NFLでは、各媒体が「パワーランキング」を作って、「どのチームが一番強いか」を比較します。全チームの総当りにならないリーグなので、対戦のないチーム同士をどうランキングするかは記者の腕の見せどころ。評価のコメントも面白いので、僕はシーズン中のパワーランキング更新を毎週楽しみにしています。
さて、チームの強さランキング以外にも、いろんなものがランキング化されていて、「ヘッドコーチパワーランキング」の記事を見つけました。2019シーズンの結果を踏まえて、2020開始前の時点で、どのヘッドコーチが強いのかを(記者の独断で)評価したものです。
昨季が終了したばかりのタイミングの記事で、少し古いかもしれませんが、各ヘッドコーチへのコメントが短くまとまっています。一部を訳して紹介します。
【引用元】
(以下の英文部分は上記記事より一部を引用したものです。2020年2月19日の記事です。訳や単語の意味は当ブログで作成しました。ぜひ元記事で全文をチェックしてみてください)
<The all-time greats:NFL史上に残る名将>
1位:ビル・ベリチック(ペイトリオッツ)
The Pats' early exit and the potential departure of Tom Brady are not enough to unseat a six-time Super Bowl and 17-time AFC East winning coach from the top of the rankings.
パッツの早い敗退と、今後あり得るトム・ブレイディの離脱(※原文はFA前の記事です)だけでは、6度のスーパーボウルと17回のAFC東地区を勝利したコーチを、ランキングトップから下ろすのに十分ではない。
2位:アンディ・リード(チーフス)
Reid got the monkey off his back by winning his first Super Bowl and shedding the label of winningest active coach not to do so. His offensive schemes with the Chiefs have been impressive, and he's shown his bad decision-making and time management issues are in the past. He also has a head coaching tree that is the most impressive in the NFL (certainly better than Belichick's).
リードは自身初のスーパーボウル制覇によって、長年の肩の荷を降ろし、「スーパーボウル未勝利のコーチの中で最も勝ってる」というラベルをはがした。近年のチーフスでのオフェンススキームは素晴らしく、ゲーム中の判断とタイム・マネージメントが下手という問題は、過去のものとなった。また、彼はNFLでもっとも素晴らしいコーチングツリーを持っている(間違いなくビル・ベリチックのツリーよりもいい)。
※get the monkey off one's back=重荷を取り除く、悪い癖をやめる(直訳すると、「背中の猿を降ろした」の意味です)
※coaching tree=コーチングツリー(コーチの師弟関係の系図」のこと。treeには「樹木状のもの、家系図」の意味もあります。リードと組んでいたコーチとして、ジョン・ハーボー、ロン・リベラ、ダグ・ピーダーソンらが元記事では紹介されていました)
<The returning champs:再度の戴冠に挑む者>
3位:ジョン・ハ-ボー(レイブンズ)
Harbaugh was able to mold an entire offense around Lamar Jackson. Jackson is now an MVP quarterback on an offense that has revitalized the run game in the NFL. He'll win a second Super Bowl sometime soon.
ハーボーはラマー・ジャクソンを中心にして、彼の周囲に、オフェンス全体を作り上げることに成功した。ジャクソンはNFLにランゲームをよみがえらせ、いまやMVPのクオーターバックとなった。ハーボーは近い将来、自身2度目のスーパーボウル勝利を果たすだろう。
※mold=形づくる(名詞で鋳型、の意味。金属、プラスチック、ゼリーなどを流し込む型。またその型で何かを作る、という意味)
4位:ショーン・ペイトン(セインツ)
It's been a while since Payton has won a championship, but he continually has the Saints playing as a top contender in the NFC and showed some versatility in overcoming Drew Brees' injury to remain in contention last year.
ショーン・ペイトンがチャンピオンシップに勝ってから。短くない時間が過ぎたが、彼はセインツをNFCの本命チームの一角に保ち続けている。昨季はドリュー・ブリーズのケガを乗り越えるために、柔軟な対応でやはりタイトルを争った。
※contender=優勝争いをするチーム。top contenderはその中でも本命、というニュアンスで訳しました。
5位:ダグ・ピーダーソン(イーグルス)
Pederson led the Eagles to a Super Bowl title in 2017 and to a wild card appearance in 2018, but his best coaching performance may have been this past season, when he coached a group of practice squad players to four-straight wins and an NFC East title. Just once, it'd be nice to see what he could do with a healthy squad.
ピーダーソンはイーグルスを2017シーズンにスーパーボウル制覇に、2018シーズンはワイルドカード進出に導いたが、彼のコーチングでベストの内容だったのは、この終わったばかりのシーズン(※2019シーズン)かもしれない。プラクティススクワッドの選手たちの用兵で4連勝して、NFC東地区の優勝に導いた。一度でいいから、ケガの少ないチーム状況で、彼が何をできるかを見てみたい。
【鯖缶より】
実績の数字で比べるとは別に、「目利き記者の独断」で決めるランキングもなかなか面白いものです。(記事を書いたEvan Macy氏はフィラデルフィアの記者のようなので、ピーダーソンをやや上位にしているかもしれないですね)
元記事では、以下ピート・キャロル(シーホークス)、マイク・トムリン(スティーラーズ)と、スーパーボウル優勝経験のある監督の名前を挙げています。その次に「The young guns:若手有望株」として、マイク・ブレイベル(タイタンズ)、カイル・シャナハン(49ers)と昨季実績を挙げたHCを上位にランクさせているので、案外手堅いランキングかもしれません。是非元記事をチェックしてみてください。
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