鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)の英文ニュースの一部を訳して紹介します

【コラム】NFLファンがほぼ前知識なしでラグビーを見た感想(アメフトとラグビーの違いについて思うこと)

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今まで、ほとんど根拠のない食わず嫌いみたいな感じで、ラグビーを見てこなかったけど、ワールドカップをきっかけにして、日本代表の試合を見た。


4試合のプール戦の直後に、感じたことをツイートしていたので、それを振り返って、まとめておきたい。


僕がプール戦直後にしたツイート

(日本代表の試合を見ました。ロシア戦、アイルランド戦、サモア戦、スコットランド戦を見ての感想やメモです) 

 

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アメフトとラグビーはどう違うか

「アメフトとラグビーはどこが似ていて、どこが違うのか」みたいな話題になると、しばしばアメフトファンは、「全然違う」と言って、アメフトへの忠誠心(?)を表明するものだけど。僕も考えてみよう。


ラグビーを4試合見ただけの第一印象で答えると、「ほとんど同じ」という感じがする。というか、「同じ」と言ってもいい気がする。


そもそも前提として、よく似ているから比べるのだ。将棋とチェスはどこが違うか。人間とチンパンジーはどこが違うか。そんなの、「だいたい同じ」だ。よく似ているから、比べることができる。将棋とチンパンジーは比べられない。つまり、ラグビーとアメフトは同じ。


どのように似ているか。やっぱり、あの「楕円形のボール」だ。あの、「落とすとどっちにバウンドするかわからないボール」が、競技の性格を大きく決めていると思う。


もちろん、アメフトは前パスを取れずに落とした場合はそこでゲームが止まるので、ボールがどこにバウンドするのかはあまり関係ない。だけど、「ファンブルして落としたボールがどちらに転がるかわからない」というあの不条理感が、アメフトというスポーツの大きな魅力であることは間違いない。


キックもそうだ。狙ったところに蹴るのが難しい。ちょっと当たった場所が違うだけで軌道が変わってしまう(よく知らないけど)。アメフトもラグビーも、キックで決める3点が大きく勝負の行方を左右するけど、でもそこに「克服しきれない偶然性」が持ち込まれてるところが面白い。


そんな、「どっちに転がるかわからない運命」を象徴しているような楕円形のボールを、大男たちが愚直に運び、時には危険にさらし、時には相手から強引に奪おうとするなんて。「思い通りにならない人生」に、何とか打ち勝とうとして、やっぱりうまくいかずに、それでも挑戦をやめない姿そのものではないか。


そこにグッとくるという意味では、すくなくとも僕にとってアメフトとラグビーの観戦体験はとてもよく似ていた。


ならば、どこが違うか。実際にラグビーを見てみるまでに知識として知っていた違いは、「前パスの有無」である。ラグビーは前にパスするのが反則。アメフトは各攻撃機会に1度前パスが許されていて、それがアメフトの戦術の核だし、一番の見所、というような。


だけど、実際に見ての印象は、「前パスの有無は、そこまで大きな違いじゃない」と感じた(多分、僕のこの印象は少数派なんじゃないかとも想像するけど)。


ラグビーは、ボールを持って選手が突き進んで、その周りを味方が一緒になって押したりする。この、ボールの周りの密集での押し合いで勝てるなら、ただ愚直にそれを繰り返して少しずつ進んでいけばいい。相手の守備が密集地帯に人数を集めてきたら、横に大きく、早く、速く展開するのが有効になってくる。このラグビーの「密集と展開」は、アメフトの「ランとパス」に驚くほどよく似ていた。


ラグビーのフィールドは横に広い(※)。そこにどのように展開していくかが、アメフトのパスをどこに投げ込んでいくか、と観戦のリズムとしては同じ感覚。「ラン、ラン、ここでパスかよ」というような。(※ラグビーは100メートル×70メートル、アメフトは91.4メートル×48.8メートルぐらい。100メートル、100ヤードはゴールラインからゴールラインの距離です)


ならば、どこが一番違うか。「アメフトはプレーを区切る」だと思った。ダウン・バイ・コンタクト、パス不成功、あるいはアウト・オブ・バウンズに出たら、アメフトは一度プレーを止める。それで回数を数えて、「4回で10ヤード進めなかったらボールを保持権強制交代」という「ターン制」みたいなゲームを成立させる。


その点が、一番の違いだと感じた。アメフトのいいところは、プレーが止まることによって、状況が整理される。「あと1回で6ヤード進むにはどうしたらいいか」など、局面ごとのテーマがはっきりする。プレーの成功と失敗の違いが、目に見えて分かる。


テーマがはっきりすることで、「6ヤード進むには普通はパス狙い。でも、裏をかいてランもある。パスなら誰を狙うか。その狙いが読まれたら次の候補は?」というように見所も明確になる。


実は、この点がアメフトの最も特徴的なところなんじゃないか、と思った。プレーを止めて、局面ごとのテーマを明確にする。両チームは、そのテーマに合わせた選手をフィールドに送り出す。一度プレーを止めることによって、戦術を読み合う重要性が増す。そのプレーごとのレベルも上がる。


この点がラグビーの場合はもっと流動的なように感じた。プレーが止まらないので、(観戦の楽しみとしては)1つ1つの局面を味わうというよりは、「密集→密集→大きく展開→細かく展開」みたいに、組み合わせのリズムと流れを味わう感じ。


だから、「見所」を掴むのはラグビーの方が少し難しい気がする。プール3戦目の直後のツイートでも「カメラが寄りすぎ」「引きに切り替えるタイミングが遅い」と僕の感想をメモしていた。たとえば、フィールド中央でターンオーバーが起こって、一瞬攻守が混乱した時、僕はなるべくロングで、「サイドにパスが回った時に、守備の人数が足りているか」とかを見たい気がする。そのタイミングで画面がボールに寄ってしまうと、ハラハラできなくなる。


でも、どの画角が適切で、どのタイミングで切り替えたらいいか(つまり、プレーが「密集」になるか、「展開」になるかをどうやって把握したらいいか)は刻一刻と変わるので、恐らく正しく演出するのはかなり難しいのではないか(日テレは4戦目も中継していて、その時はとても見やすかったです)。


プレーが止まらないので、局面ごとの選手交代がない。アメフトはパントを蹴る場面も、蹴る人もほぼ決まってるけど、ラグビーはパントを蹴る場面、人、狙うパントの種類も場面ごとに変わってくる。


アメフトは1つのプレーを区切るので、何ヤードゲインしたか、ロスしたかでプレーの成否がはっきりわかる。ラグビーは、成功と失敗が渾然一体となった感じ。1つのプレーではっきり「大成功」とわかるようなプレーは簡単には生じない。


そんな感じがした。「エンターテイメント性」を重視したい人ならアメフトが好きになりそう。「ドキュメンタリー性」を重視したいならラグビーが好きになりそう。だけどそれもちょっとした風味の違いで、どちらの競技にも、エンターテイメント性もドキュメンタリー性も存分に含まれている。


以上、「食わず嫌いをやめて試しにラグビーを観戦してみたら大変面白かったです」というレポートでした。まだラグビーを見たことのないアメフトファンがいれば、一度ラグビーを見てほしいし、まだアメフトを見たことのないラグビーファンがいれば、一度アメフトを見てほしい。(ツイッターでは、「アイスホッケーもおすすめ」と複数の方から教えてもらいました。いつか試してみたいです)

 

 

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