ツイッターアカウントで、アメフト用語を使った小ネタを時々ツイートしています。そのまとめです。1年以上前に第1弾を書いていて、その続編です。
用語の説明も付け加えます。ギャグの説明をするみたいでサムいのですが、アメフト用語に親しんで、ゲームをより楽しむきっかけになったらうれしいです。
スクリメージライン(Line of scrimmage)
アメフト民が説明する相撲
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) 2019年2月12日
円形のフィールドに、2本スクリメージラインがある。2人のラインマンが防具もなしに向かい合う。レフェリー兼チアリーダーがゆるくスナップカウントしてプレー開始。お互いタックルして、ダウン・バイ・コンタクトまたはアウト・オブ・バウンズで負け。ボールは使わない。
アメフトは1回ずつプレーを止めて、「4thダウンまでに10ヤード進めば、また1stダウンから攻撃継続ができる」という世界観で戦うゲームです。その都度のプレーでオフェンスはフォーメーションを組んで、しかも「一度止まってその隊形を相手に見せる」など、 など手続きに様式があるのが特徴です。その、プレーごとの基準となる線が「スクリメージライン」。ボールが置かれたその幅の分だけ、見えない境界線があって、プレーが開始されるまでそこに入ったら反則、というイメージです。
僕はアメフトの面白さ、ハチャメチャさを説明するのに、「5対5の集団相撲と5対5のバスケ的攻防を同時にやる。状況や戦術によって人数配分を変更する」と言っていて、自分的にはよくできたたとえだと思うのですが、多分あまり伝わらない(見てもらったほうが早い)、というのがあります。
上のツイートのネタの解説を続けると、「はっきよーい」という行司のかけ声を「スナップカウント(snap count)」になぞらえています。
What is Snap Count? Definition from SportingCharts.com
スナップカウントは、QBがオフェンス全体、特にボールを渡す(スナップする)センターに、タイミングを伝えるためにかける号令のことです。QBとしては、オフェンスがプレーを始めるタイミングをできるだけ読ませたくないので、試合中にも「ハット(hut)」(ハットでなくてもよい)という回数を変えたり工夫します。
関連用語としては、アウェーのクラウドノイズで声が届かないことが想定される場合の「サイレントカウント(silent count)」(手足のゼスチャーや、直接体に触って合図する)、実際にはスナップせずに相手ディフェンスのオフサイドを誘う「ハードカウント(hard count)」などがあります。
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オーディブル(audible)
#アメフトツッコミ
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) 2019年2月11日
デートで行ったレストランで、あれこれウンチクばかり話してなかなか注文しない彼に
「大事な場面でオーディブルしようとして結局ディレイ・オブ・ザ・ゲームくらうQBか! 5ヤード罰退したら店の外だわ」
「オーディブル」はQBがディフェンスのフォーメーションを見るなどして、コーチでなくQBの判断でスナップ直前にオフェンスのプレーを変更すること。「激しい肉弾戦の途中に詰将棋を解く」みたいで、アメフトの「究極のスポーツ」っぽさと、「突き抜けたアホらしさ」っぽさを感じられる、いわば試合観戦の「華」的なシーンに思います。
だからこそ、その作戦変更の判断が遅れ、オフェンスメンバーへの伝達が遅れて結果的に「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム(delay of the game)」の反則を取られるシーン(しばしばあります)は、まさに興ざめ。プレークロック(次のプレーを始めるまでの時間)がゼロになる前にスナップしないと、オフェンス側は5ヤード下がるペナルティーを受けるのです。
ところで、先ほど書いた「激しい肉弾戦の途中に詰将棋を解く」みたいな、QBのエクストリームスポーツ感について僕なりにまとめたツイートも下に貼っておきます。
僕の想像するQBのヤバさ
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) September 18, 2019
① 四方からヒグマが襲って来る中
② フラッシュ暗算をしながら
③ ダンスダンスレボリューションをしつつ
④ 動く的にダーツを投げるのを
⑤ 40秒周期で繰り返す
(全然違うけどだいたい合ってるはず…)
オンサイドキック(onside kick)
#アメフトツッコミ
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) 2019年2月11日
朝一から無茶な指示をしてくる上司に
「前半開始からいきなりオンサイドキックかよ」
前後半の開始やTD、FGの得点後に、キックオフが行われます。通常は敵陣に大きく蹴り込んで、なるべく深い位置から相手の攻撃が始まるようにするものですが、それを、「短く蹴って、蹴ったボールにキックした側のチームが突っ込み、ボールを捕ってしまおう」とするキックがオンサイドキックです。
オンサイドキックは、「成功する見込みの低い無謀な賭け」と言えます。キックしたチームは、「キックした地点から10ヤード」まではボールに触ると反則になるのに、レシーブするチームは反則になりません。つまり、レシーブ側が有利。
そして、2018シーズンからのルール改正で、「どちらかのサイドに選手は密集させる」「助走して突っ込む」などが禁止になったので、オンサイドキックはさらに成功しにくくなりました。(2017シーズンは21.7%、2018シーズンは7.5%)
それなのに、なぜオンサイドキックを蹴るかと言えば、「普通に蹴って相手ボールになり、そのままボールを保持されて試合終了」みたいな状況で、100%負ける選択をするよりは、5%でも可能性あるプレーを選択するからでしょう。
もしくは、「奇襲」として成功させる自信があるのなら、それは愚かな作戦ではなく「バカと紙一重の天才」なのかもしれません。
セインツはスーパーボウル44の後半開始のキックオフでオンサイドキックを遂行。それを成功させ、試合の流れを一気に引き寄せてスーパーボウルを制覇しました。(この時は、まだ助走して突っ込んでいいルールでした)
動画リンクを貼り付けておきます↓
(「Youtubeで見る」をタップしてYoutubeでご覧ください)
オンサイドキックがほとんど成功しなくなった今、前半開始のキックオフでオンサイドを選択するヘッドコーチがいたとしたら、良くも悪くも伝説になることでしょう。
「アメフトツッコミ」として、もう1つ貼り付けておきます↓
#アメフトツッコミ
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) 2019年2月19日
渋谷のスクランブル交差点を見て
「NFLの試合終了直後か! 両チームの選手、コーチ、スタッフ、カメラマンやマイク持った人とかの撮影スタッフが入り乱れるフィールドか! 握手したいのに相手クオーターバック見つからなくてヒヤヒヤするわ!」
リージョン・オブ・ブーム/ 爆音軍団(Legion of Boom)
NFLマニアのロックバンドにありそうなバンド名
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) June 11, 2019
リージョン・オブ・ブーム
クラウドノイズ
アンネセサリー・ラフネス
バット・ファンブル
考えすぎて方向性を見失ったバンド名
地獄のヘイル・メリー
The仏頂面フード爺ぃズ
「モーションはひとりだけ/恋のオプションルートもう迷わない」バンド
Legionは軍団、boomは「大砲や雷の轟く音」で、「爆音軍団」の意味。シーホークスのスーパーボウル連続出場(48、49)を支えた強力DB陣のこと。中心選手だったリチャード・シャーマンがサンフランシスコ・49ersに移籍(2018から)、カム・チャンセラーが引退(2018まで)、アール・トーマスがボルティモア・レイブンズに移籍(2019)して、“解散”となったイメージです。
熱狂的な応援のクラウドノイズで有名なシーホークスですから、「爆音軍団」はぴったりのニックネームで、定着した呼び名でした。「ラジオインタビューに出演した時にニックネームを募集しようという流れになり、ツイッターで投稿された中から選んだ」とチャンセラーは話しているようです。
(参考記事貼り付けておきます↓)
https://www.espn.com/blog/seattle-seahawks/post/_/id/11740/how-the-lob-got-its-name
ところで、この名前はアメコミの悪役組織で「Legion of Doom」(doomは「破滅、悪い運命」の意味)の「もじり」でもあるようです。しかも、「Legion of Doom」というデスメタルバンドもあるみたいです。(なので、僕のツイートの「ありそうなバンド名」というネタは、すでに実在のバンドがあるなら、正直ちょっと失敗してる気もします)
他にも、ちょっと不良っぽいイメージの言葉で、響きがキャッチーな用語はバンド名に似合いそう。「クラウドノイズ(crowd noise)」は群衆の騒音という意味で、スタジアムの観客が、ビジターチームのオフェンスを邪魔しようと騒いで立てる音のこと。「アンネセサリー・ラフネス(unnecessary roughness)」は「不必要な乱暴」の意味で、すでにアウト・オブ・バウンズに出た選手にタックルした場合など、危険なプレーの際に取られる反則です。
そのあとの「バット・ファンブル(The Butt Fumble)」は、ジェッツQBマーク・サンチェスが味方ラインマンのお尻(=butt)に突進してボールを落としてしまった珍プレーにつけられた名前です。
もし、「バット・ファンブル」という名前のバンドがあったら、ちょっとユーモラスでイケてるな、と思います。「狙ったプレーができずに、突進しても無様な失敗ばかり」みたいな、「ロックっぽさ」を感じるいいバンド名に思うのですが、どうでしょうか。
(バット・ファンブルの動画を貼り付けておきます↓)
さて、長くなったので、今回はここまでにします。それにしても、用語解説としては脱線しすぎ、笑いのネタとしては説明しすぎというなんとも中途半端なコラムになりましたが、用語を言ってるだけで楽しくなってくるのがファンというもの。また似たようなまとめをつくるかもしれません。
以下、小ネタのツイートを貼り付けておきます。気に入ってもらえるネタが1つでもあればうれしいです。
すべてがNFLの話に聞こえる人
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) June 2, 2019
「タピオカって好きですか?」
「まあ好きかな。まだ伸びしろあるのか、今が頭打ちなのか、今年が勝負かな。ケガには気をつけてほしいよ」
「タピオカの話ですよ?」
「マリオタの話じゃないの?」
「ミルクティーに入ってる」
「テネシーに入ってる」
「は?」
「は?」
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アメフトのQBがコンビニ店員だった時に起こりがちなこと
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 31, 2019
①40秒以内に次の客を対応
②左側から来る客にも注意を怠らない
③チャリティの意識が高く、客が募金すると同じ額をレジから募金
④自他ともに認めるバイトリーダー
⑤店長が決めたシフトを直前に自分で変更
⑥時給が他のバイトの3倍
⑦弁当をレンジに入れる動きが鮮やかすぎ
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 31, 2019
⑧調子に乗るとレンジに入れる前にパンプフェイクをいれがち
⑨レジから店内に出る時には「ポケットパサーも時にはスクランブル」とか言う
⑩別のバイトが隣のレジを開けると「さあドラゴンフライだ」とか言う
⑪新人バイトQBが活躍すると、別の店に放出される
⑫10年ぐらいエースバイトリーダーとして店を支えると、客の間で「引退したらバイトの殿堂入りできるかどうか」の議論が盛り上がる。本人も口には出さないが、もちろん“バイトの殿堂”は子供の頃からのあこがれ。
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 31, 2019
同じチームに配属になった新人に対して「こいつNFLファンだな」と思った瞬間
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 29, 2019
①ランチはハンバーガーかピザの2択
②学生時代を「カレッジの頃は」とか言う
③乳がんの早期診断をやたら勧めてくる
④退役軍人へのリスペクトが半端ない
⑤給料が安すぎるとか言って会社に来ない
⑥どうやら4年ぐらいでFAになるつもりでいる
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 29, 2019
⑦ゲータレードばかり飲んでる
⑧ズボンからタオルをぶら下げてる
⑨タブレットを見せて指示すると真剣に聞く
⑩トンネルからダッシュで飛び出しがち
⑪飛び込み営業に同行すると、「先輩、リードブロックお願いします」とか言いやがる
「NFLファンかも?」という新人が会社に現れた時のさりげない確かめ方
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 14, 2019
①「その書類ハンドオフしてくれる?」
②「俺も、ルーキーシーズンは苦労したよ」
③「マンデーナイトから出張だわ~」
④「サンクスギビングに有給申請する?」
⑤「早く書類出して! オマハ! オマハ!」
⑥「ねえNFL好き?」
「NFLファンかも?」という新人が会社に現れた時のさりげない確かめ方
— 鯖缶@NFL三昧 (@savacanNFL) May 14, 2019
①「その書類ハンドオフしてくれる?」
②「俺も、ルーキーシーズンは苦労したよ」
③「マンデーナイトから出張だわ~」
④「サンクスギビングに有給申請する?」
⑤「早く書類出して! オマハ! オマハ!」
⑥「ねえNFL好き?」
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