決して楽な試合にはならないでしょうが、ベリチックは当然勝つつもりで準備するでしょう。どこから勝機を見いだせるか、注目したいです。
(過去記事です↓)
(よろしければこちらもどうぞ。NFLに出てくる英単語、言い回しを集めました。ブックマークして繰り返しご利用ください↓)
(ツイッター、フォローお願いします↓)