鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)の英文ニュースの一部を訳して紹介します

NFLスーパーボウル53 ペイトリオッツ対ラムズ振り返り②

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スーパーボウル53について、ドキュメンタリー調にまとめた「TURNING POINT」という動画を紹介しています。

 

このページでは、スーパーボウルの後半開始から、ペイトリオッツがTDを決めるまでを扱った15分程度について、ナレーションの部分を書き出して訳しています。

<①はこちら>


【動画リンク】

www.youtube.com

(「Youtubeで見る」でYoutubeに飛んで見てください。字幕をオンにすると、英語字幕が出ます。)


【ナレーション部分書き出しと訳】

(★をつけた英文が、動画からの引用です。※をつけた部分が、当ブログで補った説明です。動画の開始15分ぐらいから、約15分間の部分を以下で書き出しています)


(15:28~)★Midway through the quarter, Sean Mcvay's offense started to click.

3Qの半ばから、ショーン・マクベイのオフェンスにリズムが出てきた。

 

(16:11~)★The young play calling prodigy was hitting his stride. But old defensive master was prepared with an in-game adjustment.

気鋭の天才プレーコーラーが本領を発揮し始めた。しかし、円熟のディフェンスの名匠はゲーム内でのアジャストメントで、それに用意があった。


※prodigy 非凡、天才、神童

※hit his stride 本調子になる、本領を発揮する


(18:16~)★Actually, Jason McCoyrty was exactly where the patriots wanted him to be, based on a play early in the game.

実際には、ジェイソン・マコーティーはまさにペイトリオッツが彼に望む場所にいた。これは、序盤のプレーを踏まえてのものだった。

 

※CBジェイソン・マコーティーが、空いたスペースに戻ってきてTDを防いだファインプレーに対して、当日の実況解説のトニー・ロモは「He's not suppose to be there!(彼はここにいるはずじゃなかったのに!)」とのコメントで絶賛。これは即興的に危険を脱したのではなく、想定していた守り方の1つだった、と分析している流れです。この後のカットでは、ベンチでデビン・マコーティー(兄)が「1Qと同じプレーだったよな? ジェイ(ジェイソン)が戻るべきと話していた」と口にしています。


(18:31~)★The Rams have run the same route combination, with Brandin Cooks post pattern breaking open behind his safeties. But heavy pass pressure had prevente the deep throw.

ラムズは序盤に同じルートのコンビネーションを使って、ブランディン・クックスがポストのパターンで走り、セーフティの背後でオープンになっていた。しかしその時は、激しいパスラッシュのプレッシャーによって、ディープへのパスを投げさせていなかった。

 

※post 「ポスト」はゴールポストに向けて外から内に斜めに走るルートです。「1Qのプレーでは、パスラッシュが間に合って結果オーライだったけど、ポストに走られるのは弱点だから対応が必要」とペイトリオッツが認識していたことを次に説明する流れです。


(18:51~)★New England realized its quarters coverage was vulnerable to the conbination, and instructed Jason McCourty to sink to the middle to help cover the post route in the future.

ニューイングランドは彼らのカバー4が、コンビネーションに対しては弱いことを認識しており、ポストルートがきた場合には中央に寄ってヘルプするようにジェイソン・マコーティーに指示をしていた。


※quaters coverage 「Cover4」と同じ。ディープの横幅を4人で分割してゾーンカバーする守り方。 
(用語参考↓)

NFL 101: Introducing the Basics of Cover 4 | Bleacher Report | Latest News, Videos and Highlights

 

(19:31~)★When the play came up again in the third quater, cornerback Stephon Gilmore inexplicably dropped cooks post route, and only Jason McCourty's awareness and hustle would keep the Patriots in the lead.

3Qに同じプレーが現れたこの時、コーナーバックのステファン・ギルモアはなぜかクックスのポストルートについていけなかった。ペイトリオッツのリードを守れるのは、(反対サイドにいた)ジェイソン・マコーティーの意識と頑張りだけだった。


※inexplicably どういうわけか、不可解な


(20:18~)★Instead of the game's first touchdown, it was the best defensive play in the lowest scoring Super Bowl ever.

ゲーム最初のタッチダウンとなりそうだったがそのかわりに、史上最小得点のスーパーボウルとなったこの試合で、このプレーが最高のディフェンスプレーとなった。


(20:29~)★Bill Belichick's defense went right back to being assignment perfect across the board.

ビル・ベリチックのディフェンスは(ほころびかけていたが)、全員が完璧なアサインメントにすぐ戻った。

※across the board 全体において

※この後ラムズのFGが決まり、試合は3対3になるところまで進みます。

 

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(21:49~)★For nearly three and a half quarters, the Rams had smothered one of the game's most explosive offensive attacks.

ほぼ3Qと半分の間(4Qの半分近くまで)、ラムズはリーグで最高クラスの爆発力のある(ペイトリオッツ)オフェンスを苦しめ続けた。


※smothered 息苦しくする、窒息させる

 

(22:17~)★On their 11th possession, the Patriots finally broke through with a turning point, thanks to a few schematic adjustments by offensive coordinator Josh McDaniels.

11度目のポゼッションで、ペイトリオッツはついに“ターニングポイント”を迎え、突破口を見出した。その原動力になったのは、OCジョシュ・マクダニエルズのスキーム上のアジャストメントだった。


※turning point 転機、岐路。この番組自体のタイトルです。「運命の変わり目」というニュアンスかと思います。


(22:57~)★The only touchdown drive of Super Bowl 53 began with two back one tight end set. Since New England had run the ball 66% of the time on first down, LA was expecting run. Instead, Tom Brady faked the handoff to Sony Michel, which gave Gronkowski a sell his block then release up the sideline for the completion.

このスーパーボウルで唯一のタッチダウンドライブは、2バック(RB)1タイトエンドのフォーメーションからだった。ニューイングランドはファーストダウンで66%ランを使っており、LAはランを予測していた。しかし、トム・ブレイディのソニー・ミシェルへのハンドオフはフェイクだった。それでグロンカウスキーはブロックのふりをしてからサイドライン際に走り込み、パスが成功した。

 

(23:31~)★It turns out the play was drawn up by McDaniels just moments earlier.

マクダニエルズによって描かれたこのプレーは、直前に思いついたものだった。


(23:43~)★On the next play, McDaniels switched things up again.

次のプレーで、マクダニエルズはまたも発想の転換を見せる。


(24:18~)★On the completion to the Edelman, the Patriots deployed 22 personnel, two backs and two tight ends, a grouping that is often an indicator of run. That caused the Rams to match up with their base 3-4 defense. But instead of lining up in a tightly compacted run formation, McDaniels spread out his big personnel in an empty set with Brady in the shotgun, a predominant passing formation.

このエデルマンへのパス成功の際、ペイトリオッツは22パーソネル、つまり2人のRB、2人のTE、を使っていた。このメンバー構成は、ランを出そうとする意図を示すのが普通だ。これによって、ラムズに3-4ディフェンス(のパーソネル)で対応させた。しかし、ペイトリオッツは選手を中央に集めたコンパクトなフォーメーションではなく、マクダニエルズはビッグパーソネルを広げて、エンプティセットでのショットガンを選択。これは、明らかにパスを出すフォーメーションだ。


※22(twenty-two) personnel ナレーションが説明しているとおりに、RB2人、TE2人(WR1人)のパーソネル(メンバー構成)。ヘビーランに向いたパーソネルですが、だからこそプレーアクションなども出しやすいようです。
(用語参考↓)

ITP Glossary: 22 Offensive Personnel - Inside The Pylon


※3-4 defense ディフェンスラインマンが3人、LBが4人のディフェンス。動画ではラムズがディフェンスラインの位置に4人配置していますが、そのうち1人はLBだったことがテロップで説明されています。


(24:45~)★The play known as "Hoss-Y Juke", called for the backs to run hitches on the outside, the tight ends ran seam routes on the inside against the Rams' linebackers and safeties the lone wide out, Julian Edelman, ran an option route against an overmatched linebacker.

このプレーは「ホス・ワイ・ジューク」と呼ばれるプレーで、アウトサイドに配置したランニングバックは「ヒッチ」、内側のタイトエンドは「シーム」のルートでラムズのラインバッカーとセーフティのゾーンを走る。そして唯一のワイドレシーバーであるジュリアン・エデルマンはラインバッカーに対して有利なワンオンワンで、オプションルートで走るものだ。


※hitch ヒッチ。レシーバーが急激にストップして振り向いてキャッチしようとするルート。

※seam シーム。ゾーンカバーの守備に対して、レシーバはゾーンの端の部分を走る。

※option オプション。相手の守備によってレシーバーがルートを選ぶ。

※Hoss-Y Juke 「ホス・ワイ・ジューク」は、RB2人、TE2人、WR1人を配置して、上記ナレーションの説明どおりの「ヒッチ・シーム・オプション」のコンビネーションでパスを狙う。ペイトリオッツは以前からよくこのプレーを使っていたようです。

(用語参考↓)

Patriot’s Juke Series – Riley-Kolste Football

 

(ビル・オブライエンが説明する動画も貼りつけておきます↓)

Bill O'Brien Coaching Clinic: Hoss-Y Juke - YouTube

 

(25:16~)★Mcdaniels called Hoss-Y Juke out of 22 personel on three straight plays. A decision that enabled the patriots to move the ball consistently on route to the decisive score.

マクダニエルズは、22パーソネルからホス・ワイ・ジュークを3プレー連続でコールした。この決断によってペイトリオッツは決勝点につながる進軍を続けることができた。


※同じメンバー構成で、同じ配置から、WRジュリアン・エデルマン、RBレックス・バークヘッド、TEロブ・グロンカウスキーとパスを通した流れが説明されています。


(27:11~)★It was a great throw and an even better adjustment by Brady. The pre-snap motion by Edelman caused confusion for the Rams defenders, making them line up incorrectly. Initially linebacker Cory Littleton followed Edelman across the formation. Moments before the snap, Littleton realized he was still responsible for Gronkowski, and tried to race bask to cover him. But it was too late. Gronkowski got a free release off the line, and that sliver of space was all Gronk needed to get open for the longest gain of the night.

(グロンカウスキーへの)パスは素晴らしかったが、それよりもよかったのは、ブレイディによるアジャストメントだった。スナップ前のエデルマンによるモーションによって、ラムズのディフェンダーは混乱し、正しく守備位置につけていなかった。最初、ラインバッカーのコーリー・リトルトンはフォーメーションを横切る動きのエデルマンについていき、グロンカウスキーをカバーする責任がまだ自分にあることに気づいたのはスナップ直前だった。なんとか戻ろうとしたが、すでに遅かった。グロンカウスキーはスクリメージラインからフリーで走り出した。その細いスペースさえあれば十分だった。彼はオープンになり、この夜最長のゲインとなるパスキャッチを決めた。


(27:58~) ★The Rams struggles with Hoss were surprising, since it's been a staple of the Patriots offense for years.

「ホス・ワイ・ジューク」は何年もの間ペイトリオッツオフェンスの名物とも言える攻撃だったことを思えば、ラムズがそれに手を焼いたのは驚きだ。

 

※staple 主要産物、主成分

 

(28:05~)★In fact, McDaniels ran the same concept several times against Wade Phillips defense in the 2015 AFC championship game.

実際、マクダニエルズは2015年シーズンのAFCチャンピオンシップでウェイド・フィリップスの守備に対して、何度か同じコンセプトを使っていた。

 

(28:51~)★The success of the drive could also be attributed to excellent pass protection, especially by left guard Joe Thuney. Twice he faced deffensive MVP Aaron Donald one-on-one, both times Thuney came out on top.

このドライブが成功した要因は、パスプロテクションの素晴らしさにもあっただろう。とくにレフトガードのジョー・トゥーニーは、最優秀守備選手のアーロン・ドナルドと2回ワン・オン・ワンで対面したが、その両方でドナルドを上回った。

 

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【ここまでのまとめ】

長いので、ここでいったん切ります(次の記事で最後まで紹介できるはずです)。


ポイントとしては、

・ジェイソン・マコーティーのファインプレーは、1Qの時点から想定された状況で出たものだった。

・TDドライブでは、「ランを出すのに向いたパーソネル」を「パスを出すフォーメーション」に配置した。

・3連続で(ほぼ)同じ配置、ルートコンビネーションからパスを決めた。ラムズディフェンスの一瞬の混乱を見逃さなかった。

という感じでしょうか。


「ホス・ワイ・ジューク」は、シンプルな攻撃にも思えますが、細かい工夫で少しずつ有利な状況を作り、QBトム・ブレイディが抜け目なく有利を広げていく感じが、アメフトならではという感じで面白かったです。

 

「3連続で同じプレー」と言いつつも、

「①エデルマンがLBとの1対1に勝ち、中央でレシーブ②エデルマンを右側に配置。左アウトサイドのバークヘッドへパスして確率の高いゲイン③エデルマンを左から右へモーション、手前のバークヘッドも守備に意識させる状況で、ディープのグロンクへ」

という工夫された流れのプレー選択を見事に成功させた感じでしょうか。詰将棋みたいで痺れました。

 

書き出した部分の意味を理解してから、ぜひ動画をチェックしてください! 濃密な駆け引きの魅力がシンプルにまとまっていると思います。


質問、訂正、補足、リクエストなどがあればどうぞ遠慮なさらずコメントください! お答えできるかはわかりませんが、ブログのネタにもなりますので大変助かります!


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