NFCの2連勝チーム同士の対決となったバッカニアーズ対ラムズは、ホームのラムズが最後まで攻撃の手を緩めず勝利しました。ラムズとしては、バッカニアーズディフェンスの強力パスラッシュからQBスタフォードを守って、カンファレンス内のライバルに黒星をつけた、手応えのある1戦だったでしょう。
【観戦メモ】
・アウェーの影響、やはりあった?
試合を通じてボールを動かすことのできたバッカニアーズオフェンスでしたが、今季初のアウェー戦を勝利で飾ることはできませんでした。
思えば、「今季初めてのアウェー戦」というだけでなく、コロナの影響を考えれば、昨季のブレイディ加入後、アウェー戦の経験はあまり積めてないのかもしれません。
昨季のNFCチャンピオンシップは観客をかなり入れたランボーフィールドでしたし、ブレイディはもちろん、経験豊富なユニットですから。そこまで不自由していた印象はありませんでしたが、どうだったでしょうか。
この試合の「たられば」を1つ言うなら、バッカニアーズのレシーブで試合開始して、オープニングドライブでの3rd&1。この場面でのフォルススタートが痛かったように思います。ひょっとしたらこの場面は、「今季初のアウェー戦」の影響が出た場面じゃないでしょうか。
徐々にボールを動かせるようになったので、「後半レシーブ」だったら違う試合になったかも、とは思いました。
・DBにケガが重なるのよ
「スーパーボウル制覇の先発22人」がチームに残ったバッカニアーズですが、シーズン前から「セカンダリーの選手層の薄さ」が弱点と言われてました。そして、皮肉なことに、このDBにケガが重なっているのです。
この試合でも、CBジェメル・ディーンがひざを痛めてOUTになり、ディフェンスは効果的にラムズを止めることができませんでした。後半冒頭にWRディショーン・ジャクソンに75ヤードTDを決められたのも痛かったですし、その後も随所にいい守備を見せてサードダウンまでは追い込むのですが、相手のドライブを終わらせるにはやはりDB陣の力が不足していた印象です。
ラムズはオフェンスラインが安定したプレーを見せ、スタフォードに時間を作ります。スタフォードもそれに応え、空いたレシーバーに正確なパスを供給しました。
アメフトでは、、メンバーの能力値の単純な足し算ではなくて、「守備の一番弱いところ」を攻撃は攻めるわけであって(アメフトに限らずチームスポーツはすべてそうでしょうが、アメフトはそれが可視化されてる気がします)、セカンダリーは今後も続きそうな弱点になりそうです。
(速報! FAのベテラン、リチャード・シャーマンがバッカニアーズに加入したようです。うまくハマるか予想はできませんが、注目ですね!)
【英文記事より】
(NFL公式サイト記事より。英文部分は引用です。訳は当ブログで用意しました。ぜひ引用元で全文をチェックしてください)
Rams offense a divebombing dream.
ラムズオフェンスは夢の“急降下爆撃”
Matthew Stafford is enjoying life in L.A., scorching defenses in an offense perfectly tailored to his skills. The Rams QB uncorked a bevy of deep shots, puncturing a shaky Tampa secondary.
※scorch=枯らす、焦土化する
※uncork=コルクの栓を抜く
マシュー・スタフォードはLA生活を楽しんでいる。自身のスキルに合うように仕立てられたオフェンスで、相手ディフェンスを完全に打ち負かした。多くのディープパスを使って、不安定なタンパ・セカンダリーをパンクさせた。
The kill shot came on the first drive of the third quarter when Stafford heaved a bomb to a still-fast DeSean Jackson, who skipped for a 75-yard TD, which blew open the game.
必殺の一撃となったのは3Qの最初のドライブで、スタフォードはいまだスピードの衰えないディショーン・ジャクソンにボムを落とした時だ。ジャクソンはそれを持ち込んで75ヤードTD。試合を大きく動かした。
The score coming on a third-and-10 highlighted just how good the QB was on third downs the entire game, going 10 of 12 with two TDs on the pivotal down.
この得点は3rd&10の状況で生まれたもので、スタフォードは試合を通じてサードダウンでいいプレーを見せたことの一例だ。彼はサードダウンという重要な状況で12本中10本のパス成功、2TDを挙げた。
Stafford's ability to gun the ball all over the field opens up Sean McVay's offense in ways we didn't previously see.
スタフォードのフィールド全体を使えるパス能力が、これまでは見られなかったショーン・マクベイのオフェンスの、更なる一面を開花させている。
When he wasn't heaving deep shots, Stafford picked apart the Bucs underneath (21 of 25, 166 yards, three TDs on passes of fewer than 10 air yards). Stafford's mind-meld with Cooper Kupp (9/96/2) just three games into their relationship is otherworldly.
※mind-meld=脳間通信(「スタートレック」で、考えを他人とシェアする能力)
ディープショット以外でも、スタフォードはアンダーニースをうまく攻めていた(10ヤード以内のパスは25本中21本の成功、166ヤード、3TD)。スタフォードとクーパー・カプ(9レシーブ、96ヤード、2TD)は「脳間通信」が使えるような息の合い方で、わずか3試合の経験としては信じられないほどだ。
Next Gen stat of the game: Matthew Stafford was 6 of 12 for 162 yards and two TDs on vertical routes (post, corner, go and wheel). He has six TD passes on vertical routes this season, most in NFL (Jared Goff threw six such TDs all last season).
「Next Genスタッツ」:スタフォードが「タテ」のルート(ポスト、コーナー、ゴー、ホイール)に投げたパスはこの試合で12本中6本成功、162ヤード、2TD。「タテ」へのパスは今季通算で6TDで、これはリーグ最多(ジャレド・ゴフは昨季通算で6TD)
【ハイライト動画リンク】
Buccaneers vs. Rams Week 3 Highlights | NFL 2021 - YouTube
【おわりに】
ラムズは3連勝を飾りました。NFC西地区が強豪ぞろいで激戦地区ですから気は抜けませんが、実力を証明した1試合になったことは間違いないでしょうし、ひょっとしたらシード順を決めるのに大きな意味を持つ1勝になるかもしれません。
バッカニアーズは次週ペイトリオッツと対戦。ブレイディ、グロンカウスキーにとっては凱旋ですし、全米が注目する対戦になるでしょう。
僕にとっては、ファンになって初めてブレイディが負けることを願う試合になります。どんな気持ちで過ごすのか自分でも想像できませんが、しっかり目に焼き付けるつもりです。
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