2020年10月15日(木)
昨日の夜寝る前に、スマホで将棋の棋譜中継を見て。王将戦挑戦者決定リーグの羽生九段対佐藤天彦九段。これがまあ、面白いというか、分からないというか、難しいというか、不思議な将棋。
序盤から両者超攻撃的に致死性の高い(ハイリスクハイリターンな)斬り合いをするんだけど、ギリギリ均衡が保たれて、お互い攻撃の手が一瞬見えなくなったところで一転渋い手の応酬。さっきまで日本刀で斬り合ってたのに、それを落としちゃって、手持ちのナイフがないからそのへんにある鉛筆を尖らせようとしたり、「不発弾かもしれないけど地雷置いとくわ」「まだ逃げないんだけど、ちょっと隣の部屋のカギ空けとくわ」みたいな、直接的な狙いがちょっと見えにくい手が出てくる。
「初心者、アマチュアは飛車、角、桂馬とかの飛び道具で突進して、偶然成功したり失敗したりする」という将棋に対して、プロは「じっくり王を囲って、しっかり攻めの形を構築して、間合いを計り合って戦う」というのが、よくあるイメージだったと思うんだけど、今はプロが居玉のままパンチを打ち合う将棋が多くて、なんかクラクラする。プロの場合は、ラッキーパンチがそのまま当たって決着するんじゃなくて、「大パンチ見せといて、その場でしゃがむ」みたいなのが優劣の分かれ目になるのが面白い。
NFLも、NBAもそうだけど、将棋も「相手に対する有利ポイントをどこに作っていくか」という戦い。速さ、強さ、人数有利、陣形のバランスや発展性。持ち駒を効果的な場所に打てば、一気に状況が変わることもある。
アメフトでも、スナップ直後に「2秒後の世界」の見えてるQBは強そう。将棋は「1ターンに一手」で、「途中でダイスを振るなどの偶然性がない」から、実力があれば20手先まで読めるけど、アメフトは22人が同時に動くので、あんまり7秒後の世界を読もうとしても無意味っぽい(無理だから)。でも、「現状を把握して2秒後の世界を瞬時に読む」みたいな、
スプラトゥーンは、4対4だから上級者は「7秒後の世界」がある程度想像できたりしそう。僕は「今何が起きてるか」すら8%ぐらいしか把握できてないけど。
さて、前日の寝る前に将棋を見て、やや興奮して寝たからか、30分寝坊。3時半に翻訳仕事開始。出勤前に100枚書くつもりが80枚しか書けなかった(涙)。LAC@NO、BUF@TENを見なくちゃいけないに、消化できないぃぃぃ!
通勤途中に、翻訳会社からメール。日曜に納品分の原稿の修正依頼。これが、マジで不条理コント。だって、クライアントに提出する前に、チェッカーさんが直した原稿の、用字が間違ってると、クライアント側のQCからチェックがきて、「このように直してください」と。いや、僕はそう書いて出したんですけどね。ていうか、「修正したファイルを送り直す」っていう作業、ムダじゃないですかね。そっちで直して、「こう直したので次回以降合わせてください」でいいじゃないですか。なんか、「指導教官と学生」みたいな、「教育的指導」みたいな要素(わざわざ僕が直す)、仕事に必要なのかな。
それで、僕は当然腹が立って、「ほとんどはチェッカーさんのミスなので修正はチェッカーさんに依頼してください」と言いたいところなんだけど、そのメールの文面を角が立たないように考えるのがめんどくて、結局僕が直すことにした。帰宅後、15分で終わる作業なんだから別にいいんだけど。4時間は嫌な気持ちでいたわけで、その時間がムダだったな。
その後も大変情けないことにやる気がダダ下がりで、字幕は30枚しか進まなかった。結局、1日のノルマ150枚の予定が110枚。40枚分を明日に持ち越し。
10月16日(金)
今日も今日とて3時起きで翻訳仕事。前日やや押したので、ちょっとプレッシャー感じつつ。つくづく人間はままならないな、と思うのは、焦ると逆に気が散ってなかなか進まなくなる、ということ。今日進まないと、焦ってきてしまう。そうなると効率が落ちる。(そしてウケるのは、それでも無視してダラダラしてると、今度は開き直ってスピードが上がる、という。でもそれは不機嫌になって家族に迷惑をかけるので、あまり計算には入れたくない)
まあまあ順調に進めて出勤。ついにweek5のLAC@NO、BUF@TENを見ないまま、金曜の昼になってしまった。ということは、NFLの暦としてはweek6のスタート。TNFはシカゴとカロライナか。ファンタジーの選手は1人も持ってないな。ならとりあえずはいいや。早くNFL情報規制をリアルタイムに追いつきたい。ペイトリオッツは、ニュートンは、ギルモアはどうなってるのか。ペイトリオッツの試合を見られるのはいつか。
帰宅後少し翻訳仕事を進めて、結局あと40枚。昨日遅れた分が明日に残ってしまった。まあ、押してはいるものの想定内、といったところ。
10月17日(土)
3時起きで、サクっと翻訳仕事の残り40枚を片づけて上機嫌。とりあえず最後まで埋まったので、あとはリライトとチェックだけ。
今日はリライトに入らずに、自分の担当以外のエピソードをダラダラと見る。その間にNFLも40分モードで消費しよう。こう書いていて気づいたけど、「こなさなくちゃいけない面倒なノルマ」みたいに感じてるな。要するに時間と体力の問題なんだけど。
LAC@NO、QBハーバートが「キラリと光る」クオーターバッキングを随所に見せ、さぞやチャージャーズファンは彼を勝たせてやりたかっただろう、というような展開。結果的に、2週連続で17点リードから負けてしまった。特に今週はほとんど勝ちかけてただけに、かなり濃厚な苦さの悔しい敗戦。
それにしても、戦術と肉体をぶつけ合う戦いのうち何割かが、フィールドゴールの成否で決まったりするのって運命のいたずらというか、ツンとする風味があるな。バスケでも、いろいろやりあった挙句に「フリースローが決まるかどうか」っていう「心臓の強さ勝負」みたいになったりするのって、納得いかないけど納得感がある。
ロアルド・ダールの短編「南から来た男」で、ギャンブルジャンキーの浮浪者から、「ライターを10回連続で着火できるか」の勝負を持ちかけられる話があって、好きだったことを思い出した(例によってうろ覚えです)。
夕方にはBUF@TEN。もうこれは、1スナップごとに体のぶつかり合いが随所で起きる中身の濃い試合、という感じ。ジョシュ・アレンは3rd&long更新しまくるし、相当な充実。「俊足+強肩」に勝負強さが加わったらもうそんなの「今季の終了後には、MVPの票が彼に入っても驚かない」というレベルでしょ。
(ところで、「もし○○になっても驚かない」っていう英語らしい表現、めちゃくちゃNFLの記事とかで出てきますよね。これ、「○○になったら驚く」っていうのが前提を含めた言い方で、一石二鳥っぽくて面白いですよね)
さて、そんな充実のビルズに勝負どころで「鬼INTリターン」やら「時間かけた鬼TDドライブ」やらで大差をつけたタイタンズ、よく知らんけどこんなの本命チームじゃないんですか? タイタンズがダークホースじゃなくて「強豪」になるなんて、正直言って「フラグ」に見えるんだけど、どうなるんだろ。
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