NFLの2018シーズンのスタッツを振り返って、面白いと感じたデータを書き出してみました。2019シーズン開幕を楽しみにする注目ポイントにつながったらうれしいです。
今回はチームオフェンスについてのランキングを見て、それぞれのスタッツで上位5チームを書き出しました。順番に見ていきましょう。
(もくじ)
- 獲得ヤード(1試合平均)
- 得点(1試合平均)
- パスヤード(シーズン合計)
- ランヤード(1試合平均)
- ファーストダウン数(シーズン合計)
- サードダウンコンバージョン成功数
- サードダウンコンバージョン成功率
- フォースダウンコンバージョン成功数
- フォースダウンコンバージョン成功率
- ターンオーバー数(少ない順)
- ターンオーバー数(多い順)
- パント数 (少ない順)
(espnのサイトを参照しました。ダラダラ見てるだけで楽しいと思います。リンクを貼っておきます。↓)
獲得ヤード(1試合平均)
1位 チーフス 425.6
2位 ラムズ 421.1
3位 バッカニアーズ 415.5
4位 スティーラーズ 403.3
5位 ペイトリオッツ 393.4
まず、面白いと思うのはオフェンスのスタッツの画面を開いたときに、「得点」ではなくて「トータル獲得ヤード」の順位が出てくるところ。「得点」はディフェンス、スペシャルチームも合わせたチーム総合力で決まるので、ヤードゲインのほうがオフェンス力を比較しやすい、ということでしょうか。(ディフェンスも、「失点数」よりも「喪失ヤード」でランキングすることが多いと思います)
注目点としては、「バッカニアーズ、獲得ヤード3位だったのか。チーフスと平均で10ヤードしか変わらないじゃん!」でしょうか。
得点(1試合平均)
1位 チーフス 35.3
2位 ラムズ 32.9
3位 セインツ 31.5
4位 ペイトリオッツ 27.3
5位 コルツ 27.1
バッカニアーズは得点ランキングにはランクインしませんでした。平均得点は「24.8」でリーグ12位。効率悪いですね・・・ 何があったんでしょうか。得点ランキングで3位のセインツは、獲得ヤードは379.2で8位。守備を含めた総合力と、効率のいい攻撃で得点できていたことが想像できます。それにしても、改めてチーフスの得点力には驚きます。ペイトリオッツよりも平均で8点多く取っていたのですから、ものすごい数字です。
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パスヤード(シーズン合計)
1位 バッカニアーズ 5125
2位 スティーラーズ 5008
3位 チーフス 4955
4位 ファルコンズ 4653
5位 ラムズ 4507
またしてもバッカニアーズがトップ! ウィンストンとフィッツパトリックの合計は、マホームズやロスリスバーガーを上回っていたんですね。正直意外でした。
ところで、「マホームズのパスヤードって、5000ヤード超えだったはずなのに、チーフスのチームスタッツは4955ヤードになっているのはなぜ?」と気になりました。 これは、「QBの個人スタッツはグロスヤード」「チームのスタッツはネットヤード」で集計するためのようです(僕は知りませんでした)。
grossは「総計」netは「正味の」という意味で、「gross profit(粗利益)」「net profit(純益)」という言葉を思い出すと意味がつかみやすいと思います。
パスヤードの話で具体的に考えると、個人スタッツは「パスで稼いだヤードの総計」でパスヤードを出すのに対して、チームスタッツは「サックによって喪失したヤードを減らして、パス攻撃の機会の純利益はどうだったか」で出すのです。(なんとなく合理的なようにも思います)
この「ネットヤード」という考えは、パントでも出てきます。50ヤードのパントを蹴った場合、フェアキャッチでリターンがなければネットヤードとしても50ヤードですが、10ヤードリターンしたとすればネットヤードは40ヤードです(パントによってボールを進めた距離は差し引き40ヤードになる)。
ランヤード(1試合平均)
1位 シーホークス 160.0
2位 レイブンズ 152.6
3位 ラムズ 139.4
4位 パンサーズ 133.5
5位 ペイトリオッツ 127.3
確かに、シーホークス、レイブンズはランを出しまくっていた印象があります。ラムズは、パス、ラン、トータル、得点とそれぞれ5位以内に入っていて、いかに多彩な攻撃を成功させていたかが分かります。ペイトリオッツはシーズン中盤WRのパターソンをRBで起用するなど、苦労した時期もありましたが、スーパーボウルの7点リードの最終盤に「ランプレーでいく」と分かる場面でもランを止められずに出せる場面もあり、OLの充実が光りました。2019シーズンもランを重視しそうな気がします。
ちなみに、チーフスは1試合平均115.9ヤードで16位、バッカニアーズは95.2ヤードで29位、スティーラーズは90.3ヤードで31位でした。
ファーストダウン数(シーズン合計)
1位 ラムズ 401
2位 バッカニアーズ 388
3位 チーフス 384
4位 スティーラーズ 378
5位 セインツ 377
ここでも、バッカニアーズの健闘が光ります。それにしても、ラムズの401という数字はなんかスゴいですね。32位のカーディナルスは239なので、その差162。1試合平均10回もファーストダウン数が違うのは、さすがにハンデをつけすぎなんじゃ・・・(ハンデではない)
サードダウンコンバージョン成功数
1位 コルツ 104
1位 レイブンズ 104
3位 ジャガーズ 93
4位 ファルコンズ 92
5位 カウボーイズ 89
ランキングに入ってくるチームがガラリと変わりました。ファーストダウン獲得数の多かったチームは、サードダウンに追い込まれる前に更新している機会も多かったということでしょうか。たとえば、チーフスはサードダウンの機会がシーズン合計で176回でリーグ32位。セインツは184回で30位でした。相当効率よく攻めていることが分かります。
サードダウンコンバージョン成功率
1位 コルツ 48.6%
2位 チーフス 47.2%
3位 バッカニアーズ 46.0%
4位 ファルコンズ 45.3%
5位 ラムズ 45.0%
少しメンバーが変わりました。コルツはファーストダウン獲得数も6位で、粘り強く攻めていたことが分かります。そして、チーフスは「そもそもサードダウンまで追い込まれないし、もし追い込まれてもコンバートできる」という攻撃を続けていたことがよくわかります。そして、バッカニアーズはここでも上位にランクイン。なぜ得点力が低かったのでしょうか?
フォースダウンコンバージョン成功数
1位 ブロンコス 15
2位 イーグルス 14
3位 セインツ 13
3位 レイブンズ 13
5位 カウボーイズ 12
5位 チーフス 12
5位 ジャイアンツ 12
ブロンコスがトップ、イーグルスが2位でした。両チームとも苦しいシーズンでしたが、それぞれAFC、NFCを盛り上げた存在に思います。粘り強く戦った跡が感じられます。
フォースダウンコンバージョン成功率
1位 チャージャーズ 87.5%(7/8)
2位 セインツ 81.3% (13/16)
3位 チーフス 80.0%(12/15)
4位 シーホークス 78.6%(11/14)
5位 バッカニアーズ 69.2%(9/13)
異様な高確率! と驚いたのですが、そもそもショートヤードなど、成功の確率が高い状況でギャンブルするわけで、サードダウンよりは成功率が高くなるのは不思議ではないのかもしれません。(それにしても、8割超えの3チームはスゴいと思いますが・・・)
ターンオーバー数(少ない順)
1位 シーホークス 11
2位 パッカーズ 15
3位 テキサンズ 16
3位 セインツ 16
5位 カウボーイズ 17
5位 ベンガルズ 17
オフェンスがターンオーバーを与えた数(give away)のランキングです。当然少ない方がいいので、少ない順に記載しました。
シーホークスの11はすごいですね。セインツも、攻撃機会が多かったことを考慮すればかなり評価されていい順位な気がします。チーフス、ペイトリオッツ、タイタンズ、ファルコンズが18回で7位タイでした。
ターンオーバー数(多い順)
1位 バッカニアーズ 35
2位 ビルズ 32
2位 49ers 32
4位 ジェッツ 30
5位 ジャガーズ 29
この結果は、お分かりかだったかと思います。バッカニアーズがトップでした。インターセプト26回、ファンブルロスト9回の合計35回で、リーグ最下位だったのです。他のスタッツで善戦していたのに、得点が伸びていなかった理由が分かった気がします。
パント数 (少ない順)
1位 セインツ 43
1位 ラムズ 43
3位 チーフス 45
4位 バッカニアーズ 57
4位 コルツ 57
上位3チームのパントの回数の少なさ・・・ 1試合平均で3回を下回るのですから驚きです。パントのネットヤード(パントの距離からリターンやタッチバックを引いて、差し引きで進んだ距離)でもセインツは1位、ラムズは5位、チーフスは9位でした。お見事です。
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さて、今回はここまでにします。まとめると、チーフス、セインツ、ラムズが鬼オフェンス、続いてペイトリオッツ、コルツ、スティーラーズが数字を残した。ランを出していたのがレイブンズ、シーホークス。パスオフェンスで好調に進軍して、ターンオーバーをしていたのがバッカニアーズ、となりそうです。
espnのサイトと、NFLオフィシャルのサイトのスタッツのページのURLを下に貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。それぞれのスタッツで順位が並び替えられたりして楽しいです。
2018 NFL Team Total Stats - National Football League - ESPN
National Football League Stats - by Team Category | NFL.com
次回もその他のスタッツを見ていきたいと思いますので、引き続きお付き合いください。(ラン、チームディフェンスについてまとめています↓)
(個人スタッツ振り返り。QBランキングです↓)
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