ペイトリオッツはホームにジェッツを迎えて完勝。今季ホームでの初勝利を挙げ、成績を3勝4敗にしました。
LBハイタワー、CBジョナサン・ジョーンズなどキープレーヤーを欠く状況で、苦戦もあり得ると心配でしたが、攻守とも序盤から終盤まで手を緩めず、内容もスタッツも同地区ライバルを圧倒した試合でした。
【観戦メモ】
・マック・ジョーンズ、投げ捨てる
僕が一番盛り上がったのは、マック・ジョーンズが投げ捨てたシーンでした。3Q、13-31でリードして、後半最初のポゼッション。あと1押しでダメ押しと言える状況です。FG圏内に入って1st&10。このタイミングでペイトリオッツはトリックプレーを仕掛けました。
RBダミアン・ハリスがダイレクトスナップを受けて、マック・ジョーンズに後ろパス。フリー・フリッカーのような「ランに見せかけてパス」のプレーですが、ここでボールを受けたマック・ジョーンズは、かなりあっさりとボールを投げ捨てました。おそらく何かのミスコミュニケーションがあって、マックが最初に見た右方向にパスのターゲットになりそうな選手はいませんでした。とにかく「意図どおりの状況になっていない」と知ってから投げ捨てるまでが早かった。
「スクランブルで逃げてターゲット探す」というそぶりを一切見せず、左に向き直って、ハリスを確認してその足元に誰も取れないボールを投げ落としました。
普通と言えば普通の判断でしょうが、ジョーンズの投げ捨ての早さに、「トム・ブレイディみたい」と思ったペイトリオッツファンもいたんじゃないでしょうか。
・マック・ジョーンズ、タイムアウトを取る
上でメモした「投げ捨て」の直後の2nd&10。ここで、マック・ジョーンズはタイムアウトを取ります。これもナイスでした。
というのは、先週のカウボーイズ戦では1点リードの4Qでディレイ・オブ・ゲームのペナルティを犯し2nd&10を2nd&15にしてしまいました。「あと1回ファーストダウン更新でほぼ勝ち」の状況ですから、この5ヤードは痛かった。コールできるプレーの幅をせばめて、次のプレーでピック6を喫しました。
試合後に、「タイムアウトを取ることも必要」とマック自身がコメントしていましたが、このシーンが教訓になったのかもしれません。
それが、この試合ではタイムアウトを取れた。「小さいけれど確実な前進」でしょう。もちろんタイムアウトを取ったのは、スナップ前のコミュニケーションに何かうまくいっていない点があったからで、それ自体は喜ぶべき話ではないでしょう。でも、その小さなほころびを広げなかった。
この、「投げ捨て」「タイムアウト」に、「損切り」の判断の早さを感じました。マック・ジョーンズにとっては、今後生命線となる能力かもしれません。
・さすがに全員機嫌よさそう
何が起きても仏頂面のビル・ベリチック。息子のスティーブ・ベリチックは変顔で周囲を威嚇するような習性があります（意図はよく分かりません。本人は仕事に集中してるだけかもしれません）。
そんな変人コーチに加えて、QBマック・ジョーンズは「泣きそうな顔で神経質そうに反省してる顔」でサイドラインにいるのが定番化していました（TD決めた後でもそんな表情のことがあったので、「集中して学んだことを消化しようとする時」の表情なのかな、と個人的には想像してます）。
しかし、大差となったこの試合の4Qには、さすがに全員「上機嫌」を隠さない印象でした。大差がついたのは、相手との力関係と流れが偏っての結果だとしても、「前進の手ごたえ」はチーム全体が感じたのではないでしょうか。ファンとしてもうれしかったです。
【英文記事より】
New England Patriots Postgame Quotes 10/24
（ペイトリオッツ公式サイト記事より。英文部分は引用です。訳は当ブログで用意しました。ぜひ引用元で全文をチェックしてください）
（ビル・ベリチックの試合後コメント）
Q: How much of a confidence builder can a game like this be for you guys when you post that many points, going forward now and heading out to the West Coast?
記者：西海岸への遠征（来週のチャージャーズ戦）に向けて、このような大勝はチームにとって自信につながるのでは？
BB: I don't think we lacked confidence.
ベリチック：自信を失くしてたつもりはない。
Q: What have you seen from Brandon Bolden that's allowed him to carve out this type of role, especially since James White went down?
記者：ジェームズ・ホワイトが離脱した状況で、ブランドン・ボールデンのどんな部分を評価して彼に今の役割を与えてるのでしょうか？
BB: Well, Brandon is somebody that's always been ready, always done well for us. He's been an outstanding special teams player, just hasn't really had a lot of opportunity. James has been one of our most dependable and durable players.
ベリチック：ブランドンはどんな時でも準備ができている選手で、チームに貢献してくれる。すばらしいスペシャルチーマーだ。今までは多くの機会に恵まれてなかっただけだ。ジェームズ（･ホワイト）はずっと頼りになり、ケガの少ない選手だったこともある。
We're very fortunate that we had Brandon be able to step in and do the things that he does, maintain his role in the kicking game and give us some quality plays offensively, especially on third down.
彼がチームにいて、（ホワイトの穴を埋める形で）出場し、今のようなプレーをしてくれるのはチームにとって幸運なことだ。つまり、キックゲームでも役目を果たした上で、オフェンスにも参加をして、特にサードダウンで質の高いプレーをしている。
He's good with the ball in his hands, and he's very smart, handles a lot of assignments, third down, blitz pickup and those type of things are – they're not easy. He does a good job of that, and as I say, gives us a lot of solid plays in the kicking game.
ボールスキルに優れていて、とてもクレバーで、多くのアサインメントを理解できる。サードダウン、ブリッツ・ピックアップ、などだ。そういったことは、簡単じゃない。それに、先ほども言ったとおり、キックゲームでも堅実なプレーをしている。
（マック・ジョーンズの試合後コメント）
Q: How much of a boost can this game give you, you personally and the offense as a whole?
記者：この試合によって、これからに弾みがつきますね。あなたにとっても、オフェンス全体にとっても。
MJ: Yeah, I think it just goes back to stacking days, and today we were focused on today. That's a result that showed. We came in and we had good energy, 1:00 kickoff, and we were ready to play.
マック・ジョーンズ：ああ、また積み重ねの日々に戻るだけかな。今日は、今日のことに集中した。その結果が出せた。いい士気を保って今日を迎え、1時のキックオフの時点で準備ができてた。
We've got to do that every time. It can't be a one-time thing. Like I said, we're not satisfied at all by any means. We have plenty of work to do, and plenty to get better at.
一度だけのことじゃなくて、これを毎回やらなくちゃいけない。僕らはどんな意味でも、少しも満足してない。改善すべき点はいくらでもある。
It just makes it more fun when you can see a little bit of results, and then, like I said, focus on the process of the week and focus on how we can get better.
ただ、ちょっとでも結果が出れば、その分練習が楽しくなる。次の試合への１週間の準備にも、自分たちの修正にも、より楽しんで集中できる。
Q: How did it feel to be able to get a chance to execute a two-minute drive at the end of the half there, and did you feel like that helped you get into any kind of rhythm at all?
記者：前半の最後に2ミニッツ・ドライブを実行する機会を得たのはどんなふうに感じた？ そのことで、リズムに乗りやすくなることはあった？
MJ: Yeah, I think Josh did a good job there just pushing the tempo, calling great plays, and then offensive line doing their job, I had plenty of time and we were going fast, and with speed comes communication.
マック・ジョーンズ：ああ、ジョシュは的確な仕事をして、コールも素晴らしく、いいテンポでできた。オフェンスラインも仕事をして、僕に（パスを投げる）時間をくれた。早いテンポでドライブができたのは、スムーズなコミュニケーションのおかげだ。
That's always good, puts stress on the defense. Yeah, we did a good job just moving the ball down the field, and I'll have to watch it and just see what I can do better. I know one of the throws was really bad to the right on a little flare. I remember that one. I'll try and fix that and just keep moving forward.
（アップテンポは）常に効果がある。相手ディフェンスにプレッシャーを与えられる。うん、僕らはダウンフィールドにボールを動かすことができたし、改善点がないかあとで確認したい。1つ右へのパスが揺れて、かなり悪いスローがあったのは覚えてる。修正して、前に進み続けたい。
【ハイライト動画リンク】
Jets vs. Patriots Week 7 Highlights | NFL 2021 - YouTube
【おわりに】
とにかく勝てたのがファンとしてはうれしいですが、特にターンオーバーなしという内容に安心できました。あとは、ペナルティが減らせたらいいですね（この試合では結果的にそれほど目立っていませんが、6回で95ヤード喪失しています。DPIはある意味カバーに“つきもの”ですが、オフェンスのホールディングなどは避けられそうな気がします）。
3勝4敗で少し欲が出てきました。なんとかバイ明けのチャージャーズにも勝って、リーグを驚かせたいですね。
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