NFL2019シーズンを振り返える連続コラムの最終話です。ようやくポストシーズンまできました。
(※2020シーズンが終わったタイミングでこの記事をアップする意味もほぼないのですが、自分のPC内を整理したら書きかけの記事が出てきたので、供養としてアップしておきます。後半力尽きて全試合取り上げてません)
(1つ前はこちら↓)
【コラム】鯖缶的NFL2019振り返り⑥ - 鯖缶NFL三昧
僕の野次馬ツイートで振り返る企画ですが、推しチームであるペイトリオッツがワイルドカードで敗退してしまったこともあって、テンション落ちてツイート数がそもそも少なめ。後付けの感想も入れながら進めようと思います。
公式のハイライトのリンクを貼り付けておきます(「YouTubeで見る」をタップすればYouTubeで見られると思います。
ワイルドカードBUF@HOU ビルズ19 - 22テキサンズ
なんといっても、JJワットの3Qのサックが試合のポイントで、この「肝心な男が肝心な試合で帰ってきて肝心な場面で肝心な仕事をする」という、マンガofマンガな展開。ケガとか引退とか解雇とか(逮捕とか)の「選手生命のはかなさ」が常識のNFLで、レギュラーシーズの途中で離脱していた大黒柱がこのタイミングで戻ってきただけでなく、試合の流れをひっくり返すプレーを決めたわけで、テキサンズファンじゃなくても「何かアツいもの」がこみ上げる瞬間だった。
ビルズはこのシーンまで試合を圧倒していて、守備はフィールドに選手が12人いるんじゃないか、と思うほど。QBデショーン・ワトソンがポケットから出て、1人かわしたと思っても次の瞬間にはもう別の2人に囲まれてる、みたいなシーンがよく見られた。ホプキンスにファンブルさせて、「あと1押しでテキサンズを戦意喪失させる」というところまで追い詰めた。
ワットのサックがでて、ビルズをFGに抑えてこの時点で16対0。28対0ぐらいでもおかしくなかった内容だったけど、なぜか16対0。まだ2ポゼッション差だったのが「マンガみたいな逆転劇」にはちょうどよかった。
テキサンズ最初の得点になったTDも、直後の2ポイントもワトソンのスペシャルなランが出たもので、オーバータイムでFG圏内に進ませたパスのシーンは、「どのコマンド入力したらその“絶対サック回避スピン”できるんだよ」としか言いようのないプレーだった(他に言いようはあると思いますが、ここまで言っても言い過ぎじゃないぐらいのプレーに思いました)。ワトソンは、「プレーオフでチームを勝たせられるQB」だと自らを証明した。
ジョシュ・アレンは、「プレーオフで戦えるQB」であることは証明できたけど、「プレーオフでチームを勝たせるQB」とは証明できなかった。これから何度もチャンスが来るようにも思えるけど。はたしてどうだろうか。
ワイルドカードTEN@NE タイタンズ20 - 13ペイトリオッツ
僕がNFLに惚れ込んだのは、「シーズン16試合、プレーオフは一発勝負」の濃密さ、緊張感に興奮したからで。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 5, 2020
でもそれは、勝負の残酷さと表裏一体だと、またも思い知ったよ。
タイタンズおめでとう。もう少し、この興奮を楽しんで。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 5, 2020
ブレイディありがとう。決してベストなシーズンじやなかったとしても、最後まで勇敢だった。
いつもより早いオフを楽しんでくれ。もし戻ってくるなら、必ず応援するよ。
僕「1チームの勝者と、31チームの敗者が決まるのがNFL
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 6, 2020
。“ほぼ勝者” “よく頑張った”はない。王者に値することを証明できるのは1チームだけ。6度王者になったブレイディですら、ほんの一瞬だけそのイスに座れせてもらったに過ぎない。盛者必衰が…」
妻「ペイトリオッツ、負けた?」
僕「…うん(涙)」
正直言うと、「試合の最後までにはペイトリオッツがなんとかするんだろう」とは試合開始前には思ってたし、ハーフタイムでもそう思ってた。
4Qで残り5分強。ペイトリオッツ1点ビハインド。「わざとフォルススタートするとプレークロックおかわりできる」という「ルール上許されたチート」みたいな時間稼ぎをされた(ベリチックが実用化したなんともセコいワザで、個人的にはこういう小細工は大好き)、あのタイミングでも、「試合の最後までにはペイトリオッツがなんとかするんだろう」と思ってた。
でも、なんとかできなかった。ベリチックーブレイディ時代のあっけない幕切れ。
ワイルドカードMIN@NO バイキングス26 - 20セインツ
あらためて。アメフト、おもしれえぇぇ!
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 5, 2020
1ドライブごとが致命的に重要だし、それってつまり1スナップ、1プレイごとに、それぞれの選手が役割を果たすことが致命的に重要だってことで。
そんなの他のスポーツでも同じなんだろうけど、アメフトはその緊張感が可視化されてる。あらためて、すごい。
選手たちのメンタルタフネスが半端ない。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 5, 2020
僕ならあの緊張感の中で、じゃんけんすらできない。チョキ出そうとして「3」とか出しそう。
僕の考えたカズンズの宴会芸
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 5, 2020
「3の倍数と3がつく数字でアホになるQB」
MIN@NOに一瞬見たまぼろしとしては
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 6, 2020
「テイサム・ヒルにあげる個人タイトル見つからないな
って思ってたけど、ああ、そうか、スーパーボウルMVPか。ああ、なるほど、はいはい。すげえありそう」
でした。
ミーハー的見地からの感想は、試合直後に僕がツイートした内容で、それは今でも印象に残ってる。テイサム・ヒルがラン、パス、レシーブでそれぞれデカい仕事したのもアツいし、前半でも後半でもブリーズのターンオーバーがセインツのブレーキになってしまったのもかなりビターなドラマだった。カズンズは声を裏返すスナップカウントだけでなく、重要な場面で「マジかよ」というプレーを何回か決めた。
「このプレー」「あと1ヤード」「あと1フィート」で運命が別れるのは、多分どの競技も同じなんだろうけど、アメフトはそれが可視化されてる感じ、というのもよく思うこと。一発勝負のプレーオフでは特にそうだ。セインツは、2017、2018、2019とスーパーボウル3連覇してもおかしくないチームだった。チャンピオンになる資格のあるチームだと思ったけど、それはチャンピオンにならないと証明できない。
ワイルドカードSEA@PHI シーホークス17 - 9イーグルス
プレーオフの興奮で脳みそが雑になってるNFLファンの会話
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 6, 2020
「ビーストモード、ビーストだった?」
「かなりビーストかな」
「2回引退しても、まだかなりビーストなら、マジでビーストじゃね?」
「マジでビースト」
僕はこのコラムで「マンガみたい」というフレーズを連発してるけど、やはりマショーン・リンチの「2度目の現役復帰」は凄すぎて笑えてくる。さすがに「フルパワー」という感じではなかったと思うけど、2QのTDランではディフェンダーに捕まってから1ヤードとすこしを無理やり押し込んだ。はたして地球上に、あの1.5ヤードを進められる人類がどれほどいるか。(実際リンチの見せ場はほぼTDだけだったような気もするけど)
「マンガのような」と言えばイーグルスQBのジョシュ・マッカウンもそうで、ウェンツをリリーフして40歳にして初のプレーオフ出場。映画化するといたら「ジャーニー・マン~諦めの悪い男」とかか。マッカウンは2019シーズンのNFL助演QB賞をこの1試合だけで獲得してもいい気がする。(ガードナー・ミンシュー、カイル・アレンがノミネートか。でも彼らはなどちらかというと「主役になれなかった」という印象かも知れない)
ディビジョナルTEN@BAL タイタンズ28 - 12レイブンズ
【戦争映画に出てきそうな会話】
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 12, 2020
「天国と地獄がどれだけ離れてるか知ってるか?」
「は?」
「1ヤードだよ。4th&1を取れるかどうかが、勝敗を分けるってこと。1ヤードじゃなくてボール1つ分かもな」
「…必ず生きて帰って、フットボール見ようぜ」
(アップセットに思うこと)各種ランキング、グレードとかで、選手Aは93点、選手Bは72点とか見ると、両者にはかなりの差があるように感じるけど、実際は(全員バケモノなんだから)「99.93」と「99.72」の対決なんだよな、みたいなことを思ったり。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 12, 2020
2019シーズンのベストチームだったレイブンズが、一発勝負のプレーオフであっさりと負けてしまう勝負の残酷さ。それもNFLの魅力なんだけど、なかなかにビター。
「MVPラマー・ジャクソン、強いOL、RB」のおかげで何度も使える必殺技と思ってた4th&1を止められて、歯車が狂ったか。タイタンズの勝負強さが光った。
カンファレンス・チャンピオンシップ前のツイートも貼りつけておこう。
おめでとうNFL。エキサイティングなカンファレンス・チャンピオンシップになりそうじゃないか。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 13, 2020
49ersは「風格ある本命チーム」になったし、タイタンズは「最高のダークホース」だ。チーフスもパッカーズも「いっとくけどオレたちが主人公なんですけど?」と思ってるだろう。
ラムズもベアーズもスティーラーズもチャージャーズもプレーオフ残れなくて、ペイトリオッツもセインツも消えて、ラマー・ジャクソンもラッセル・ウィルソンも勝ち残れず。もうネタ出し尽くしただろ、と思ってまだ最高の3試合が残ってるのかよ、と。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 13, 2020
NFL今季4強を将棋棋士で例えると、
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 17, 2020
49ers:自然な手を積み重ねる本格派→郷田九段
パッカーズ:大駒を華麗にさばく+実は守備も粘り強い→久保九段
チーフス:一手のミスも許さず鋭く勝負を決める→渡辺三冠
タイタンズ:相手の嫌がる手を見つける嗅覚にすぐれる力戦派→糸谷八段
ですか?
AFCチャンピオンシップ TEN@KC タイタンズ24 - 35チーフス
僕「僕の好きな映画のパターンなんだけど。序盤ミスって窮地に追い込まれた主人公が、ハラハラの展開で優位を取り戻して、後半はじっくり実力を示して、最後ちょっとだけミスるんだけど、やっぱり勝つやつ」
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 19, 2020
妻「そんな映画あった?」
僕「今日のチーフス。ていうかマホームズ」
ディフェンディングチャンピオンだったペイトリオッツ、第1シードのレイブンズを破って、「まさか」があるぞ、と思わせたタイタンズも、結局は「引き立て役」になってしまう。やっぱり「一発勝負のトーナメント」というプレーオフのフォーマットはエンタメ的には相当優秀だな、と。
NFCチャンピオンシップ GB@SF パッカーズ20 - 37 49ers
僕「もう1つ好きな映画のパターンは、圧倒的な悲劇が連鎖する話ね。主人公は、親の借金で夢をあきらめ、親友に恋人を奪われ、冤罪で服役する。後半、何とか夢を取り戻しそうになるんだけど、その時には不知の病気が進行してる」
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) January 20, 2020
妻「つまり?」
僕「今日のパッカーズだよ」
妻「泣けるね」
自分の推しチーム以外を野次馬観戦してる時は特に、僅差の試合の方が面白いのは当たり前なんだけど。どちらかのチームが「雪ダルマ式」に悲劇が加速して、点差がどんどん開いていく試合も、ある種アメフトらしいな、とも思う。
チャンピオンシップまで残るようなチームが当然弱いはずはなく、アーロン・ロジャースがいればそれだけで優勝候補の一角とも言えるはずのパッカーズが、ターンオーバーを重ねて前半で0対27。
点差がついて、「どうしても点が欲しいドライブ」でこそターンオーバーが出てしまう。49ersの立場で言えば、「守備が強いと、守備がショートフィールド用意して攻撃が得点、という無限コンボ決められる時、あるよね」みたいな感じ。モメンタムが片方に雪崩のように偏ってしまうのに、めまいを覚えた。
スーパーボウル54 チーフス31 - 20 49ers
プレーオフで、3戦連続で2ケタの点差を逆転したわけですから、マホームズのスターとしての価値は(ただでさえ昨季のMVPだったのが)、8倍跳ね上がったと言っても言いすぎじゃない。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) February 3, 2020
マホームズのパフォーマンスが尊敬に値すると思うのは、
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) February 3, 2020
・不利な状況でもヤケにならない
・味方がミスしても集中を切らさない
・自分がミスしても萎縮しない
みたいなこと。
不利だと思考が雑になり、味方のミスにはため息をつき、自分のミスにクヨクヨする僕からすれば、ただただ憧れる。
NFL2019というシーズンが、要するに「マホームズのためのシーズン」として完結したのがこのスーパーボウルで、僕みたいなミーハーファンにとっては「それ以外よく覚えてない」といのが正直なところではあるんだけど。
でも、試合を見直すと驚く。4Q残り7分。マホームズからヒルへのロングパスが通る、その瞬間までは「カイル・シャナハンのためのシーズン」だったじゃないか。パス成功に見えた2ndダウンでチャレンジをして成功。3rd&15を止めれば勝利に大きく近づく。
でも、そこから勝ったのはチーフスで、その攻撃の中心にいたのはパトリック・マホームズ。結局、それしか覚えてない。あああ。
(本当は、ゲームパスがスーパーボウルでフリーズしたことも覚えてます↓)
ゲーパス「...」
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) February 3, 2020
あまりの興奮におかしくなったゲーパス民「...(この場面でジラされるなんて、なんで僕の癖を知ってるんだ?)」
ゲーパス「...」
もはや変態と化したゲーパス民「ハァハァ」
あとがき
NFLのオフシーズンの寂しさに、シーズン振り返りのコラムを書いていたのに、書きかけで終わっていたのが「鯖缶的NFL2019振り返り」でした。
読み返してちょっとだけ面白かったので、相当今更ではありますがアップしておきます。
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(「2019振り返り」の第1話はこちらです↓)
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(2020シーズンは、「観戦日記」を書いていたのですが、その第1話がこちらです)