鯖缶NFL三昧

NFL(アメフト)ファンの個人ブログです。

【NFL布教コラム】〇〇は実質アメフト

(スポンサーリンク)

NFLにハマった僕らが、一度は憧れる夢がある。知的で好奇心のあるかわいい後輩から、「NFLってどこが面白いんですか?」と聞かれ、NFL、アメフトの魅力を心ゆくまで語り尽くすことだ。


そんな日が来るのを夢見ながら、「どうやってわかりやすく説明してやろうか」と妄想するほど楽しいことはない。現実には、そんなことを聞いてくれる後輩はいないので、こうやってコラムでも書いて検索されるのを待つしかない。


このコラムは、NFL(アメフト)と似てるものを紹介して、どこが似てるかを比較しながら、魅力を語ろう、という試みです。過去にいろんなところで書いてきたものを、自分なりにまとめてみました。(僕のツイッター投稿を再編集したものです)


(もくじ)

 


①マンガ「キングダム」

「キングダム」って、「味方の戦術Aが成功するには、敵の戦術Bを防がなくちゃいけない」という時に、「戦術Aに必要な時間」と「戦術Bに必要な時間」の勝負をかなり丁寧に描いてる気がするんですね。


それって、「レシーバーがマークを振り切って、QBがパスを通せるようになるまでの時間」を、「QBを守るオフェンスラインが稼げるか(QB自身が逃げて稼げるか)」のハラハラ感とめちゃくちゃ似てるんですよ。「キングダム」好きな人はアメフト見るべし。

 

(よろしければこちらもどうぞ↓)

アメフトの面白さをマンガ「キングダム」で説明してみる - 鯖缶@3rd&forever

 

②将棋

アメフトは、フィールド上の選手に、明確な役割分担がある。それって、動きが決まった(動きに制約のある)いろんな種類の駒がある将棋と同じじゃないですか。

 

「サッカーやバスケだって、ポジションごとの役割はある」と思うかもしれません。でも、アメフトの方が将棋に近いです。


オフェンスの選手は、ルール上の制約で役割の定義がある。QBを守るラインマンは前パスをレシーブできない、とか、QBはルール上優遇されてる(QBへの反則を厳しく取られる)とか。

 

バスケだったら、コート上の5人に動きの制約で役割が決まってないですよね。アメフトの方が将棋っぽくないですか。


さらに、「いちいちプレーを止めて、毎回布陣を作る」というターン制が将棋っぽい。オフェンスは、各ターンでフォーメーションを1秒見せる。

 

このフォーメーションがたくさんあって、それだけで楽しい。将棋に居飛車と振り飛車があるように、アメフトにもラン重視、パス重視の様々な布陣があります。


(よろしければこちらもどうぞ↓)

アメフトの面白さを、将棋に例えて説明してみる - 鯖缶@3rd&forever

 

③ポーカー

アメフトでは、「どちらの戦術が上か」みたいな試合展開を「チェスマッチ」って慣用句っぽく形容するんですけど、実はポーカーにもよく似てる。つまり、ハッタリが重要な心理戦。パワー重視のランで攻めるか、スピード重視のパスで攻めるか。読み合いの繰り返しです。


ポーカーでは、細かい確率計算がもちろん重要なんだけど、常に「ブラフ」が最強で、「ブラフが利く場面なのか」の見極めが重要。そして「ブラフ」を見破れないと結局勝てない。

 

「ランと見せてパス」「ランと見せてやっぱり本当にラン」の心理戦、ポーカーに似てると思います。


④Eカード

マンガ「カイジ」に出てくる謎ギャンブル、Eカード。あれも、アメフトとすごく似てません? Eカードでは、「目をつぶって適当に出す」のはNGで、「出す前にカードを見る」のが重要なポイント。プレー開始前にフォーメーションを見せて1秒止まってから始めるアメフトの呼吸が、あれによく似てる気がするんです。


本当の狙いは隠して、「見た目の狙い」をまず見せる。あの時間をいちいち作るからこそ、「狙いを見破れなかった時の悔しさ」が勝負のコクになる。

 

そして、Eカードでは5ターンのうち、どのターンで「奴隷」を出すかがポイント。あれがアメフトのダウン制に似てる。


リードしてるチームがボールを保持して、時間を消費してる局面での1st&10。「ラン・ラン・パス」が普通なんだけど、だからこそ裏をかいて「パス」のカードを最初に切ってもいい。


あるいは、ディフェンスがブリッツを仕掛けるのも、「3ダウンのどこでいくか」(「3rd&ロングになったら仕掛ける」でもいいけど、ファーストダウンで仕掛けてもいい)という意味では似てる。


「どの順番でカードを切るか」について、「セオリーらしきものはあるけど、だからこそその裏も常にある」という感覚がEカードっぽくないですか。


⑤スプラトゥーン

4人で1チームになってインクを塗り合い、撃ち合うゲームなのですが、この塗り合い(自分が優位に立てる陣地の奪い合い)と撃ち合い(1on1のスキル勝負)の組み合わせがアメフトっぽいんです。

 

スプラでは、自分のチームの色で塗られた陣地では、「移動が速い」「ダメージ回復、インク(撃ち合いの弾)回復が早い」という優位性があります。だから、「自分が動きやすい足場作り」である塗り合いが大事なんですけど、この「塗り」がアメフトのパスプロやランブロックの重要性と似てる。


ガチマッチの各ルールでは、「攻撃」のフェーズと「守備」のフェーズが分かれるように工夫がされています。「アサリがゴールに入ると、反対のゴールは閉まる」「ホコのキャリアーが倒されると、いったんバリアが張られて、ターンが区切られる」など。

 

攻守が渾然一体となるよりも、攻守のフェーズを分けて、勝負どころを明確にした方がエンタメ性が高い、というのはアメフトの哲学に相当近いと思います。


(よろしければこちらもどうぞ↓)

【コラム】「スプラトゥーン」が実質アメフトな件 - 鯖缶NFL三昧

【コラム】「スプラトゥーン」が実質アメフトな件② - 鯖缶NFL三昧


⑥オーディション系リアリティーショー

僕が小さい頃、一番よく見た映画は「コーラスライン」でした。「ブロードウェーの舞台に立つためのオーディション」を描くミュージカル。登場人物たちが受けているのは(主役級のキャストではなく)バックダンサーのオーディションだというのも泣ける。歯を食いしばって目指すわずかなスポットライト。


それ以来、「数少ないイスを奪い合うライバルこそが、実はお互いの最大の理解者」というモチーフにとことん弱い。将棋の奨励会も、グループアイドルも。

 

ああ、NFLはまさに「それ」の極致じゃないか。1チームわずか53人のロースター枠。そこを目指して、毎年「努力と才能の結晶」みたいな若者が入ってくるんです。


毎シーズンがオーディションだ。1つの試合が、1つのドライブが、1つのスナップが彼らの運命を変える。実績のあるベテランも、値段どおりの価値を出せなければすぐにお荷物扱いになっていまう。無限オーディションのリアリティーショー。続きが気になってしまいます。


(よろしければこちらもどうぞ↓)

【コラム】「オーディションもの」が好きなんだ(NFLドラフトに寄せて) - 鯖缶NFL三昧


⑦ラグビー

ラグビーとアメフトが似てる? ウソつけよ。「アメフトとラグビーは全然違う。例えば…」みたいな話をよく聞くし、僕もよく言うんですけど、でもそれって、「よく似てるから、違うところを比較できる」っていうこと。「ラーメンと人生の相違点は…」とか言わないですよね。


僕は日本開催のワールドカップの時に初めてラグビーを見て、第一印象は「想像してたより似てるな」でした。ラグビーは前にパスできないって、知ってたけど、ラグビーのフィールドは横に広くて、「サイドに大きく展開する」と「密集地帯でパワー勝負」との対比が、アメフトのパスとランに似てる。


で、似てるからこそ、どこが違うのかを考えたんだけど、「アメフトはプレーを止める」が一番の特徴だな、って思いました。それによって状況をデジタルに記述できて、「10ヤード」の「ダウン制」が可能になる。


「見るスポーツ」としては、状況をいちいち整理するアメフトは、実は初心者フレンドリーだと思います。見所が理解しやすくて、エンタメ性が高い。ラグビーは、秩序と混沌が渾然一体となっていて、そこがイケてるな、と。「ドラマ」と「ドキュメンタリー」の違いみたいだと思いました。

 

(よろしければこちらもどうぞ↓)

【コラム】NFLファンがほぼ前知識なしでラグビーを見た感想(アメフトとラグビーの違いについて思うこと) - 鯖缶NFL三昧

 

おわりに

以上で、この長すぎるアメフト雑談を終わります。過去に書いたことを短くまとめよう、と思って書きましたが、結局長すぎて反省しています。それだけアメフトが面白すぎる、と伝わったらうれしいです。

 

(もしこのコラムが面白いと思ってくださった奇特な方は、僕がNFL2020シーズンを見て、ひたすら観戦の間に起こったことをごちゃまぜで書いた日記を読んでみてください。過去のシーズンの話ですが、「NFLを題材にした終わらない雑談、が書かれています↓)

NFL観戦日記2020:開幕前①(001) - 鯖缶NFL三昧

 

 

 

(ツイッター、フォローお願いします↓)