バッカニアーズはホームにベアーズを迎え完勝。今季の成績を6勝1敗としました。前半からベアーズのQBフィールズを“いじめ”抜いて差をつけ、前半終了時には3対35。放送の後半開始時には、本来試合の展望について話すのが普通ですが、解説のトニー・ロモは「ブレイディにいつまでプレーさせるか」について話すほどの展開でした。
「ブレイディ、キャリア600回目のTD」のボールをエバンスがスタンドのファンにあげてしまう、という“珍プレー”と、ファンにそのボールを返してもらうために、交換条件で出した別の贈り物(シーズンチケット2年分、別のボール、サインジャージーやヘルメットなど)の“トレード条件”が、試合内容よりも話題になった印象です。
【観戦メモ】
・ディフェンスがチームを勝たせたので
バッカニアーズディフェンスが、チームを勝たせたのは今季で初めての試合だったかもしれません。試合トータルで3INT、3ファンブルリカバーと、ターンオーバーを荒稼ぎ。オフェンスに有利状況を渡し続けました。
昨季のプレーオフでは、「ディフェンス力」がチームをキャリーする展開でスーパーボウル制覇まで行ったチーム。ブレイディは「勝てる試合をそのまま勝つ」というマネジメント力にすぐれたQBですから、この「勝ちパターン」を思い出せたのは、チームとして手応えを感じたのではないでしょうか。
・ブレイディ、好調ではなかった?
パス36回中20回のみの成功ですから、4TDとはいえブレイディも好調とは言えない内容だったかもしれません。試合中、600回目のTDを決めて以降、2Qで6連続のインコンプリート。幸運にもINTは免れましたが、ボールが上に浮いたシーンもありました。ダメ押し目前で「ブレイディらしくない」展開です。
バッカニアーズにはサカップのFGミスも出て、返しのベアーズドライブでレッドゾーンまで進まれ3点取られます。この試合で、ベアーズに流れが傾いた唯一の時間帯でした(それでも3対21でしたから、あと4回ぐらいミスしても問題ないぐらいの大差ではありましたが…)。
ですが、3対21でのドライブで、ブレイディはかなり正確さの要求されるパスを3つ通してTD。サードダウンに追い詰められることもない完璧な攻撃で試合を決めました。
先ほど「らしくない」と書きましたが、実は6連続パス失敗の「らしくなさ」は問題ではなく、「不調からの修正力」が「ブレイディらしさ」のような気もします。「絶好調時」の能力で比較したら、ブレイディより上回るQBはたくさんいたでしょうし、今もいるでしょう(“たくさん”はいないですかね)。でも、ブレイディは不調からの回復力の早さで、今の地位を確立したのかもしれないな、などと思いました。
【英文記事より】
Tom Brady meets 'tough kid' who credited QB for helping him beat brain cancer
(NFL公式サイト記事より。英文部分は引用です。訳は当ブログで用意しました。ぜひ引用元で全文をチェックしてください)
(スタンドで「トム・ブレイディのおかげで僕は脳腫瘍に打ち勝てた」というボードを掲げる少年にブレイディが駆け寄り、話をして帽子をプレゼントした件についてのコメント)
"That was really sweet. Obviously, tough kid, man. Puts a lot in perspective with what we're doing on the field; in the end it doesn't mean much compared to what so many go through," Brady said.
「とてもよかった。きっと強い子だね。広い視野に立って考えれば、僕らがフィールド上でしていることは、結局のところ多くの人が闘ってきた様々な苦しみに比べれば、大したことではない」とブレイディは話した。
"We all try to make a difference in different ways and I think so many guys commit times to their foundations and to doing good things for the world. And the NFL does a lot of great things, so it's just nice to - I always think you know do the best that you can do, under any circumstance. It was nice to see."
「僕らはそれぞれの組織、チームに多くの時間をささげて、世界がよくなることをしようとする。様々な方法でね。NFLは多くの素晴らしい取り組みをしてる。だから、今日のような出会いがあってよかった。どんな状況にあっても、自分のベストを尽くすことが大事だと僕は常に思ってる。だから、今日はよかった」
It was another stellar day on the field for Brady, but it was one of myriad in his astounding career.
ブレイディにとっては、またもすばらしいプレーをした試合だったが、彼の輝かしいキャリアにとっては、他の日と変わらないささいな日常だった。
For that young man, though, it's likely this Sunday was one of his greatest so far and one he won't soon forget.
しかし、ファンの若者にとっては、この日曜はこれまでの生涯で最高の一日とも言えるだろうし、すぐには忘れられない一日になっただろう。
(バッカニアーズ公式より、ツイート引用↓)
This is what it's all about 💪 https://t.co/8uA9H3pUD0 pic.twitter.com/YYwgcv2ah9
— Tampa Bay Buccaneers (@Buccaneers) October 25, 2021
【ハイライト動画リンク】
Bears vs. Buccaneers Week 7 Highlights | NFL 2021 - YouTube
【おわりに】
バッカニアーズは盤石とも言えそうな強さを見せつけた試合となりました。次週は同地区ライバルのセインツとアウェーで対戦します。セインツ戦を終えればバイ・ウィーク。勝って気持ちよくバイを迎えたいところでしょう。引き続き、注目したいです。
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